転職サービス「doda」のプレスリリース
パーソルキャリア株式会社が運営する、転職サービス「doda(デューダ)」(編集長:大浦 征也)は、2022年11月のレジャー・外食業界の転職求人倍率をまとめた「業界版doda転職求人倍率」を発表いたします。
doda転職求人倍率は、中途採用市場における需給バランスを表すもので、dodaの会員登録者(転職希望者)1人に対して、中途採用の求人が何件あるかを算出した数値です。 <算出式※:求人数(採用予定人員)÷ 転職希望者数>※分子・分母はdoda独自の定義により算出したものです。 |
■2022年11月の概況
レジャー・外食業界の求人数(採用予定人員)は6カ月連続で増加するも、転職希望者数は伸び悩み、採用難易度は高い状況
求人数(採用予定人員、以下求人数)とは、転職求人倍率を算出する月に新たに掲載された求人に加え、算出月の前月末時点、かつ算出月に掲載があった求人に記載されている採用予定人員のことを指します。 |
2022年11月のレジャー・外食業界の転職求人倍率は、全体の2.23倍※1に対し、0.57倍となり前月比+0.03ポイントでした(表①、図①)。求人数は前月比103.5%、前年同月比151.7%となりました(表②)。前月比では、全12業種※2(「その他」は除外)の中で4番目に求人が増加しました。転職希望者数は前月比97.9.%、前年同月比103.5%でした。
レジャー・外食業界では、「ファストフード関連」企業の海外進出や、国内での新規出店を背景に、それに関連するポジションで求人数が増加しました。一方で、年末年始にかけて繁忙期に入ることから転職活動を控える個人が増加し、転職希望者数は微減。これらの動向を受け転職求人倍率は、2022年11月も上昇し、前月比を更新しました。
※1:全体版は、doda転職求人倍率レポート< https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/ >を参照ください。
※2:本リリース2枚目の表「業種別 求人数増加率」を参照ください。
■2022年11月の動向
海外事業の拡大を目指す「ファストフード関連」企業では、海外事業を拡大させるため「海外店舗開発」や「調達企画・バイヤー」などの求人が増加。
日本の人口が減少傾向にあることや国内の経済が低迷していることから、外食業界では、国外に活路を求めて、海外事業の拡大を目指す企業が増加しています。特に、牛丼・お寿司といった日本食を提供する「ファストフード関連」企業は、世界的な和食ブームを背景に、海外店舗を増やす動きを加速させています。
それを受け、海外事業の拡大を注力するために海外店舗開発の取りまとめを行う「海外店舗開発」で求人数の増加が見られました。また、海外事業の拡大には、食材の調達量を増やす必要があります。そこで、食材を安定的に供給するために食材の新規調達ルートの開拓などを行う「調達企画」「バイヤー」といったポジションの採用も強化する企業が増加傾向にあります。
「海外店舗開発」や「調達企画」「バイヤー」といった海外事業拡大のためのポジションは、日本とは異なる生活習慣を理解し、異国の競合企業と戦うための戦略を練る必要があり、重要な役割を担っています。そのため、企業は即戦力となり得る人材を求める傾向にあります。しかし、そうした経験豊富な人材は希少であるため、企業は給与水準を引き上げるなど採用面で工夫を凝らしています。一方で、求められる経験、スキルのレベルが高いことから、今後も採用難易度が高い状況は続くと考えられます。
■2022年11月の求人案件数の動向
求人案件数とは、採用予定人数に関係なく、その月のうちに1度でも「doda」に掲載された求人票の数を指します。(新規、繰越を含む) |
旅行・宿泊・レジャー業界で、「ホテル・旅館・宿泊施設」の求人案件数が前月比で唯一の増加。「ウエディングプランナー」、「サービススタッフ」などの現場スタッフの採用強化が一因に。
新型コロナウイルスの影響で結婚式を挙げる人は減少傾向にありましたが、行動制限の緩和が進み、徐々に回復してきています。さらに、新型コロナウイルスの収束を見越し、今まで延期や中止をしていた結婚式・披露宴の開催をする人は増加すると予想されます。
一方、先行きが不透明な状況下で企業は採用活動を一時中断・停止、個人はコロナ禍でも安定している他業界に転職を希望するなど、「ホテル・旅館・宿泊施設」は今、労働力不足に陥っています。
しかし、結婚式・披露宴に対応するために、人員補充を急速に行う必要があり、現場スタッフの採用ニーズが高まっています。そのため、2022年11月は旅行・宿泊・レジャー業界の中で唯一「ホテル・旅館・宿泊施設」で求人案件数が増加しました。特に、結婚式を企画・プロデュースする「ウエディングプランナー」、結婚式のサービス業務全般を行う「サービススタッフ」のポジションで求人が増加傾向にあります。
これまでは、これらのポジションは顧客との折衝スキルなどが求められることから、即戦力となり得る業界経験者が採用される傾向にありました。しかし、それでは人材確保が間に合わないことに加え、現場スタッフの採用ニーズが高まっていることを背景に、企業の採用基準は大きく変化。意欲が高くポテンシャルに期待できる未経験者を採用するなど条件を見直し、採用の間口を広げています。こうした動きは今後も継続されると考えられます。
【ご取材可能】解説者 doda編集長 大浦 征也(おおうら せいや)
2002年、株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社。一貫して人材紹介事業に従事し、法人営業
として企業の採用支援、人事コンサルティングなどを経験した後、キャリアアドバイザーに。担当領域は、メーカーやIT、メディカルやサービス業等多岐にわたり、これまでにキャリアカウンセリングや面接対策を行った転職希望者は10,000人を超える。
その後、複数事業の営業本部長、マーケティング領域の総責任者、事業部長などを歴任。2017年より約3年間、doda編集長を務め、2019年11月には執行役員に。2022年7月、doda編集長に再就任。転職市場における、個人と企業の最新動向に精通しており、アスリートのセカンドキャリアの構築にも自ら携わる。社外では、公益財団法人スポーツヒューマンキャピタル(SHC) 理事、一般社団法人日本人材紹介事業協会 理事にも名を連ねる。