飲食店におけるSDGsの意識調査、53.2%が節電を実施。フードロスを減らす努力も

株式会社シンクロ・フードのプレスリリース

飲食店に特化したリサーチサービス「飲食店リサーチ」(https://www.inshokuten.com/research/company/)を運営する株式会社シンクロ・フード(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤代真一、東証プライム市場:3963)は、飲食店.COM会員を対象に、SDGsへの意識や店舗での取り組みについてアンケート調査を実施いたしました。

  • 本調査について

■調査概要
調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:445名
調査期間:2022年8月2日~2022年8月5日
調査方法:インターネット調査

■回答者について
本調査にご協力いただいた回答者のうち69.2%が1店舗のみを運営しております。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は51.7%(首都圏の飲食店の割合は68.6%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測されます。
 

  • 調査結果について

飲食店のフードロス対策、5割超の店舗が「最小限の食材仕入れ」を実施

2030年に向け、世界各国で取り組みが進む「SDGs(持続可能な開発目標)」。日本でも各分野で取り組まれていますが、飲食店でもフードロス対策やプラスチックごみの削減などできることが多くあります。そこで今回は、SDGsの達成につながる飲食店の取り組みについて各店の状況を調査するため、「食材の取り扱い」、「節電」、「プラスチックカトラリーの提供」の3点に質問項目を絞ってアンケートを実施しました。

はじめに、フードロスに関する取り組みについて調査しました。食品廃棄は世界的な問題であり、フードロスの削減はSDGsの目標にも掲げられています。まず、店舗で最も多いフードロスの内容について尋ねたところ、「フードロスをあまり感じていない(25.6%)」との回答が最多となりました。次いで、「皮・へた・芯などの野菜くず(23.8%)」、「お客さまの食べ残し(19.3%)」との回答が続きます。
 

続いて、フードロスを防ぐための工夫を尋ねたところ、最も多かったのは「食材の仕入れ量を最小にする」との回答で54.8%。続く、「無駄な食材が出にくいメニューの開発(47.0%)」、「冷凍保存(44.9%)」、「冷蔵冷凍庫、食材保存庫の整理整頓(44.3%)」、「先入れ先出しの徹底(43.1%)」との回答もそれぞれ4割を超える店舗が行っています。さらに、全体のうち約7割の店舗は複数の工夫を組み合わせて実施しており、フードロスに対する取り組みが飲食店で浸透している様子がわかります。
 

SDGsが掲げる17の目標のなかには、海の資源を守るための目標もあります。この目標達成につながる取り組みの一つが水産資源の維持を目的としたMSC/ASC認証です。そこで、水産物を仕入れる際に「MSC海のエコラベル」または「ASCラベル」のついたものを選んでいるか聞いたところ、「選ぶ」(必ず選ぶ=0.4%、できるだけ選ぶ=3.6%)と回答したのはわずか4%にとどまりました。一方で、47.0%が「MSC/ASC認証を知らない」と回答しており、認証制度の認知が進んでいない現状が読み取れます。
 

 

 

飲食店の約4割が「毎日節電」、こまめに電気を消す店舗も

政府から7年ぶりの節電要請が出されるなど、近年電力不足が問題となっています。そこで店舗における節電事情を尋ねたところ、最も多かったのが「毎日節電している(37.5%)」との回答。「日によって節電している(15.7%)」との回答と合わせると、53.2%の店舗が何らかの節電を行っています。「節電することが難しい」との回答は、30.3%でした。なお、本アンケートの調査期間中は、政府から節電要請(7月1日~9月30日)が出されており、こうした背景も影響している可能性があります。
 

さらに、「毎日節電している」、「日によって節電している」と回答した方に具体的な節電内容について聞いたところ、以下のような回答が寄せられました。

エアコンの設定温度を見直す、調節する
・エアコンの設定温度をその日その日で変えている。来店が少ないときはエアコンの稼働を減らす(埼玉県/カフェ/1店舗)
・エアコンの設定温度管理の徹底(愛知県/バー/1店舗)
お客さんがいない時間や未使用エリアのこまめな電源管理
・アイドルタイムや営業時間外はエアコンを消したり、設定温度を上げたり、必要最低限の明かりで仕込みやオープン準備をしている(大阪府/イタリア料理/1店舗)
・使用しない場所の照明やエアコン、調理器具などの電源をこまめにオフにする(愛知県/和食/1店舗)

看板・店内照明の使用を控える
・看板や店内の照明を抑えている(東京都/その他/6~10店舗)
・看板の電気をつける時間を遅らせる。店内照明の間引きなど(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

エアコンや冷蔵庫などのフィルターを掃除
・エアコンの設定温度の調整とこまめなフィルターの清掃、冷蔵庫のフィルターの清掃(石川県/その他/1店舗)
・空調の清掃、メンテナンス(東京都/カフェ/3~5店舗)

消費電力の低い、家電・LEDへの買い替え
・消費電力の高い電球しか使っていなかったため、全ての電球を消費電力の低いLEDに交換した(大分県/テイクアウト/1店舗)
・エアコンを使用電力の少ないものに変え、エコモードで使用(愛知県/カフェ/1店舗)

また、店舗においてとくに節電しづらい場所を尋ねたところ、最も多かったのは「客席の冷暖房(74.6%)」との回答でした。続く「食材の保存(冷蔵冷凍庫や生け簀など)」も73.5%と、ほぼ同数の人が選んでおり、お客の居心地や食の安全に直結する部分については、節電が難しいことがうかがえます。これに続く「客席の照明や装飾(38.4%)」、「厨房の冷暖房(34.2%)」、「店頭の照明や看板(32.6%)」、「電力を使う調理(31.0%)」もそれぞれ3割を超える人が選択しています。
 

代替素材への切り替えやお客への意思確認など、プラごみを減らす工夫も

プラスチックごみの削減は、飲食店にとって身近なSDGsの取り組みの一つです。そこで、各店にプラスチック製のカトラリー(※)の提供状況を聞いたところ、「もともと提供していない」との回答が60.9%で最多に。これに、「必要性に応じて無料で提供している(33.3%)」との回答が続きます。また、いずれも少数ではあるものの「過去1年以内に代替素材に変えて提供している(2.2%)」、「有料で提供している(販売価格に含む)(2.0%)」、「過去1年以内に提供をやめた(1.6%)」との回答もみられました。

(※)特定プラスチック使用製品に指定される、プラスチック製のフォーク、スプーン、テーブルナイフ、マドラー、飲料用ストローを指します
 

最後にプラスチックごみを出さない工夫について聞いたところ、以下のような声が寄せられました。

プラスチックごみになるものを購入しない
・あまりプラスチックごみになるものを買わないようにしている(兵庫県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・仕入れ段階から、プラスチック容器での仕入れをしないように心がけています(東京都/フランス料理/2店舗)

代替素材を使った製品へ切り替える
・店内用のストローはプラスチックからサトウキビの物に変えました(東京都/カフェ/1店舗)
・木製カトラリーやとうもろこし原料のテイクアウトケースなどを徐々に採用している(東京都/カフェ/1店舗)

マイバッグの活用や梱包の簡略化など、仕入れ時の工夫
・業者さんに納品時のパッケージ簡略化をお願いしている(神奈川県/バー/1店舗)

有料化
・仕入れ時にマイバッグを持参(神奈川県/アジア料理/3~5店舗)
お客に提供するプラスチック製品の有料化、意思確認
・プラスチックフォークやレジ袋は全て有料にして必要な人にのみ渡すようにする(東京都/カフェ/2店舗)
・お客さまに必要かどうかを聞いて、必要な人にだけお渡ししている(愛知県/カフェ/1店舗)

■調査結果の引用時のお願い
本調査結果の引用時には、以下のご対応をお願い申し上げます。
・クレジットに、「飲食店.COM(株式会社シンクロ・フード)調べ」と明記ください。
・WEB上で引用いただく際には、「飲食店リサーチ」(https://www.inshokuten.com/research/company/)へのリンク付与をお願いいたします。

<問い合わせ先>
■飲食店リサーチについて
・URL:https://www.inshokuten.com/research/company/
「飲食店リサーチ」は、飲食店に特化したリサーチサービスです。飲食店出店者・運営者に対してアンケートを実施し、マーケティングデータを取得することが可能です。飲食店向けの新しい商品・サービスの企画や食品・飲料の研究・開発等の際に、ニーズの把握・データの裏付けといった様々な形で、マーケティングデータを活用いただけます。

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■株式会社シンクロ・フードについて
当社は、”多様な飲食体験から生まれるしあわせを、日本中に、そして世界へと広げる”というビジョンのもと、飲食店経営・運営を支援するプラットフォーム「飲食店ドットコム」を運営しています。テクノロジーを最大限に活用し、飲食店の出店開業・運営に必要な「ヒト・モノ・情報・サービス」など多様な選択肢をシンプル・スピーディに提供していくことで、飲食業界の発展・関わる人のしあわせに貢献してまいります。

【本社】 東京都渋谷区恵比寿南一丁目7番8号 恵比寿サウスワン7階
【代表者】 代表取締役 藤代 真一
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