2024年4月9日(火)に株式会社梅林堂(埼玉県熊谷市)が「若手クリエイター共同制作」としてパッケージの共同開発に携わったクリエイターを集め「クリエイターズ同窓会」と題したトークイベントを行いました。
株式会社梅林堂のプレスリリース
♦「デザインから生まれる繋がり」プロジェクトの発足のきっかけ
株式会社梅林堂 企画室室長 飯田美枝子氏
「お菓子のまごごろ生サブレやわらかゴールドプレーン」を2020年年末より販売を開始し、お蔭様で沢山のお客様にお召し上がりいただき、販売数を伸ばしております。「デザインから生まれる繋がり」企画を始めたきっかけは、更にやわらかゴールドプレーンをもっとたくさんの方に知っていただくため、和菓子屋さんのイメージに捕らわれないパッケージデザインを若手クリエイターの方たちと共同制作できたらとこの企画として立ち上げました。
株式会社梅林堂 常務 栗原大輔氏
デザインを通して、人と人との繋がりができるものを作りたいという思いでクリエイターの方を探していて、ある展示会で奥村さんと出会いました。
ちょうど奥村さんもお菓子のデザインをしたいと思っていたとの事で話が進みました。展示ブースの陳列の奥行きや思いが感じられ細部にわたって気をつかってるところに心を惹かれました。これも求める人との繋がりだったと感じています。
♦パッケージ制作に対する想い
奥村ゆい氏(2021年~) 「夏の花畑・冬の森とやわらかの木・ねこの春」を制作
私はグラフィックデザイナーですので、お客様の要望をくみ取った上で、 そこにスパイスを乗せることを大切にしています。最初に梅林堂さんの思いを聞いて「夏の花畑」を制作、その後「冬の森とやわらかの木」あたりから、ただ可愛いだけでは売れない、お客様や梅林堂さんの大事にしている背景など考え、どうしてこの絵になったのかストーリー性の強いものを作るようになりました。「冬の森とやわらかの木」では鹿の親子がやわらかの木の実を食べ冬を過ごし春を迎える姿。「ねこの春」では猫の習性や子猫は親猫と皆柄が違う事を知り。しぐさや表情にもこだわって作りました。 「夏の花畑」では、作品をデザイン紹介サイトで掲載していただきました。
飯田氏:そしてその掲載して頂いた企業様と梅林堂との仕事の繋がりが始まり、そこにイラストレータとして登録されていた、いえだゆきなさんと出会う事に。これも「デザインから生まれる繋がり」ですね。
いえだゆきな氏(2022年~) 「夏の一日(ひとひ)・森のかくれんぼ・新しい春」を制作
独立して初めての仕事が梅林堂さんのパッケージデザインの依頼でした。私が手掛けたのは 「夏の一日(ひとひ)・森のかくれんぼ・新しい春」 それぞれに物語性を考えノスタルジーな世界観を描きました。登場人物しげる・さっちゃんの物語です。「夏の一日(ひとひ)」は一人の少年が自然の中で遊び少し孤独を感じながら大人になっていく姿を表現。「森のかくれんぼ」では、きつねと遊ぶさっちゃん。これは自分が幼い時近くの森で、自分がかくれると愛犬が自分を探しにきて、見つかるとクスッと微笑む、そんな子供のころに感じた幸せを描いています。「新しい春」では大人になったしげるとさっちゃんが新しい春を迎えるシーンを花々とともに描いています。
大森光太郎氏(2023年~)「ママへのプロポーズ・ハルのまなざし・笑顔のプチギフト」
梅林堂さんから今回の企画のお話をいただき、以前からこのようなお仕事をしたいと思っていたので、二つ返事でお受けする事にしました。撮影する時は俯瞰して見るようにしています。幸せな親子の写真を撮ってほしいと言われても本当の幸せの瞬間は、ふとした瞬間に現れる。撮ろうとしないで撮ると自然な表情が撮れる。こんな顔してるんですねと喜ばれる事も多いです。今回も子どもが本当に喜んでいるところ、 風景に溶け込んでいる写真を撮りたいと思い撮影しました。手掛けたのは「ママへのプロポーズ」「笑顔のプチギフト」「ハルのまなざし」どれも自然体の子どもの表情を撮影することができました。
♦現在の活動と仕事を通じて学んだ事
(奥村氏)
梅林堂さんのお仕事のあと同業のお菓子屋さんから同じようにパッケージ制作のお仕事をいただきました。
デザインを提案する際に、これではストーリー性が足らないな、など。梅林堂さんとの仕事で覚えたストーリー性の大事さを考え進めています。
(いえだ氏)
大手印刷会社とのクリエイターコラボ企画でデジタル印刷機を使用した作品の依頼をいただきました。和歌と私の作品が合うと飯田さんからアドバイスをいただいたので和歌を題材にした3mの絵巻物作品を作りました。
『梁塵秘抄』(りょうじんひしょう)という平安時代末期に編まれた歌謡集の中にある、「君が愛せし綾藺笠 落ちにけり落ちにけり賀茂川に川中に それを求むと尋ぬとせしほどに明けにけり明けにけり さらさらさやけの秋の夜は」
約1000年前の歌であなたのお気に入りの笠が風に吹かれて飛んでいってしまい、二人で追いかけて探して走って……そうしているうちに秋の夜が明けてしまったという歌。
夜から朝までの移り変わりを表現をするため、異なる紙を貼り合わせ、デジタル印刷の技術がより伝わるものにしました。飯田さんにアドバイスをいただき実際の賀茂川まで行き夜中から朝までをスケッチし制作しました。こだわりをもって作品を仕上げるということを勉強いたしました。
♦人と人との繋がり
(栗原氏)不思議とデザインされたものは人によって見え方が変わります。その方の経験や背景で感じ方が変わり、それもまたデザインに奥行きや広がりを生むのかなと思います。スタートした時はここまでの広がりは考えていなかった。今振り返れば感謝という言葉につきるのかなと思います。2020年感染症拡大があり、苦しい状況の中で若いメンバーで何かできないかというのがこのきっかけを作り、大きくなって深まりが広がったのは意味のあることだと感じます。今後も人と人との繋がりを通じて幸せの循環ができるように励んでいきたいと思います。
第1弾 グラフィックデザイナー 奥村ゆい氏(2021年度)
京都の雑貨メーカーにて商品からパッケージデザイン、ロゴマーク、販促物などのブランディングデザインをインハウスのデザイナーとして担当。その後、デザイン会社にて企業の商品デザインやブランディングを経験し、2018年に独立し活躍中。
●第2弾 イラストレーター いえだゆきな氏(2022年度)
愛知県名古屋市出身。武蔵野美術大学日本画科卒業後、奈良に2年間滞在し寺社仏閣巡りをする。その後、愛知の広告制作会社でデザイナーとして勤務しながら、フリーランスイラストレーターとしても活動。イラストを用いたデザインを多く制作した。2022年独立。どこか懐かしく幻想的な風景画を得意とし、クライアントワークではそのものの本質を捉えることを心がけている。
https://yukinaieda.wixsite.com/work
♦第3弾 フォトグラファー 大森光太郎氏(2023年度)
千葉県市原市出身 学生時代のアメリカ留学、電車で日本一周、カンボジアでの教育支援活動など、異国の地で出会った人との思い出や、旅の記録を残す事がきっかけとなり独学で写真を始める。「被写体が持つ良さを引き出し、気付きのある写真を届ける」をモットーに人物、風景など撮影ジャンルは多岐に渡る。また、その表現手法は写真だけに留まらず、音楽(作詞/作曲)や、教育分野(異文化理解講演)での活動も精力的に行なっている。
♦株式会社梅林堂とは
元治元年(1864年)創業。お菓子のおいしさを追求しつ創意工夫を加えながら、埼玉・群馬・東京 多摩地区 全37店舗展開。先味、中味、後味。風味、余韻。そのどれもが梅林堂ならではの色彩。お菓子作りの技術や技能を磨き続け邁進している。箱田本店・北本東間店・菖蒲店・東浦和店では絵画、書道などを店舗に飾り、様々な分野の芸術家の方も応援し続けています。
♦【今回のプレスリリースに対する お問合せ】
株式会社 梅林堂 〒360-0023 埼玉県熊谷市佐谷田1000-1 フリーダイヤル 0120-889-449 (月~土)10:00~18:00(受付)梅林堂ホームページ https://www.bairindo.co.jp/
「デザインから生まれる繋がり」特設サイト https://www.bairindo.co.jp/category/2024YANG_CREATOR