【産学共同研究】築野食品工業×東北大・東大、こめ油の機能性成分を”見える化”し高付加価値化を展望した総説論文が国際学術誌に掲載

築野食品工業株式会社のプレスリリース

 「お米の油は、つの食品。」築野食品工業株式会社(和歌山県伊都郡かつらぎ町、代表取締役社長:築野富美 https://www.tsuno.co.jp )は、東北大学大学院農学研究科(伊藤隼哉准教授、仲川清隆教授)、東京大学大学院農学生命科学研究科(小倉由資准教授)との共同研究に基づき、こめ油に含まれる機能性成分をより正確に評価するための分析技術と、それらを活用したこめ油の高付加価値化・次世代開発戦略を展望した総説論文が、油脂・脂質に関する先端研究を扱う学術誌「Journal of Oleo Science」2026年6月発行号に掲載されたことをお知らせいたします。

 本研究の意義は、γ-オリザノール、植物ステロール、ビタミンEをはじめとする、こめ油に含まれる機能性成分を確かな分析技術で“見える化”し、より高品質なこめ油の開発と、国産米資源の有効活用につながる道筋を示す点にあります。当社は今後も、米ぬかを“むだなく生かす”技術開発と社会実装を推進し、こめ油のさらなる価値向上を通じて、持続可能で豊かな社会の実現に貢献してまいります。

■掲載概要

掲載誌   :『Journal of Oleo Science』2026年6月発行号

論文タイトル:

Challenges and Countermeasures in Measuring Molecular Species of Characteristic Ingredients in Rice Bran Oil: Toward the Development of High-Quality Rice Bran Oil

論文タイトル(和訳):

「確かな分析技術に基づく高付加価値な『健康オイルこめ油』の製品化と次世代型の開発に向けた戦略」

掲載URL :https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42219362/

■研究背景

 近年、健康志向の高まりを背景に、食用油にはエネルギー源としての役割だけではなく、健康維持に役立つ機能性成分への期待が高まっています。なかでも、米ぬかを原料とするこめ油は、必須脂肪酸をバランスよく含むほか、植物ステロール、ビタミンE、γ-オリザノールなどの機能性成分を豊富に含むことから、国内外で注目を集めています。一方で、こめ油に含まれるこれらの機能性成分は類似する化学構造の分子(分子種)から構成されているため、製品中の各機能性成分の含量(複数の分子種の総量)や分子種ごとの量を正確に評価することは容易ではありませんでした。

本研究では、こうした課題を解決するため、こめ油に含まれる機能性成分を詳細に分析・評価する技術開発に着手しました。こめ油に含まれる機能性成分を科学的に“見える化”することで、こめ油の品質や価値をより正確に評価し、その機能性を裏付ける新たな知見の創出を目指しました。

 ■研究成果

 本研究ではまず、これまで正確な把握が難しかったこめ油中の各機能性成分について、その総量を迅速かつ正確に測定できる分析技術を確立しました。近赤外分光法を活用することで、こめ油の主成分であるトリアシルグリセロールを、壊さず・すばやく測定できるようになり、こめ油だけでなく、玄米1粒レベルでの油脂成分評価も可能となりました。さらに、液体クロマトグラフィー質量分析法を用いて、こめ油の特徴的な機能性成分であるγ-オリザノールの分子種を詳しく解析する技術を確立し、新たな分子種の発見につなげました。加えて、γ-オリザノールが体内でどのように吸収・代謝されるのかを調べた結果、分子種によって吸収や代謝のされ方が異なることも明らかにしました。

 これらの成果により、こめ油に含まれる機能性成分をより正確に評価できるようになり、健康価値の科学的な裏付けが可能になります。また、高含油量品種の開発による効率的なこめ油生産や、機能性の高い分子種を活用した高品質なこめ油の開発にもつながることが期待されます。

 

■研究者コメント

 今回の総説は、令和6年度に受賞した日本油化学会工業技術賞に関する内容について、こめ油の機能性成分を分析することの難しさや意義についてまとめさせていただきました。今後も、基礎研究から製品開発に至るまで、米ぬかの高度有効利用に貢献する分析技術の開発と、分析技術を駆使して得られる知見に真摯に向き合っていきたいと思います。

■築野グループについて

 築野グループ株式会社は、長年こめ油の原料である「米ぬか」の成分に着目し、研究を進めてまいりました。精米時に発生する「米ぬか」を出発点にこめ油事業、ファインケミカル事業、オレオケミカル事業の3つの事業を行っています。こめ油だけでなく、非可食部や副産物も100%活用し、食品・化学・医療・化粧品等の幅広い分野への高度有効利用をしています。また、オレオケミカルの技術を活用し、「廃食用油」のリサイクルも行っております。今後も国内の資源を活用することで地球・生産者・消費者の良い循環の実現を目指していきたいと考えております。

設立: 昭和22年2月1日

URL:https://www.tsuno.co.jp/

安心安全への取り組み: https://www.tsuno.co.jp/csr-info/safety/ 

オンラインショップ:https://shop.tsuno.co.jp/Default.aspx   

YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=5DFeBnhQbqM 

今、あなたにオススメ