雪印メグミルク 研究成果を海外へ発信 国際酪農連盟主催「ワールドデーリーサミット2024」にて

雪印メグミルク株式会社のプレスリリース

2024年10月15日~18日

雪印メグミルク株式会社(東京都新宿区、代表取締役社長:佐藤  雅俊)は、当社と雪印ビーンスターク株式会社(東京都新宿区、代表取締役社長:渡辺 滋)の共同研究、十文字学園女子大学小長井ちづる准教授との委託共同研究で得られた2件の研究成果について、2024年10月15日からフランスパリで開催された国際酪農連盟主催の「ワールドデーリーサミット2024」において発表いたしました。

【発表内容について】
1.雪印ビーンスタークとの共同研究「母乳中のペプチドの網羅的な解析」
<発表内容の要約>
雪印メグミルクグループでは1960年に日本で初めての大規模な母乳調査を実施して以来、60年以上にわたり母乳研究を継続しています。現在は、雪印メグミルクと雪印ビーンスタークの共同で、1,000名以上を対象とした第3回全国母乳調査を実施しています。
本研究では、200名の日本人の母乳に含まれているペプチドを網羅的に解析し、6,000種類以上のペプチドを特定したほか、乳児の発育や健康に寄与する可能性のある既知のペプチドを11種類見出しました。


<研究成果と意義>
本研究で明らかにした6000種類以上のペプチドは、今後、母子の情報と併せて解析を進めることで、新しい生理機能を持つ乳児の健康に重要なペプチドの発見へ繋がる可能性があります。将来的には、新たな生理機能を有するペプチドを利用した粉ミルクや機能性素材の開発と商品への応用を進めてまいります。

・演題名:Peptidome analysis with label-free LC-MS/MS in Japanese human breast  milk.
・発表者:津田智弘1 野尻恵資2 鈴木菜那1 日暮聡志2 上西寛司1 
1雪印メグミルク株式会社 2雪印ビーンスターク株式会社
 
2.十文字学園女子大学小長井ちづる准教授との委託共同研究
「プレーンヨーグルトの香気成分の認知機能活性化効果を脳波測定により発見」

<発表内容の要約>
食品の香りの中には、心理的に覚醒度や思考力を高め、その背景となる脳機能を活性化させる効果をもつものがあることが知られています。
発酵乳は、発酵過程において多数の香気成分が生成され、原料となる生乳とは異なる香りがつくられます。
発酵乳を中心とした乳や乳製品の新たな価値を見出すことを目的として本研究を実施した結果、プレーンヨーグルトの香りに認知機能を活性化する効果があることがわかりました。さらにこれに寄与する香気成分を詳しく研究した結果、「ジアセチル」に認知機能を活性化する効果があり、被験者の主観的な評価においても思考力を高める効果があることが示されました。

<研究成果と意義>
本研究で乳(ミルク)に関する知見を更に深め、お客様の健康と豊かな食生活に貢献できる商品作りへつなげてまいります。
 
・演題名:Electroencephalography  analysis demonstrates cognitive function activation by aroma components in plain yogurt.
・発表者:村上葵1 持地恭子1 清田麻衣1 坂上麻子1 小倉朋子1 小長井ちづる2
1雪印メグミルク株式会社 2十文字学園女子大学
 
【「IDF World Dairy Summit 2024」開催概要 (国際酪農連盟ワールドデーリーサミット2024)】
会期:2024年10月15日(火)~18(金)
会場:CNIT フォレスト・ラ・デファンス(Paris,France)
  
<用語説明>
●国際酪農連盟「IDF(International Dairy  Federation)」:
世界の酪農業界に関連する組織や団体の国際的な連携を促進する非営利団体であり、科学技術、品質基準の策定、持続可能な酪農業の推進などの諸問題に世界規模で取り組んでいます。
●ワールドデーリーサミット:
酪農業の持続可能性、科学技術、品質基準、貿易問題など、酪農業界に関わる様々なテーマに焦点を当てて開催される国際会議です。世界各国から参加者が集まり、最新の業界トレンドや科学的な知見を共有して、国際的連携の促進を目的としています。
●ペプチド:
アミノ酸がペプチド結合により、2個以上つながった構造のもの

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