【開催レポート】研究員が解説!「キユーピーのタマゴセミナー ~科学でひもとくタマゴの可能性~」を開催!

キユーピー株式会社のプレスリリース

登壇者3名(左から児玉、金光、兒嶋)

キユーピー株式会社(以下、キユーピー)は、2024年10月30日(水)に仙川キユーポート(東京都調布市)で、報道関係者を対象にした「キユーピーのタマゴセミナー ~科学でひもとくタマゴの可能性~」を開催しました。本セミナーは、11月5日の「いいたまごの日」に向けて、限りないタマゴの価値や可能性をお伝えすることを目的に、キユーピーの研究員が、タマゴの五大機能や業務用を中心に活用されている「加工卵」などについて科学的な視点から解説しました。

■背景

タマゴを使うだけではなく、長年研究を重ねてきたキユーピーグループ

マヨネーズ作りに欠かせない原料の一つがタマゴです。マヨネーズは主に「タマゴ」「酢」「植物油」からできています。「キユーピー マヨネーズ」は、タマゴの中でも、コクとうま味のある卵黄タイプのマヨネーズで、「キユーピー マヨネーズ」450gの中には、卵黄が3.6個も使われています。

キユーピー公式サイトより

マヨネーズ以外にもタマゴを使った商品を数多く製造・販売しており、キユーピーグループだけで、毎年日本で生産されるタマゴ(鶏卵)の約1割(約25万トン)を取り扱っています。原料として使うだけでなく、長年にわたってタマゴの研究にも力を注ぎ、タマゴにまつわる特許取得数は世界第1位です。

「タマゴ」を取り巻く社会環境

国際鶏卵委員会(IEC)の発表によると、日本人1人当たりの年間鶏卵消費量は2023年で320個となり、前年の339個から19個減少して、世界第2位から4位に順位を落とす結果となりました。これは、鳥インフルエンザの発生による鶏卵価格の高騰などが影響していると考えられます。

タマゴを取り巻く厳しい社会環境がある一方で、「たまご白書 2024」※1によると、日本人の86.1%が「卵が好き」と回答しています。日本人のタマゴへの好意度は依然として高く、最近では飲食業界でも月見商戦が本格化するなど需要はさらなる高まりを見せています。

※1 キユーピーアヲハタニュースリリース 2024 No.75 https://www.kewpie.com/newsrelease/2024/3515/

■発表の概要

1.「開会の挨拶」

キユーピー株式会社 執行役員 研究開発本部長 金光 智行(かねみつ ともゆき)

「いいたまごの日」に向けて、タマゴの価値や可能性をお伝えする機会を作りたいと思い、本セミナーを企画しました。

タマゴは黄身や白身の部分が注目されがちですが、捨てるところのない魅力的な素材です。例えば、タマゴの殻(卵殻)は、カルシウム強化商品や土壌改良材、チョークなどに使われており、殻の内側にある薄い膜(卵殻膜)は化粧品などに活用されています。

本セミナーで皆さまが昨日よりも少しタマゴに詳しくなり、そして関心を持っていただくきっかけになればうれしく思います。

2.「科学で解き明かすタマゴの力」

キユーピー株式会社 研究開発本部 未来創造研究所 機能素材研究部 チームリーダー 児玉 大介(こだま だいすけ) 五ツ星タマリエ※2

タマゴには、人間の体に必要なほとんどの栄養素が含まれています。また卵黄に含まれるホスファチジルコリンを主体とした卵黄コリンは、認知機能の維持に効果が期待されており、今年8月には卵黄コリンを含む機能性表示食品のサプリメント「コリンEX」を発売しました。

好きなタマゴ料理のランキングで6年連続1位※1に輝いた「目玉焼き」のおいしい作り方をご紹介します。ポイントは、タマゴを低い位置からフライパンに移すことです。卵黄の中にある「卵黄球」がつぶれず、黄身がこんもりとしたおいしい目玉焼きが作れます。

ゆで卵をきれいに作るには、新鮮すぎないタマゴ(採卵後3日~1週間ほど)を使うのがおすすめです。ゆでる前にタマゴの丸い方にひびを入れておくと、炭酸ガスが抜けて殻が剥きやすくなるのでぜひ試してみてください。

コリンEX

最近のトピックスとしては、株式会社ネクアス(福井県あわら市)との共同開発により、卵殻の消臭機能を生かしたごみ袋を試作しました。ごみの廃棄や回収で問題となる「臭い」を、卵殻が持つ消臭機能によって軽減できることが確認されています。この卵殻を配合したごみ袋の試作品は、2024年11月10日(日)に調布市主催で開催された多摩川河川敷の清掃活動「多摩川クリーン作戦」に提供しました。

卵殻を配合したごみ袋の試作品
卵殻配合フィルターを使った小型脱臭器

※2 五ツ星タマリエとは、一般社団法人日本卵業協会が認定する「タマゴのソムリエ」と呼ばれる資格の中でも最も取得が難しいとされる資格で、2023年時点で全国でも10名しかいないタマゴのプロフェッショナルです。

3.「殻のないタマゴ『加工卵』とは?」

キユーピー株式会社 研究開発本部 食創造研究所 タマゴ開発部 担当部長 兒嶋 高志(こじま たかし) 五ツ星タマリエ※2

キユーピーグループのタマゴ商品には、殻を割って中身を取り出し、加工技術によって機能性を向上させたものがあり、「加工卵」と呼ばれています。加工卵には、「液卵」「凍結卵」「乾燥卵」などがあります。

中華風卵炒めキット「好吃卵(ハオツーたまご)」

加工卵は主に業務用として使われており、飲食店や製菓店といったお客様の「お困りごと」を解決するために生まれた商品です。例えば、サルモネラ菌を代表とする食中毒のリスクを軽減できたり、殻を割って捨てる手間を省いたりすることができるほか、調理スキルや経験に関わらず誰でも均等においしくタマゴ料理を作ることが可能になります。特に最近は人手不足の問題が深刻化しており、手間を省けて誰でも使いやすい「加工卵」のニーズは高まっていくとみられています。

これまでは業務用でお使いいただくことがほとんどだった「加工卵」ですが、今年9月には、当社の市販用商品として初めて、加工卵を使った中華風卵炒めキット「好吃卵(ハオツーたまご)」を発売しました※3。今後も技術を磨きながら、たくさんのお客様にタマゴ商品をお届けしたいと思っています。

※3 キユーピーアヲハタニュースリリース 2024 No.68 https://www.kewpie.com/newsrelease/2024/3484/

キユーピーグループは、今後もタマゴの魅力を世界に伝え、長年のタマゴ研究で培ってきた知見や技術力を生かして健康的な食文化の創造に貢献していきます。

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