沖縄のサンゴ礁保全活動とCO2資源循環を推進する国内初の取り組み
アサヒ飲料株式会社のプレスリリース
サンゴ移植の基盤には、原料の一部にCO2吸収材を配合することで、製造する段階で排出されるCO2を実質ゼロ以下に引き下げたカーボンネガティブコンクリート製の基盤を使用します。基盤1Lあたり約400gのCO2吸収材を配合し、30個の基盤を製作しました。本基盤の適用性を事前に検証し、サンゴに悪影響を与えないことを確認したため、本格適用に向け海洋中のサンゴの育成について1年以上の長期で評価します。サンゴの骨格形成には、炭酸カルシウムなどの成分が有効と考えられています。炭酸カルシウムを含むCO2吸収材をサンゴ移植の基盤に配合することで、通常の基盤と比較し、発育が促進される事を期待しています。今後は沖縄県内の「CO2を食べる自販機」から回収したCO2吸収材を活用することで、地域の活性化や輸送距離の短縮にもつながる “エリア内でのCO2資源循環”のモデルとなることを目指します。
サンゴ礁は多様な生物を共存可能にする機能などを有し、生物多様性を維持する役割を担っています。近年、地球温暖化による海水温度の上昇などの影響で白化し、死滅するサンゴの問題が深刻化しています。死滅したサンゴは元に戻ることがなく、生物多様性を維持する機能は失われます。2023年6月、グループ会社であるアサヒユウアスは、白化した養殖サンゴをアップサイクルした「海のマイボトル」※を開発し、売上1本につき100円を伊良部島環境協会へ寄付することで白化したサンゴの有効活用とサンゴ礁保全活動を支援してきました。この取り組みをきっかけに本協業を開始し、今回は直接的なサンゴ礁保全活動にまで広げます。本実証実験で効果的な結果が得られた場合、他エリアでの展開も検討し世界的に課題となっているサンゴ礁保全に貢献することを目指します。
※:https://www.asahigroup-holdings.com/newsroom/detail/20230609-0102.html
参考:「CO2を食べる自販機」を活用したCO2資源循環について
https://www.asahiinryo.co.jp/company/newsrelease/2023/pick_0509.html
■CO2の吸収
CO2吸収性能として1台当たりのCO2年間吸収量は稼働電力由来のCO2排出量の最大20%を見込んでおり、スギ(林齢56-60年)に置き換えると約20本分の年間吸収量に相当します。
現在は関東・関西エリアを中心に、CO2濃度が高いとされる屋内に加え屋外などさまざまな場所に2024年5月末時点で約100台設置しています。
脱炭素社会の実現に貢献する国内初の取り組みであり、大気中のCO2の吸収を可能にした自動販売機は、特許(特許第7282338号)取得済みです。
■吸収したCO2の活用
自動販売機から吸収したCO2は、取り組みに賛同する各自治体や企業と共創しながら、さまざまな工業原料として活用することを計画しています。吸収材を肥料に配合し土壌に散布することでCO2の土壌貯留を図るほか、コンクリートの原料に配合しCO2の固定化や海中での藻場造成などに活用することでブルーカーボン生態系※の再生を図ることなどを検討しています。
※ブルーカーボンとは「海洋生態系に蓄積される炭素」のことであり、そうした作用を有する生態
CO2資源循環モデルの取り組みは、アサヒ飲料が将来世代にワクワクと笑顔をつなげていくための活動「100 YEARS GIFT(100年ギフト)」の一環です。自動販売機を通して環境負荷低減に貢献する取り組みによって100年先のサステナブルな地球を目指していきます。
アサヒグループでは、グループ理念“Asahi Group Philosophy”の行動指針の一つとして「事業を通じた持続可能な社会への貢献」を掲げています。サステナビリティの重点テーマの一つである「気候変動への対応」においては、CO2排出量削減の中長期目標「アサヒカーボンゼロ」を設定し、2040年までにCO2排出量をネットゼロとすることを目指しています。
【一般社団法人伊良部島環境協会】
所在地 :沖縄県宮古島市伊良部字池間添 248-32
代表者 :理事長 林 歳彦
事業内容:⑴ 海洋環境の維持・再生・研究事業及び環境保護意識の普及・啓発事業
⑵ 自然教育を通じての自然環境保全事業及び他の活動団体との連携事業
⑶ 海洋調査事業及び珊瑚再生養殖事業並びに珊瑚に関する総合研究
⑷ その他前各号に掲げる事業に附帯又は関連する事業
URL :https://gli.or.jp/