ラー博史上最大のプロジェクト「あの銘店をもう一度」第29弾  創業75年。初代の味が復活  岩手・久慈「らーめんの千草」

株式会社新横浜ラーメン博物館のプレスリリース

2024年3月6日(水)~4月7日(日)ラー博に復活

新横浜ラーメン博物館(横浜市港北区、代表取締役:岩岡 洋志)は、30周年を迎える2024年へ向けた取り組みとして、過去に出店した約40店舗の銘店が2年間かけ、3週間のリレー形式で出店するプロジェクト「あの銘店をもう一度」を2022年7月1日(金)にスタートさせました。

復活した初代のラーメン

カナダ・トロント「RYUS NOODLE BAR」に続く第29弾として、2024年3月6日(水)~4月7日(日)まで、岩手・久慈「らーめんの千草」が出店します。
同店は、2004年3月3日~2005年11月30日の間、当館に出店しました。今回の出店では、原点回帰として3代目店主が初代の味を再現いたします。詳細は下記をご参照ください。

●「らーめんの千草」の歴史
創業は昭和23年。戦前は酪農家を営んでいた遠藤正夫さん、レイさん夫妻が、隣町で流行っていた支那そばをみて、これならば私たちにもできるのではと「千草食堂」を開業したのが始まりです。

初代・遠藤正夫さん、遠藤レイさん

千草のラーメンは創業当時から鶏100%で作られています。そのルーツはレイさんの実家である岩手県葛巻町で振舞われていたキジ汁です。お客さんが来た時のおもてなしとして、ニワトリをつぶし、そばを打つという昔からの風習があり、これをラーメンにしてお客様にお出ししたらどうかという発想から始まったようです。
創業当時、麺は毎朝一番列車で八戸まで買出しに行っていたようですが、創業から数年後のある日、製麺風景を見てこれならば自分にもできるのではないかと思い、東京から製麺機を取り寄せ、自己流で作るようになったようです。
創業当時は交通の便が悪く、自家用車もあまり無かった時代で、特にとなり村である山形村(昭和20年、21年当時は木炭生産量日本一)から木炭を久慈駅まで運ぶトラックがあり、用事のある人たちはこれに乗せてもらい久慈へ来て用事を済ませ、千草食堂で食事をしてトラックの帰る時間まで待つという習慣があったようです。
先代曰く、この人たちが足しげく通っていただいたことが今の千草に繋がっているとのことです。

●三代続く老舗
昨年75周年を迎えた「らーめんの千草」の味は、現在三代目へと引き継がれています。
二代目となる遠藤勝さんが昭和41年に千草で働き始めます。勝さんは服部料理専門学校卒業後、都内のレストランで修業。その後「岩手で1番になりたい」という想いの元、千草で働き始めます。
勝さんはラーメン作りに没頭し、さらに千草は繁盛店となり、久慈ではラーメンと言えば“千草”というくらいまで地元では知らない人がいないほどの有名店になりました。その頃は18時まで営業していたのですが、あまりにも繁盛し、毎日スープ切れが続くようになり、昭和61年には千草食堂から現在の屋号となる“らーめんの千草”に変更し、営業時間も15時までとなりました。
そして三代目となる遠藤圭介さんが、平成10年頃から店に入るようになり、現在に至ります。
三代目の圭介さんには2004年のラー博出店時の責任者として腕を振るっていただきました。

二代目・遠藤勝さん(2003年撮影)

三代目・遠藤圭介さん

「らーめんの千草」本店外観

●原点回帰。初代の味を復活

「らーめんの千草」のラーメン

三代目の圭介さんは今回の出店において、75周年を迎え、原点回帰として初代の頃の味を再現するとのこと。古い常連さんから「あの頃のラーメンを味わいたい」という声が年々増えてきていて、自分でも初代の頃の味はどういうものなのか?という興味が生まれ、自分でも作ってみたい、食べてみたいという想いになったとのことです。圭介さんは、初代の味を知るべく、二代目の勝さんや常連さんから初代の味について聞き込み、研究に研究を重ねました。

圭介さん曰く「大きく作り方が変わっているわけではありません。今の味が優しい味なのに対して、昔の味は今よりも輪郭のあるラーメンで、ほとんどの人がライスを頼むほど、ライスが欲しくなる味わいだったことが分かりました」
では具体的にどのように作り方が違うのか?「具体的にはスープの火加減や、鶏油の量だったりと微妙な差ではありますが、完成したラーメンはやはり今のものとは印象は変わります」とのことです。

・スープ
スープに使われているのは丸鶏と鶏ガラのみ。一般的にラーメンに使用される、ネギ、生姜、にんにくといった香味野菜までも一切使用しない鶏純粋のスープ。初代の頃のようなはっきりとした味を表現するため、いつもより火加減を変えています。
醤油ダレは、前日使用した醤油ダレと新しい醤油をブレンドし、スープに使用した丸鶏の肉を漬け込みます。前日の醤油ダレを入れることにより、いわゆる鰻のタレ同様、継ぎ足された醤油ダレは日に日に旨みが増し75年分の旨味が凝縮しています。
スープの濃度を上げ、タレの旨味も増し、鶏油の量も今よりも増やしたため、より輪郭のあるラーメンに仕上がりました。

スープに使用される鶏の量は想像を絶する約150羽分

鶏の旨味が凝縮したスープ

・麺
千草の麺は白っぽく、かん水少な目の中細ちぢれ麺。スープとの相性という意味では良き伴侶と言うべきかも知れないほど自然にのどを通ります。

かん水少な目の中細麺

・具材
醤油ダレで味付けした鶏のチャーシューは鶏のモモ肉とムネ肉を使用。創業時から継ぎ足しの醤油ダレで煮込まれており、旨味が凝縮しています。

鶏のチャーシュー

「らーめんの千草」のさらに詳しい情報はこちら
https://note.com/ramenmuseum/n/nddac303e4d9c

あの銘店をもう一度

あの銘店をもう一度“銘店シリーズ”は、第29弾「らーめんの千草」が最後の店舗となります。あの銘店をもう一度“94年組シリーズ”最後となる第7弾は、30周年記念日の2024年3月6日(水)の発表を予定しております。

過去のニュースリリースはこちら
https://www.raumen.co.jp/information/release/

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