シャンパーニュ地方の生態系や自然遺産を守るモエ・エ・シャンドン 生物多様性プログラム「NATURA NOSTRA(ナチュラ ノストラ)」

MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社のプレスリリース

MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社(東京都千代田区神田神保町)の取扱いブランドである、シャンパン メゾン モエ・エ・シャンドンは、シャンパーニュ地方の自然遺産を守るための取り組み「NATURA NOSTRA(ナチュラ ノストラ)」を行っています。メゾンがナチュラ ノストラプログラムのために設定した高い目標に全従業員が参画し、様々な生物多様性サポートプログラムを実施しています。

「NATURA NOSTRA(ナチュラ ノストラ)」とは 

シャンパーニュ地方で最も大きなブドウ畑を所有するリーディングカンパニーとして、モエ・エ・シャンドン メゾンが気候変動に立ち向かうために考案し実施している生物多様性サポートプログラム。自然に寄り添い、地域社会とともに土壌の再生や動植物の育成に取り組むことで自然界への人間の介入の仕方を見直し、動物たちの住処(すみか)を作ることで、生態系のバランスを確立することを目的としています。

当プログラムは、 100年前にシャンパーニュ地方を脅かしていたフィロキセラと戦うために設立したモエ・エ・シャンドンのブドウ栽培とワイン醸造の研究所である「フォート・シャブロル」に、2021年に1,743本のブドウの木の植樹をしたことから始まりました。これによりブドウ畑と生物多様性がより調和した関係を築き、病害虫の発生を抑え、土壌構造を改善し、土地の保全性を高めることができます。現在は、既存の生態系をつなぐ100キロの生態系コリドーづくり(*1) 、生きた土壌のための再生農業を加速化する等の取り組みを続けています。

代表的な取り組みとして、まずは、除草剤や機械を使わず、土壌を守りながら雑草を抑制する再生農法を取り入れたこと、そして、羊を使った緑地管理により、温室効果ガス排出量と大気、騒音公害の削減を実現したこと、更にはミツバチの巣箱を設置することにより、生物多様性の保護に取り組んでいることなどが挙げられます。

1743年のメゾン創業以来、モエ・エ・シャンドンは、約3世紀に渡る伝統とノウハウを受け継ぎながら、シャンパーニュ地方の自然体系を守ることに取り組んできました。モエ・エ・シャンドンは、これからも生態系を

尊重し保全しながら、卓越したシャンパーニュを生産するために、革新と適応を続けてまいります。

(*1) 生態系コリドーとは:野生生物の生息地間を結ぶ、野生生物の移動に配慮した連続性のあるネットワークされた森林や緑地などの空間。

  • TWO PILLARS OF NATURA NOSTRA 生物多様性のための2つの柱

既存の生態系をつなぐ100キロの生態系コリドーづくり

ナチュラ ノストラ プログラムの大きな柱の一つとして、動植物種が移動をしたり、餌を探したり、休息したりできるように、 100キロメートルにおよぶ森林や緑地を繋げた空間である“生態系コリドー”づくりを実施しています。2022年には10キロの生態系コリドーが完成。2023年から2027年にかけて、ブドウ栽培のパートナー農家や各種企業、地方自治体の支援を受けて、さらに90キロメートルの生態系コリドーを整備する予定です。

さらに生物多様性の貯水池をつなぐことで、生態系コリドーは自然の生息環境を拡大し、様々な動植物が混在するようになり、動植物の減少を食い止めることが出来ます。

こうして回復した生物多様性は、将来にわたって自然や天然資源を保護するための大切なバランス要素となります。そのため、モエ・エ・シャンドンは自然保護専門家と協力し、ブドウ畑の所有地とその周辺における生物多様性の目録を作成しています。5年後までに生物多様性目録を作成することで種の進化と活動の影響を測定し、改善すべき点を明確化していく予定です。

生きた土壌のための再生農業を加速化

ナチュラ ノストラは自然界への人間の介入の仕方を見直し、動物たちの自然の住処(すみか)を増やすことや、単一栽培の景観を多様化させることで、生態系のバランスを図っています。これによりブドウ畑と生物多様性がより調和した関係を築き、病害虫の発生を抑え、土壌構造を改善し、土地の保全性を高めることに繋がります。

モエ・エ・シャンドンは苗木に関するさまざまなプロジェクトも実施しており、その一つとして、1970年以前に植えられたブドウ品種を保存するための貯蔵所を設置しました。最も古い区画からは、900本のブドウの穂木が選抜され、現在もコレクション区画に保存されています。目標は、18,000本以上のブドウの穂木を集めることで、次世代に引き継ぐ「生きたライブラリー」として、メゾンのワイン造りを気候変動に適応させるためのさまざまな解決策を導き出す一助となることを目指しています。

  • NATURA NOSTRA PROGRAMS ナチュラ ノストラの各種プログラム

1.PLANT COVER カバークロップ

除草剤や機械を使わず、土壌を守りながら雑草を抑制する再生農法

モエ・エ・シャンドンでは2020年に全ての除草剤の使用を中止しました。しかし、除草の際にトラクターを使用することで二酸化炭素排出量が増加し、また土壌が圧縮されることが予想されることから、再生農法に着目しました。

具体的には、土壌の有機物を増やし肥沃度を高める能力を持つ特定の植物種を、カバークロップ(*2)として畑に植樹しました。ブドウの収穫後に畑の畝間(うねま)に蒔かれたアルファルファ、オーツ麦、マスタード、ライ麦などからなるカバークロップは、冬から春にかけて成長し、バイオマス(*3)を生産します。バイオマスは、土壌を覆うカバークロップとなり、雑草の再繁殖を防ぎます。その結果耕作が抑えられ、温室効果ガスの排出が削減されます。

(*2)カバークロップ:主作物の休閑期や栽培時に、土壌浸食の防止や土壌への有機物の供給などのために、畑の空いているスペースに栽培される作物のこと。

(*3)バイオマス:エネルギー源として利用できる植物、動物、細菌、真菌由来の 有機物。

2. ECO-GRAZING エコ放牧

羊を使った緑地管理

モエ・エ・シャンドンでは、環境への影響を軽減するため、羊の放牧による冬季のカバークロップ管理など、さまざまな農業生態学的取り組みを試みています。

2020年には、フランス原産の羊5種の飼育試験を開始し、2022年には100ヘクタールの土地で220種以上の羊の飼育を開始しました。モエ・エ・シャンドンでは、イル ド フランス羊とサフォーク羊という2種の主要血統を取り入れているほか、ソロノート羊、メリノスウール用イースト羊、イーストウエッサン羊といった絶滅危惧種の保護も目指しています。

また、羊を使ったエコ放牧では、機械的に土地を伐採したり、汚染の原因となる除草剤を使用することなく、自然環境を良好な状態を保つことができるというメリットがあります。

温室効果ガス排出量と大気・騒音公害の削減:

トラクターなどの機械に代わり、羊を放牧することで土壌を管理しています。

土壌の保護:

トラクターが土壌を破壊するのとは対照的に、羊は立ち入りが困難な場所にも入ることができ、土壌の圧縮と沈下を防ぎます。また、羊の糞は天然の肥料にもなります。

地域の生物多様性の保全:

羊のエコ放牧は、多様な動植物に適した地域形成に役立っています。

3.  BEEHIVES ミツバチの巣箱

380ヘクタールの土地を生物多様性保全のために開放

380ヘクタールの土地を生物多様性保全に充てているモエ・エ・シャンドンでは、ミツバチやその他の花粉媒介者となる昆虫にもその土地を開放しています。この取り組みは15年前にオーブ地方のジャイ・シュル・セーヌ地区で始まり、現在はマルヌ、エスヌ、オーブの各地区に約70のミツバチの巣箱を所有しています。

ブドウ樹の成長はミツバチなどの花粉媒介者には依存しませんが、植物で受粉するミツバチにとって、ブドウ樹は魅力的な植物です。そんなミツバチやその他の花粉媒介者のために、モエ・エ・シャンドンは、堤防を築き、低木の生垣を植え、灌木地帯を作り、草刈りを遅らせ、除草剤を使用しないことで、生物多様性の保護に 取り組んでいます。

2017年、RBA協会(*4)とのパートナーシップを発足し、野生および家畜の花粉媒介者および植物が1年を通して存在する場所を特定し、地図を作成しました。花蜜と花粉の潜在能力を評価し、野生のミツバチと家畜のミツバチの競合を査定することで、受粉樹種の目録を作成しました。

(*4) RBA協会:Reseau Biodiversite Abeillesの略。ミツバチの生物多様性ネットワークの保全活動を行うフランスの団体。

  • ABOUT MAISON MÖET & CHANDON CSR    モエ・エ・シャンドン メゾンのCSR活動について

持続可能なブドウ栽培

モエ・エ・シャンドン メゾンは、2001年から持続可能なブドウ栽培を開始し、2007年にはシャンパーニュ地方にあるすべての事業所で「ISO-14001認証」(*5)を取得しました。その後2014年には、「シャンパーニュにおける持続可能なブドウ栽培認証(VDC)」(*6)及び、「環境価値重視認定(HVE)」(*7)をダブル認証しました。

世界的にも広がる「持続可能なブドウ栽培認証」には、温室効果ガス排出量の削減や、水質、景観、生物多様性を保全するための具体的な行動など、99項目以上の基準が定められています。さらに、メゾンの土地の10%を生物多様性保全に充てるという条件も達成し、認証資格取得に至りました。

モエ・エ・シャンドンは、1,280ヘクタールのブドウ畑だけでなく、300ヘクタールの森林と約80ヘクタールの天然草地を含む380ヘクタールを生物多様性の保全に充てています。また敷地内の一部には、15キロメートルにわたる生垣を植樹しています。このような活動により、生態学的原理をブドウ栽培に応用する科学的学問分野、農業生態学の研究を始め、メゾンの土地管理に対するアプローチを根本的に変えたことでパラダイムシフトを引き起こし、すべての生態系における生物多様性の強化につながりました。

現在、モエ・エ・シャンドンは、ブドウ畑だけでなく、森林、草地、池、動植物など、生物多様性とその保全に配慮したグローバルな生態系へのアプローチを取りながら、土地を管理しています。

そしてナチュラノストラの志は、モエ・エ・シャンドンの所有地にとどまらず、シャンパーニュ地方全体にまで広がっています。

(*5) ISO14001認証:製品の製造やサービスの提供など、自社の活動による環境への負荷を最小限に抑え、地球環境へ配慮した組織/企業活動を

行っていると認められた国際的な認証。

(*6)シャンパーニュにおける持続可能なブドウ栽培認証(VDC):シャンパーニュにおけるブドウ栽培や醸造に関しての環境に関した認証。

(*7) 環境価格重視認証(HVE):フランス農水省が制定した、特に環境に配慮した慣行を特定し、促進することを目的とした最高レベルの農場環境認証。

  • ABOUT NATURA NOSTRA    モエ・エ・シャンドンの環境配慮への取り組み

モエ・エ・シャンドンは、輸送方法を空輸ではなく河川や鉄道を利用したり、100%生分解性のコルザオイルから作られるバイオディーゼルを使用したトラックでベースワインを輸送するなど、環境に配慮した代替輸送ソリューションも開発しています。今後は、ボトルの技術的特性やリサイクルの選択肢を引き続き模索し、有機CNGで走るトラック車両を製造する予定です。

モエ・エ・シャンドンのエコデザインのパッケージは、ナチュラ ノストラプログラムの重要な柱であり、環境への影響を抑えながらより魅力的な商品を生み出す手段となっています。

あらゆるパッケージに関するプロジェクトは、eQopackというツールを使って分析され、二酸化炭素排出量、天然資源消費量、水消費量、水の生態毒性、温室効果ガス排出量が測定されています。

モエ・エ・シャンドンは、ナチュラ ノストラを通じて、生物多様性の保全、温室効果ガスを削減し、次世代にシャンパーニュ地方の自然の恵みを引き継いでいきます。

  • ABOUT MOËT & CHANDON    モエ・エ・シャンドンについて

世界中で愛され続けるシャンパン メゾン モエ・エ・シャンドンは、1743年の創業以来、セレブレーションや人生の忘れられない瞬間に寄り添い、人々を魅了してきました。

モエ・エ・シャンドンは、国王ルイ15世当時のフランス宮廷の御用達ワインとして親しまれ、かのポンパドゥール夫人は、”飲んだあと女性をより美しくしてくれるのはシャンパンだけ”と断言しました。またロシア皇帝アレキサンドル1世、フランス国王シャルル10世などもメゾンを寵愛し、特にナポレオン1世と当時の当主ジャン・レミーとの間には深い友情があり、メゾンのフラッグシップ・シャンパン「モエ アンペリアル」は、ナポレオン1世への敬意を表し『アンペリアル(皇帝)』と名付けられました。モエ・エ・シャンドンは、シャンパーニュ地方最大の作付面積を有し、上質なブドウ、長年培ってきたシャンパン造りのノウハウ、そして近代的な設備を活かし、1743年の創業以来約3世紀もの間、代々の醸造家が完成させてきたサヴォア・フェール(職人の匠)を受け継いでいます。また、サステナブルプログラム「ナチュラ・ノストラ」 を通じてシャンパーニュ地方の生物多様性の保護に努めており、2009年からは慈善活動プログラム「Toast for a Cause」も行っています。代表的なモエ アンペリアルから希少なグラン ヴィンテージ コレクション、また爽やかなアイス アンペリアルや優しい味わいのネクター アンペリアルとそれぞれの個性はどれも親しみやすく、幅広い味わいはあらゆるシーンでお楽しみいただけるシャンパンとして世界中の人々を魅了し続けています。

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