サブスクリプション型POSシステム「NECモバイルPOS」が10年目に突入

NECのプレスリリース

日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表取締役執行役員社長 兼 CEO 森田 隆之、以下NEC)が提供するサブスクリプション型POSシステム「NECモバイルPOS」が2023年3月に国内販売開始から10年目を迎えました。

現在、1300社以上の企業で導入。リリース当時は個店の飲食店で使われることを意図したサービスでしたが、今ではDX推進など、大手飲食チェーンのダイナミックな挑戦を力強く支えるサービスとなりました。こうした発展を遂げることができたのも、飲食事業者の皆様がさまざまな気づきを与えてくださったからです。

現に、「NECモバイルPOS」の特徴である『サブスク型POSであるにもかかわらずフィールドサポートも手を抜かない』や『周辺サービスとの連携先の多さ』という特徴は、そうした声を反映して生まれています。その意味で、NECモバイルPOSは飲食業界の歴史と共にあるといっても過言ではありません。

今日までの途上で、いくつかの大きなターニングポイントがありました。誕生から10年目の節目に、いくつかのターミングポイントに分けて振り返ります。

使われ続けるサービスを目指して、現場の声に耳を傾ける

業務が効率化できても、現場に合わないと使ってもらえないか­­­———

2014年、「NECモバイルPOS」の開発チームは、厳しい現実を突きつけられました。事の発端は、とある個店のオーナーに、開発したばかりの「NECモバイルPOS」を使ってもらえないかお願いしたことです。快く承諾いただいたものの、数週間後に伺ってみるとサービスは使われていない状態でした。

訳を伺うと、POSとキッチンプリンターの連携が一つしかできないなど、飲食店の現場で使うには機能不足の点がたくさんあることを知りました。今なら、そのオーナーの気持ちが分かります。そもそも飲食店のPOSは店舗業務の中心的存在であるため、オーダーエントリーシステムを兼ねているケースがほとんどです。利用料金が安いといっても、そうした機能が不十分であれば業務に支障が出るため使ってはもらえないでしょう。しかし、当時の私たちは、そうした事情を知る由もありません。タブレット型で省スペースになり、安価に導入できるのならそれでも使ってもらえるのではないかという期待を抱き、個店の飲食店へのシステム導入のアプローチを行っていました。

サービスが誕生した頃、チームにあったのは『個店の飲食オーナーの業務をサポートしたい』という思いです。そもそもNECは、40年以上前から据え置き型POSレジの開発を行ってきました。現在もそれぞれの企業が必要とする機能をPOSに搭載して提供することで、大手飲食チェーンの成長をサポートしています。しかし、当時は中小の飲食店の経営をサポートするサービスはありませんでした。そこで2014年3月に誕生したのが「NECモバイルPOS」です。

当時、飲食業界では焼き鳥や餃子、串カツなど、業態の専門化が進むのと同時に、古き良き大衆酒場やレトロな横丁を現代風にアレンジした業態が次々と生まれていました。その中心的な役割を果たしていたのが個店です。新進気鋭の若い経営者がつくる個店が業界を盛り上げ、新たな魅力をつくりだしていました。そうした経営者のチャレンジをサポートすることで、飲食業界の発展に貢献したい。「NECモバイルPOS」の誕生の背景には、そうした思いがあります。だからこそ、2010年頃から急速に普及し始めたスマートデバイスで気軽に使えるスタイルのレジにし、サービス名を「モバイルPOS」と名付けました。

ただ先述の通り、現場で使われ続けるサービスにはなりませんでした。そうした状況を受けて、私たちはオーナーの声に耳を傾けて、求められている機能を搭載すると共に、しっかりとニーズに応えていくためにサービスの改良を続けました。また、サービスを知ってもらうためにデジタル広告も開始しました。すると意外なところから声がかかります。POSレジを専門に扱う地方の販売店が興味を持ち、「NECモバイルPOS」をぜひ売りたいと申し出てくれたのです。

当時、先行して同様のサービスを提供している会社がいくつかあり、大手小売チェーンへの導入や、社会貢献活動で話題となり、メディアでも大きく取り上げられていました。その中で、当社はサービスの提供をはじめたばかりでまだ実績もなく、この分野では無名です。それにもかかわらず、声をかけてくださる販売店が現れて、とても驚きました。そのとき声をかけてくださった理由を聞いて、私たちは活路を見いだます。NECが長年POSレジを提供してきた実績から生まれるサービス継続性に対する安心感と、培ってきた保守の力を生かせばいいのだ、と。私たちは強みを認識すると共に、これが『個店ではなく、オーナーが営業の現場から離れ、2、3店舗と店舗を拡大させている飲食企業のニーズ』であることが分かりました。こうして軌道修正を徐々にしながら、飲食店の現場で「NECモバイルPOS」が使われ始めるようになりました。

周辺サービスとの連携と、システム保守いう二つの強みの誕生

「まずいことになったな」­­­———

2016年、チームの中ではこうした会話を交わす機会が増えていました。当時、タブレット型のPOSレジというマーケットに、多くのメーカーがひしめき合っていました。その原因は2019年10月に実施される消費増税と、軽減税率の導入でした。政府も補助金を出して導入をサポートしていたため、これまでPOSレジを取り扱っていない事業者まで、次々に参入をしてきました。

その中から、同様のサービスを無料で提供したり、既存サービスで全国の飲食店とのチャネルを持つメリットを活かしたサポートをして積極的な営業を仕掛けたりする有力な競合メーカーが台頭してきます。加えて、レジだけでなく、キャッシュレス決済端末をはじめとした周辺サービスを一社で提供することで、2、3店舗と店舗を拡大させている飲食企業の悩みをトータルに解決していました。そうした飲食企業は、まさに私たちがターゲットにしていた企業です。しかし、私たちはPOSレジ以外に武器がないので太刀打ちがでず、そうした状況に、途方に暮れてしまいました。 

しかし、一方で、チャンスも訪れます。これまでターゲットにしていなかった10店舗以上の飲食チェーンからのニーズが増えてきたのです。そうした企業は、据え置き型のPOSレジを長年活用されています。そのため、POSレジとはどのようなものなのかを深く理解されていて、NECの『システム保守』に魅力を感じていました。POSレジはお客様との大切な接点になるからこそ、サービスが止まってしまってはいけません。その経験を通して、サービスの継続性とともに、システム保守も強みだと分かりました。

加えて、このタイミングで周辺サービスとの連携に力を入れはじめます。確かに、一社でレジだけでなく、その周辺サービスもリリースして飲食店の悩みを一括で解決するメーカーが勢いを増していました。しかし、飲食の現場ではさまざまなサービスが使われています。キャッシュレス決済や予約台帳など、ジャンルごとに店で求める機能に違いがあるので、一つ一つをこだわって選びたいというニーズがあります。10店舗を超える飲食企業ともなると複数ブランドを展開しているケースも多く、そうしたニーズはより強くなっていました。そこで周辺サービスを自社で提供するのではなく、さまざまな特徴を持つ他社のサービスと連携する方針を定めます。このことが、10店舗以上の展開を行う飲食事業者への導入を加速させるとともに、『周辺サービスとの連携先の多さ』が「NECモバイルPOS」の強みの一つになりました。

こうした改善の結果、POSレジを選択するときに「NECモバイルPOS」を候補として挙げていただく機会が格段に増えていきました。飲食業界に特化したPOSレジとして、『周辺サービスとの連携先の多さ」と『システム保守」という二つの強みを持っているのは、現在でも私たちだけだと自負しています。現に、その後、50店舗を超える飲食チェーンなどへの導入が進み、やがて大手飲食チェーンからのご相談も増えていきました。

大手飲食チェーンでの導入が加速。DX推進の要の存在として成長

100店舗規模はもちろん、1000店舗を超えるチェーンでも使ってもらえる­­­———

2017年以降、いくつかの大手飲食チェーンでの導入が決まり、私たちは確固たる自信を持つようになりました。豚骨ラーメン専門店「一風堂」などを展開する株式会社力の源ホールディングスや、お好み焼き専門店「ぼてぢゅう」などを展開するBOTEJYU Group ホールディングス株式会社、そして讃岐うどん専門店「丸亀製麺」などを運営する株式会社トリドールホールディングスなど、名だたる飲食チェーンの導入が進みます。このような大手飲食チェーンの導入を通して、「サブスク型」が強みであるということが明確になりました。

大手飲食チェーンは、全国で数多くの店舗を運営しているため、保守期限を迎えた据え置き型のPOSレジの切り替えに莫大なコストと時間がかかっていました。また、機能強化が必要になった場合も、展開しているブランドごとに開発が必要となり、その分コストと時間がかかってきます。しかし、サブスク型なら、私たちが機能強化を行うので開発のコストはかかりません。また、既に導入頂いている企業様の声を聞いた上でアップデートをし続けているため、時代を先取りして機能が強化されるケースも多くなります。

こうして『周辺サービスとの連携先の多さ』や『システム保守』『サブスク型」という三つの強みを得て、「NECモバイルPOS」の導入は大きく伸びます。

例えば、2020年までは東京で開催された世界的なスポーツイベントに向けて、インバウンド需要を取り込みたい飲食チェーンのキャッシュレス対応が盛んになりました。しかし、キャシュレス決済端末とPOSレジの連携がうまくいかず、周辺サービスとの連携先が多い「NECモバイルPOS」に切り替えることで、キャッシュレス決済対応を行う飲食チェーンが増えていきました。

その後、2020年4月に一回目の緊急事態宣言が発出されてからは、本格的にコロナ禍に投入します。コロナ禍ではテレワークの浸透をはじめとした生活様式の変化で市場環境が激変したことはもちろん、人手不足の深刻化や原材料の高騰を受け、飲食店はDXの推進が盛んになりました。特に、デリバリーサービスとモバイルオーダーの導入が急激に進みました。その他にも、企業によって必要とされるサービスは異なり、その組み合わせも数多くあります。そうした状況から、連携先の多い「NECモバイルPOS」を核として位置づけ、周辺サービスを組み合わせていくことで、DX推進を行う企業も出てきています。

これからも時代は移り変わっていくでしょう。その変化に自社のリソースだけで立ち向かうのには限界があります。だからこそ、私たちの出番も増えていくのは間違いありません。三つの強みを武器に、飲食店の成長を力強く支えながら、引き続き、飲食業界の発展に貢献していきたいと考えています。

サブスク型POS(NECモバイルPOS)の詳細については以下よりご確認ください。

https://jpn.nec.com/mobile-pos/index.html?cid=mobilepos_pr53_20230428_10thyearAniiversary

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