日清オイリオグループ株式会社のプレスリリース
日清オイリオグループ株式会社(社長:久野 貴久)「生活科学研究課」は、社会環境や生活者の価値観の変化、それらに起因する生活習慣の動向などについて調査研究し、情報発信しています。
また、毎年のはじめに「高質・個・共有・健康・環境」の5つの視点で生活者の消費マインドを独自に予測しており、本年も「2023年 生活者の消費マインド予測」を当社ホームページにて公開しました。
生活科学サイト: https://www.nisshin-oillio.com/report/
- 2022年の振り返りと「生活者の消費マインド予測 2023」概要
2022年は、新型コロナウイルス感染症拡大の落ち着きや対策の定着により行動制限が解除され、生活者は不安と期待が入り混じる中、試行錯誤しながら行動しはじめました。長く続いたコロナ禍や、健康管理アプリの広まりは、人々の心身の健康意識を高めました。生活者は、ストレス解消に背徳・豪華グルメを利用したり、主食にオートミールなどの食物繊維が豊富なものを摂り入れたりするなど、“自分なりのアレンジ”で“ココロとカラダの充実”を図ってきました。
また、ロシアのウクライナ侵攻や、これを背景とした食料価格や燃料価格の上昇は、生活者の節約志向を強めるとともに、“捨てない暮らし”や“互いを尊重し合う”ことを意識するなど、「地球環境」「持続可能な発展」「相互支援」などをキーワードとしたSDGsについて考える機会を増やしました。
2023年も引き続き、生活者のSDGsへの意識は高いと予測します。そのような中、生活者は伝統食をアレンジした最新のプラントベースフードを試したり(“伝統とモダン”)、技術の進化により環境保全の取り組みを日常生活の中に取り入れたり、食品加工技術によってとれたて・できたての風味を長く楽しむ(“自然とテクノロジー”)など、一見相反するもの同士を融合させながら、デジタルツールや時間を融通し、周囲と融和した消費生活を営んでいくと考えます。こうした予測を基に、「生活者の消費マインド予測 2023」の核となるキーワードを「融食(ゆうしょく)」と設定しました。
本年のキーワードを導いた「高質・個・共有・健康・環境」の5つの視点からの分析結果は、以下の通りです。
- 5つの視点からのマインド予測
○ 高質:作り手の温もりと工夫で、モノやサービスの本質に価値を見出す
消費意識全般で、商品やサービスを利用する際に、そこに籠められた作り手の気遣いや伝承された技術が活かされていることに気づき、その品質の高さや使い勝手を価値として感じるようになると考えます。食においては、進化し続ける食品加工技術により、鮮度やできたて感などをこれまでよりも長く楽しめるようになると予測します。(レポート5頁参照)
○ 個:偶然とカスタマイズで、エキサイティングな生活を楽しむ
消費意識全般においては“タイパ志向”が続き、失敗をしない・効率がよい日常を重視する一方で、“〇〇ガチャ”に象徴されるように生活に刺激を与える思いがけない発見を求めると考えます。食においては、2種類、3種類と複数の食材や食品同士を合わせ、食事に変化を与える新しい味わいを創り出すと予測します。(レポート6頁参照)
○ 共有:人とデジタルの協奏で、変化した日常の快適さを体感する
デジタル上でのサービス利用やコミュニケーションの幅と頻度が広がり、生活者は年齢・場所・時間の制約なく日常にデジタルが馴染んでいることを実感すると考えます。食においては、進化型自動販売機や無人店舗など、非接触や省力化に対応した販売形態の利用により、商品入手方法の選択肢が広がるとともに、新しい体験の機会が生まれると予測します。(レポート7頁参照)
○ 健康:リセット法と時間活用術で、ココロを満たしカラダを調える
多忙な日常生活の中で、あえてゆっくり時間をかけることを取り入れてココロを安らげ、そしてカラダとの調和をとり、健康を保つマインドが高まると考えます。食においては、背徳・豪華グルメなど五感にインパクトのある食を楽しむことでストレスを解消したり、食べる時間による栄養効果を意識したりと、食によって叶える“健康”の目的と手段の幅が広がってくると予測します。(レポート8頁参照)
○ 環境:心理的メリットと参加しやすさで、一歩踏み出し無理なく順応する
環境保護に関する情報発信や循環型社会の実現に向けた実証実験などの取り組みが一層活性化し、生活者と事業者が一体となった循環システムが生活の中に溶け込んでくると考えます。食においては、食品ロス削減に向けた取り組みなど、生活に密着した企業の取り組みを通じて環境に対する意識を自分ゴト化し、身近なことから取り組むと予測します。(レポート9頁参照)
【「生活者の消費マインド予測2023」に関するお問合せ先】
日清オイリオグループ株式会社 技術本部 中央研究所 生活科学研究課
TEL:045-757-5461 〒235-8558 神奈川県横浜市磯子区新森町1番地