<食品寄贈ガイドライン原案を策定>安心安全な、善意を善意のままお届けできる食品寄贈の実現に向けて 東京都大学提案 専修大学受託事業 「未来を担う子どもたちへの食品寄贈事業」

一般社団法人サステイナブルフードチェーン協議会のプレスリリース

一般社団法人サスティナブルフードチェーン協議会(東京都千代田区/代表理事:小林富雄/略称:SFA)が参画する、東京都大学提案/専修大学受託事業「未来を担う子どもたちへの食品寄贈事業」において、日々の食事を満足に得ることの出来ない子どもたちがいる一方で、やむなく捨てられる食品がある現状から、寄贈する側と受け取る側の双方が安心・安全な食品寄贈の仕組みを作ることを目的として『食品寄贈ガイドライン原案』を策定しました。

 今回策定した『食品寄贈ガイドライン(第1版)』は、SFAが「未来のサスティナブルな消費者を育てる食育」を通じて食文化の価値を高める未来志向の共創共生まちづくりを目指す「こどもスマイリング・プロジェクト」において策定した「食品寄贈ガイドラインに関する検討報告書(第1版)」(2022年3月)をベースにし、構成としては「消費者庁ガイドライン構成案」を、内容的にはEU「食品寄贈ガイドライン」、農林水産省「フードバンク活動における食品の取扱い等に関する手引き」、こども食堂ネットワーク「こども食堂の作り方」、一般社団法人全国食支援活動協力会編「こども食堂あんしん手帖(2023年改訂版)」等を参考にして、東京都大学提案事業における「食品寄贈ガイドライン検討会」における議論に基づき作成しました。

 フードシステムから発生する余剰食品のロスおよび廃棄の量を削減することと、食品を必要としている人々に寄贈することは、直接的な関連性があるようにみえるが、観点が大きく異なっています。前者は環境と経済の観点であり、後者は福祉の観点であることから、両者を直接つなげて論じるべきでなく、両者を目的と手段の関係にあるかのようにとらえることは避けなければなりません。

 余剰食品を寄贈につなげるには、いわば環境と福祉の観点から、福祉の観点への転換、ないし環境・経済・福祉の鼎立が求められます。

 食品寄贈において重要なことは、まだ食べられる食品を有効利用するために、善意と良心に基づいて、必要とする人々に適切な状態やタイミング、場所で提供することです。その意味で、大量生産・大量消費、それに付随しがちな大量廃棄の延長にあるような大量寄贈だけでなく、地域で発生する余剰食品をできるだけ地域内で、そして栄養バランスも考慮して寄贈する、きめ細かい仕組みの食品寄贈のモデルをいかにつくるかが今問われていると考えます。

 本ガイドラインの策定により、多くの食品寄贈に係る企業・団体、寄贈者、受贈者、中間支援団体がこのガイドラインをもとに検証を重ね、真の安心安全な、また善意を善意のまま、食を必要としている方へ届く社会・仕組みづくりに貢献できればと考えています。

 SFAでは、東京都大学提案 専修大学受託事業 「未来を担う子どもたちへの食品寄贈事業」において、様々な地域のニーズや寄贈に係わる企業・団体の皆さんのニーズに合致した食品寄贈を実現する実証を重ね、その際にも本ガイドラインの検証を継続して行い、改良を検討していきたいと考えます。

本ガイドライン第1版全文は、SFAホームページ(https://www.j-sfa.net/news/09.html )に掲出します。

一般社団法人サスティナブルフードチェーン協議会(略称:SFA)とは  


食品ロス削減など1社では取り組むことが難しい、フードサプライチェーンにおけるサスティナビリティの課題について、緩やかなネットワークでつながった有識者と食品産業企業・団体が解決策を検証していくコンソーシアムです。

HP:https://www.j-sfa.net/  

Facebook: https://www.facebook.com/sustainablefoodchain

SFAでは、以下の取り組みを推進しています。

①『こどもスマイリング・プロジェクト』
 未来のサスティナブルな消費者を育てる食育を通じて、食品産業と子ども食堂をはじめとする子ども支援・福祉団体を運営されている方々と関係を構築し子ども支援につなげるプロジェクト。
HP: https://www.k-smile-ring.jp/

②『プラスチックの2Rに関する勉強会』
 プラスチック資源循環法施行に向けて、食品産業における廃プラスチックの発生を減らす、なくすための具体的な取り組みを検討する勉強会の開催。

③ 『Honeybees’ Community』
食品ロス削減などの課題解決に取り組む学生団体等の取り組みを紹介し、行動する人を増やすためのオンラインプラットフォーム。

④未来を担う子どもたちへの食品寄贈事業(専修大学委託事業
 東京都が都内の大学研究者から事業提案を募集し、都の施策に反映させる事業提案制度に、弊会理事・専修大学商学部渡辺達朗教授が立案した「子どもへの食品寄贈事業」が採択され、SFAもプロジェクトに参画し、2023年度から3年間実施。 

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