龍谷大学のプレスリリース
産学官連携「ぶどう山椒の発祥地を未来へつなぐプロジェクト」
第19回オーライ!ニッポン大賞で「審査委員会長賞」を受賞
本件のポイント
◆ 都市と農山漁村を往来する新たなライフスタイルの普及や定着化を図ることを目的に、都市と農山漁村の交流活動を表彰する第19回オーライ!ニッポン大賞(※1)で、龍谷大学経営学部藤岡ゼミナールと和歌山県有田川町の産学官連携の取組が「審査委員会長賞」を受賞。
◆ 生産者の高齢化と後継者不足で産地消滅の危機にあると言われるぶどう山椒発祥地である有田川町清水地域の存続をめざし、課題解決へ向け継続した活動とその効果が評価された。
◆ 本プロジェクトに関わる受賞は近畿農政局主催「第5回近畿ディスカバー農山漁村(むら)の宝」、内閣官房および農林水産省主催「第9回ディスカバー農山漁村(むら)の宝」優良事例の選定、環境省主催「第10回グッドライフアワード」実行委員会特別賞「山里川海賞」の受賞に続き、4つ目。
本件の概要
龍谷大学経営学部藤岡ゼミナール(以下、藤岡ゼミ)と和歌山県有田川町の産学官連携の取組「ぶどう山椒の発祥地を未来へつなぐプロジェクト」が、オーライ!ニッポン会議(都市と農山漁村の共生・対流推進会議)(代表:養老 孟司)」が主催する第19回オーライ!ニッポン大賞で「審査委員会長賞」を受賞しました。
今回の受賞では、生産者と大学生のつながりを商品化まで昇華させた点や、春夏秋冬にわたる活動(生計)への意欲的な試み、若手農家が複数の生業を持ちながら身をたてる持続可能な農業に取り組むスタイルを体現し、移住就農者につなげている点などが高く評価されました。本プロジェクトに関わる受賞は近畿農政局主催「第5回近畿ディスカバー農山漁村(むら)の宝」(第5回)農林水産省主催「第9回ディスカバー農山漁村(むら)の宝」優良事例の選定、環境省主催「第10回グッドライフアワード」実行委員会特別賞「山里川海賞」の受賞に続き、4つ目となります。
龍谷大学とぶどう山椒の発祥地である和歌山県有田川町は、2019年から包括連携協定を締結しており、経営学部藤岡ゼミでは有田川町と連携しながら生産者の高齢化や後継者不足といった課題を抱えるぶどう山椒発祥地存続のため「ぶどう山椒の発祥地を未来へつなぐプロジェクト」に取り組んでいます。
本プロジェクトでは、ぶどう山椒の高付加価値化を図るべく、ぶどう山椒に関する研究調査、認知促進活動、企業との商品開発や販売、中学高校での出張講義等を有田川町と連携して実施しました。これまでに13商品(ぶどう山椒を使ったレトルトカレー3種、マドレーヌ、スパイスミックス3種、カレーパン、餃子など)の開発・販売をおこない、その売上の一部でぶどう山椒の苗木80本を購入し、同町のぶどう山椒生産者へ寄贈しています。こうした取り組みは、農林水産省の国民キャンペーンNIPPON FOOD SHIFT FESでも取り上げられ、これまで東京、大阪、神戸などでプロジェクトの報告プレゼンを行ってきました。
これまでに150人を超える本学学生が同プロジェクトに携わり、継続的に産地振興活動に取り組んだ結果、住民が自ら自分たちの未来を描く機運が醸成されました。都市部の企業から連絡があり、商品開発・販売に至った例が多数あり、地域の事業者もぶどう山椒を活用した商品開発に乗り出し始めました。若手農家が自社商品の開発や販売を手掛け、輸出商社との商談等販路拡大を図るなど、六次産業化の動きも活発になってきています。その結果、ミシュラン3つ星の料亭にも採用されるなど、ぶどう山椒を主として生計を立てる経営スタイルのモデルが確立しつつあり、有田川町では移住・就農インターンシップも積極的に取り組まれ、県外からの移住就農者も誕生しています。
今後も和歌山県有田川町のぶどう山椒の認知度向上をめざすとともに、取り組みを通してマーケティングの学びを深めていきます。
※1 オーライ!ニッポン大賞(主催:オーライ!ニッポン会議)
オーライ!ニッポン会議(都市と農山漁村の共生・対流推進会議)(代表:養老 孟司)が主催。都市と農山漁村を往来する新たなライフスタイルの普及や定着化を図ることを目的に、都市と農山漁村の交流の活動に取り組む団体・個人を表彰するものです。表彰式は2023年7月13日(木)に品川フロントビル会議室で開催予定。
「緑のダイヤ」とも呼ばれるぶどう山椒は大粒で
肉厚、香り・旨味・辛みが濃く強いのが特徴
本プロジェクト関係者の集合写真