美味技術学会「第23回 例会」にて「料理におけるだしの減糖効果とその相性」について研究発表

~ 減糖料理においてだしと料理の組み合わせに相性の良否がある ~

ヤマキ株式会社のプレスリリース

ヤマキ株式会社(本社:愛媛県伊予市 代表取締役社長:城戸善浩、以下 ヤマキ)は、2023年12月1日に宇都宮大学行われた美味技術学会「第23回 例会」にて、「料理におけるだしの減糖効果とその相性」について研究発表したことをお知らせします。
ヤマキは、CSVのテーマとして、「体の健康」「地球の健康」「心の健康」という3つの健康への貢献を掲げており、本研究は「体の健康」への貢献に繋がるものです。

■研究発表概要

発表日               :2023年12月1日(金)

場所                  :宇都宮大学

演題目               :だしの減糖効果とその相性

発表者               :森 勝哉(ヤマキ株式会社 商品開発部 かつお節だし研究所 主任)

■研究内容と結果

背景と目的

糖質は人間の体にとって大切なエネルギー源ですが、過剰な摂取は肥満や生活習慣病の原因となるとされており、近年、糖質制限ダイエットや糖質制限レシピ・商品が注目されています。その一方で、減糖料理は甘味の不足によっておいしくないと感じられやすいという現状もあります。

そこでヤマキは、しっかり糖質カットされながらも、おいしい料理をつくりだす技術の開発を進めるべく、“だし”が持つ様々な呈味成分(食品中で味を示す成分)に着目。だしと料理の成分が混ざり合い様々な作用が起こることで、減糖料理の味を整え嗜好性を維持・向上できる可能性があると考えました。

ヤマキが行ってきたこれまでの「減糖効果」に関する研究(※)では、「減糖効果」という言葉を“甘味を強く感じさせる効果があるか”、“おいしさを向上させる効果があるか”という2つのポイントで定義していました。この定義に基づくと、いくつかの料理について、かつおだしには減糖効果があること、また、その効果は料理により異なることが明らかになっています。一般的にだしと料理には相性の良否があることが知られていますが、これまでの研究ではだしと減糖料理の相性については十分検討されていませんでした。そこで、本研究ではだしと減糖料理との相性を調査することを目的としました。

※ 森ら,日本調理科学会大会研究発表要旨集,2P-24,2019.

  ヤマキ 学会発表一覧サイト:https://www.yamaki.co.jp/corporate/research/archive/

研究内容と結果

本研究では、だしと料理の組み合わせを変え、相性に焦点を当てた研究を実施しました。

かつお節・さば節・うるめ煮干しの3種から抽出しただしを使用。料理は、かつおだしで減糖効果がある里芋の煮ものと、減糖効果なしのひじき煮を選定しました。これら3種のだしを用いた2種の料理について、①通常品(1%だし)、②30%減糖品(1%だし)、③30%減糖品(3%だし)、④30%減糖品(6%だし)を調製し、官能特性(味わい)を比較しました。

その結果、「かつお節とうるめ煮干しとで、料理間で相性が異なる」「里芋の煮ものにはかつお節が、ひじき煮ではうるめ煮干しが相性の良い組み合わせである」など、減糖料理においてだしと料理の組み合わせに相性の良否があると分かった他、うま味の強さ、味全体の濃さが相性の良さと関係が強いことが示唆されました。

資料1.甘味強さ(上側)と味全体好ましさ(下側)の評点変化における単純主効果の比較

*:有意差あり(p<.05)

その他にも、だしには減塩効果が認められているほか、血糖値や血圧のコントロールといった健康機能も報告されています。ヤマキは、今後もだしのおいしさと健康に関する研究を進め、皆さまの健康的な食生活に貢献してまいります。

■美味技術学会について

美味技術学会は、農産物を始めとする食品全般の美味しさに関する研究を学術的な立場から推進し、既存技術の発展と新規技術の開発に貢献することを目的としている学会です。

2011年に発生した大震災を契機として、“食”の安全、安心、備蓄、流通経路の確保等、切実な問題が顕在化する一方で、“食”は人が豊かな人生を過ごすための重要な要素であり、その根底には“美味しさ”があります。また、高齢社会となった現在、“食”と健康の関係は以前にも増して密接なものとなってきている他、環境負荷の軽減、低コストであることなどが求められています。

本学会はこれらの食を取り巻く様々な課題を取り上げ、産官学分野の専門家、生産者や流通業者、消費者らが連携・協力して論議し、“美味技術”のあるべき姿を追求するために、平成14年2月に「美味技術研究会」として設立されました。毎年、例会、会誌の発行や時宜を得たシンポジウムを実施し、着実に進化を続けています。設立10周年を迎えた平成24年1月には、「美味技術学会」に改称。今後も食業界のさらなる発展を目指してまいります。

公式HP:http://bimi.la.coocan.jp/

■かつお節・だし研究所について

かつお節・だし研究所は「かつお節とだしで、おいしさと健康に貢献する」をミッションに掲げ、かつお節やだしの魅力を広めるだけでなく、製法、成分、健康効果などに関する研究・開発に取り組んでいます。さらに、日々の研究で得た成果は国内外の様々な学会で発表しています。

「料理におけるだしの減糖効果とその相性」についての研究発表の詳細は、かつお節・だし研究所のWEBサイトからご覧いただけます。

かつお節・だし研究所 WEBサイト:https://www.yamaki.co.jp/corporate/research/

ヤマキは、「鰹節屋・だし屋、ヤマキ。」として鰹節とだしを通じて、「おいしさ」と「健康」、

そして「食文化の継承・食資源の持続性確保」に貢献してまいります。 

https://www.yamaki.co.jp

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