導入効果は「生産性向上」が約6割で最多。注目テーマは「解凍販売」が約7割。人手不足の解消と新たな販売モデル創出に冷凍技術が貢献
デイブレイク株式会社のプレスリリース
特殊冷凍ソリューション事業を展開するデイブレイク株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:木下昌之)は、デイブレイクの特殊冷凍機「アートロックフリーザー」を導入している事業者を対象に実施したアンケート調査結果をもとに、2025年における特殊冷凍技術の活用動向をまとめたレポートを公開しました。導入目的や導入後に得られた効果、今後関心の高い活用テーマなどの調査結果を元に、食品事業者が冷凍技術に何を期待し、どのように活用しているのかを解説します。
2025年特殊冷凍活用傾向サマリー
特殊冷凍機「アートロックフリーザー」は、解凍後の品質再現性の高さが評価され、食品製造業、飲食業、小売業、菓子・ベーカリーなど幅広い業界に導入が進み、国内のみならず海外にも活用の場を広げています。販売台数は700台を突破し、販売開始から約4年で約4.5倍に拡大しました。
デイブレイクが2025年11月に実施した導入事業者アンケートでは、導入目的として「冷凍商品の開発(69.4%)」が最も多く、次いで「新規事業・新業態の開拓(53.2%)」が挙げられました。さらに、導入後に得られた効果としては、「生産性向上(59.7%)」が最多となり、「販路拡大(54.8%)」が続く結果となりました。人手不足や業務の平準化といった課題に対し、冷凍技術が生産効率の向上や現場負荷の軽減といった「守り」の側面で効果を発揮する一方、高品質な冷凍商品の開発や流通範囲の拡大を通じて、新たな収益機会を創出する「攻め」の側面でも貢献している実態が明らかになっています。
また、今後関心のあるテーマは、「解凍販売(冷凍品としてではなく、解凍した状態で販売するモデル)(71.0%)」が最多となりました。高品質・高付加価値な商品を「冷凍商品として売る」にとどまらない、新たな提供・販売手法への視野が広がっていることも、2025年の大きな特徴といえます。
導入事業者アンケートのトピックス
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導入の目的は「冷凍商品の開発(69.4%)」が最多、次いで「新規事業、新業態の開拓(53.2%)」新しいビジネス機会の創出に冷凍技術を活用する企業が多い傾向。
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アートロックフリーザーを選定した理由は、「解凍後の品質の良さ(85.5%)」が圧倒的多数を獲得。解凍後の品質が、機種選定における重要な要素となっていることが明らかに。
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使用頻度は、「ほぼ毎日(48.4%)」と「週に数回程度(30.6%)」を合わせ、約80%が高頻度で使用。日常的な製造・商品開発プロセスに組み込まれている実態を確認。
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導入後に得られた効果は、「生産性向上(59.7%)」と「販路拡大(54.8%)」が上位を占め、業務効率化と売上機会創出という「守り」と「攻め」の両面で効果を発揮していることが明らかに。
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今後関心のあるテーマでは、「解凍販売(冷凍商品としてではなく、解凍した状態で販売するモデル)(71.0%)」が最多に。冷凍商品の流通にとどまらず、新しい販売・提供手法への関心が高まっている傾向。
導入事業者アンケート詳細
本調査は、アートロックフリーザーを導入している事業者を対象に、利用状況や導入効果についてアンケート調査を実施したものです。回答企業の業界分布は、食品製造業を中心に、飲食業、小売業など多岐にわたりました。
【導入した目的】冷凍商品開発と新規事業への活用が中心
アートロックフリーザーを導入した目的として最も多かったのは、「冷凍商品の開発(69.4%)」、次いで「新規事業・新業態の開拓(53.2%)」という結果となりました。冷凍技術を単なる保存手段としてではなく、新しい商品・ビジネスを生み出すための手段として活用する企業が多い傾向がみられます。
【アートロックフリーザーを選んだ理由】解凍後の品質の良さが圧倒的評価
アートロックフリーザーを選んだ理由では、「解凍後の品質の良さ」が85.5%と圧倒的多数を占めました。食感や風味、甘みなど、出来立てに近い品質を解凍後に再現できる点が、高く評価されていることがうかがえます。
【アートロックフリーザーの使用用途】日常業務に組み込まれる冷凍技術
使用用途は、「冷凍商品の製造・販売(自社EC・テイクアウト)」が67.7%で最多となりました。自社ECやふるさと納税などを通じて、高品質・高付加価値な冷凍商品を販売する事業者が多く、コロナ禍をきっかけに拡大した冷凍でのお取り寄せ需要が、現在も継続している状況が見て取れます。
また、使用頻度については、「ほぼ毎日(48.4%)」と「週に数回程度(30.6%)」を合わせ、約80%が高頻度で使用している結果となりました。導入後、試験的な利用にとどまらず、製造や商品開発の現場に定着している実態が確認されました。
【アートロックフリーザーの導入後の効果】生産性向上と販路拡大、両面で成果
「アートロックフリーザー」導入後に得られた効果としては、「生産性向上」が約60%で最多、次いで「販路拡大」が約55%となりました。人手不足が深刻化する中で、生産性向上という「守り」の効果と、新たな収益源を生み出す「攻め」の効果の双方で、冷凍技術が貢献していることが明らかになっています。
さらに、回答企業の中で最も割合の高い食品製造業に限定して分析すると、「生産性向上」は約70%に達しました。冷凍技術を活用した計画生産や業務平準化によって、より高い生産性向上効果を発揮している傾向がみられます。
【冷凍技術を活用した関心のあるテーマ】解凍販売という新たな提供モデル
今後関心のあるテーマとしては、「解凍販売(冷凍商品としてではなく、解凍した状態で販売するモデル)(71.0%)」が最多となりました。冷凍商品として流通させる従来型のモデルに加え、冷凍ストックを活用し、最適な解凍を施して提供する新しい販売・提供手法への関心が高まっていることがうかがえます。
解凍販売の活用事例:量販店における人手不足下でも提供機会を逃さない仕組みづくり
大手スーパーマーケット「ダイエー」では、パン、デザート、惣菜、寿司など幅広いカテゴリーで解凍販売の取り組みを進めています。店舗に併設されたカフェスペースでは、アートロックフリーザーで凍結したピザやデザートを採用し、注文に応じて解凍して提供するモデルを導入。出来立てに近い味わいを再現できることから、「お店の味を楽しめる」と、来店客から高い評価を得ています。
また、惣菜売場においても、寿司や天ぷら、ベーカリー商品の解凍販売を実施。天ぷらは売れ行きに応じて解凍・調理することで、揚げたてのサクサク食感を維持し、ベーカリーでは、決まった時間に解凍・焼成し「焼きたて」を訴求した提供を行っています。さらに、寿司においては、職人が不在の時間帯でも、必要な数量を解凍して提供できる体制を構築。販売機会の損失(チャンスロス)を防ぐとともに、食品ロス低減にもつなげる取り組みとして、いくつかの店舗で実験販売を進めています。「ダイエー」の解凍販売は、サービス品質の向上による顧客満足度の強化と、販売機会の創出による売上最大化の双方に寄与しています。
今後の展望
人手不足や食品ロス、物流課題など、食品業界を取り巻く環境が変化する中で、デイブレイクは今後も食品事業者に寄り添いながら、冷凍技術を軸にしたソリューションを提案し続け、課題解決とビジネス発展に貢献することを目指します。そして、ミッション「作り手から食べ手までのより良い未来を創造する」の体現に向けて、食の可能性を広げ、新しい価値創出に挑戦してまいります。
【代表取締役 木下昌之コメント】
2025年は、デイブレイクの原点である「お客様に寄り添う姿勢」を改めて見つめ直し、それを徹底することを意識して取り組んできた一年でした。現場の声に耳を傾け、お客様とともに考える中で、私たち自身も多くの学びを得ることができたと感じています。
そうした取り組みを通じて改めて実感したのが、自社だけで完結させようとするのではなく、業界や領域を越えて連携し、協力し合いながら課題解決や市場の発展を目指していくことの重要性です。高品質な冷凍食品を生み出し、流通させ、消費者の皆さまに美味しい状態で届けるまでには、さまざまな技術や専門性が欠かせません。デイブレイクは今後も、冷凍技術、食材研究、そしてコミュニティづくりの面から、志を同じくするパートナーの皆さまと連携しながら、高品質な冷凍という市場をより強固なものへと育てていきたいと考えています。来年は、こうした取り組みをさらに加速させ、「デイブレイクと一緒に挑戦したい」と思っていただける存在であり続けられるよう、冷凍業界におけるリーディングカンパニーとして、食品流通の最前線を開拓してまいります。
調査概要
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調査名:アートロックフリーザー導入事業者アンケート調査
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調査期間:2025年11月19日〜12月9日
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調査対象:特殊冷凍機「アートロックフリーザー」を導入している事業者
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調査方法:Webアンケート調査
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有効回答数:62社
デイブレイクの特殊冷凍機「アートロックフリーザー」について
「アートロックフリーザー」は、デイブレイクの食材研究データを踏襲し、独自に開発した特殊冷凍機です。2021年10月の発売以降、導入先は約700社を越え、多くの食品事業者に支持されています。一般的な冷凍の場合、細胞内の水分が氷に変わるときに細胞が損傷。特殊冷凍は、急速かつ均一に凍結することで氷結晶が小さく生成され、細胞の損傷を減らし、うまみ成分の流出を防ぎます。さらに、冷風の循環に技術が加わり、食品に与えるダメージを低減。素材本来の風味や食感を保ち、調理済みの食品も、できたての味を再現します。「アートロックフリーザー」は、これまで難しいとされていた食品の冷凍を可能にするとともに、従来を上回る高品質な冷凍食品を生み出しています。
デイブレイク株式会社について
「作り手から食べ手までのより良い未来を創造する」をミッションとして掲げ、特殊冷凍機に特化した国内唯一の専門会社として2013年創業。食品事業者への特殊冷凍機の販売および導入支援、特殊冷凍食材「アートロックフード」の流通事業など、特殊冷凍テクノロジーを活用したソリューション事業を展開。デイブレイクは、これからも特殊冷凍のパイオニアとして、食品流通のあらゆる課題を解決する事業を展開・推進してまいります。