キリンとイムノセンス、唾液1滴を用いた日常生活における状態把握の新たなアプローチに関する実証実験を実施

キリンホールディングス株式会社のプレスリリース

キリンホールディングス株式会社(社長 COO 南方健志、以下キリン)と、独自技術を活用したPOCT※1検査デバイスの開発に取り組むスタートアップ企業、株式会社イムノセンス(代表取締役 杉原宏和、以下イムノセンス)は、唾液1滴を用いた日常生活における状態把握の新たなアプローチに関する実証実験(PoC)を実施しました。

本実証では、唾液1滴から約10分で測定できるイムノセンスの実証実験用デバイスを活用し、日常生活の中で自身の状態を見つめ直すことが、自身の状態への気づきや生活習慣の見直しのきっかけとなり得るかを検証しました※2。

本実証実験は、キリンのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)活動の一環として実施し、イムノセンスが開発・提供する実証実験用デバイスの提供価値や活用可能性を検証しました。

※1 Point of Care Testing 被検者のかたわらでリアルタイムに行う検査

※2 本実証実験は医療行為や診断を目的とするものではなく、事業性および受容性の検証を目的として実施したものです。

背景

発熱など明確な不調がない場合でも、「なんとなく調子が出ない」と感じる状態は、日常生活の中で多くの人が経験しています。一方で、こうした状態は主観的に捉えられやすく、原因を把握したり、生活習慣の見直しにつなげたりすることが難しい場合があります。キリンは、こうした日常のコンディション変化に着目し、日常生活の中で自身の状態を振り返り、生活習慣の見直しにつながる新たなアプローチの可能性について検討してきました。

目的

本実証実験では、唾液1滴から約10分で測定できる実証実験用デバイスを活用し、日常生活の中で自身の状態を見つめ直すことが、自身の状態への気づきや、生活習慣の振り返り、また行動を変えるきっかけとなり得るかを検証しました。

概要

本実証実験では、参加者が日常生活の中で任意のタイミングでデバイスを用いた測定を行い、測定結果に対する受け止め方や、その後の行動・振り返りに関するアンケートを実施しました。測定には、唾液1滴から分泌型IgA(sIgA)※3を約10分で測定するイムノセンス社の実証実験用デバイスを活用し、結果をスマートフォン上で確認する仕組みを用いました。

※3 分泌型IgA(sIgA)は唾液などに含まれる心身の状態と関連する指標の一つです。

イムノセンスが提供し、実証実験で使用したデバイス(専用測定器「GLEIAセルフチェックリーダー」、使い切りセンサ「GLEIAセルフチェックsIgA」)

実証実験から見られた傾向

アンケート結果※4からは、

・ 測定結果について「ある程度納得できた」と回答した参加者が約7割

・ 測定をきっかけに自身の状態や原因を考えるようになったと回答した参加者が約9割

・ 何らかの改善行動を実際に複数回行ったと回答した参加者が約9割

といった傾向が見られました。

これらの結果から、本実証実験の範囲において、日常生活の中で自身の状態を振り返ることが、自身の状態への気づきや行動のきっかけとなる可能性がうかがえました。また生活習慣(睡眠・ストレス等)との関係を意識する声も見られ、自己理解につながる可能性もうかがえました。

※4 2025年2月〜3月にキリングループ従業員30人を対象に実施。本実証実験では測定値そのものは収集せず、測定後の受け止めや行動に関するアンケート結果をもとに整理(有効回答27人)

株式会社イムノセンス  代表取締役 杉原 宏和 氏からのコメント

今回のキリン様との実証実験を通じて、当社の実証実験用デバイスが、日常的に自身のコンディションを振り返る新たなアプローチとなり得る可能性を確認でき、大変意義深く受け止めております。測定結果をきっかけに、ご自身の状態を振り返り、生活習慣を見直す機会につながる可能性がうかがえたことは、当社が目指す「日常に溶け込むヘルスケア」への大きな手応えとなりました。

今後もキリン様との協業を深め、独自の「GLEIA法」を活用した技術で、一人ひとりが日々の心身と向き合うきっかけとなる価値創出に努めてまいります。

今後について

 本実証実験で得られた知見をもとに、日常生活の中で自身の状態を振り返る新たなアプローチとしてどのような顧客価値を生み出せるかについて引き続き検討を進めていきます。将来的には、生活者一人ひとりが自身の状態を見つめ直し、日々の行動や生活習慣を見直すきっかけとなる体験設計を通じて、新たなサービスの可能性を探っていきます。あわせて、こうした取り組みが、企業における健康経営や人的資本経営の文脈でどのように活用され得るかについても検討していきます。

 キリングループは、長期経営構想「Innovate2035!」のもと、「食と健康」にかかわる領域で新たな価値を創造し、生活者や患者さんの行動変容を促し、新たな生活習慣を生み出すことに取り組んでいます。酒類、飲料・ヘルスサイエンス、医薬のユニークな事業ポートフォリオを強みに、グループ横断で、心と体の健康に貢献する取り組みを拡大します。キリングループはこれからも、人と技術の力でイノベーションを起こし続け、社会的価値と経済的価値を創出する、「世界のCSV※5先進企業」として持続的な企業価値向上を目指します。

※5 Creating Shared Valueの略。お客様や社会と共有できる価値の創造

■イムノセンス社について

イムノセンス社は「GLEIA法」という免疫反応と電気化学反応を組み合わせた独自の免疫測定技術を基盤に、POCT検査デバイスの開発に取り組む大阪大学発のスタートアップ企業です。同社は、GLEIA技術を活用し、ヘルスケア領域および医療機関向け検査領域の双方で事業を展開しており、医療機関向け領域では体外診断用医薬品の開発・事業化実績を有しています。

同社の技術は、手のひらサイズの測定器(GLEIAベース)と使い捨ての小型センサ(GLEIAスティック)を組み合わせ、少量の検体から特定のバイオマーカー※6を測定できる点を特長としています。日常生活の中で自身の状態を振り返るきっかけを提供するヘルスケア領域での活用可能性が期待されています。

なお、本実証実験で使用した唾液sIgA測定製品は、医療機関向け検査領域の製品とは異なる一般消費者向けの製品であり、疾病の診断、治療または予防を目的とするものではありません。

※6 身体の状態を把握する際の参考となる物質

■CVCファンド「KIRIN HEALTH INNOVATION FUND」について

当社は本CVCファンドを通じて、ヘルスサイエンス関連の先端技術や顧客体験の向上を実現するソリューションなどを対象とした、革新的な技術やビジネスモデルを有する国内外のスタートアップ企業へ投資を行っています。

短期的なシナジー創出にこだわらず、中長期的な視点で価値創出が見込めるスタートアップを対象に、スタートアップ企業が持つ新たな発想や技術とキリングループのヘルスサイエンス領域の強みや資源を掛け合わせることで、お客様の生活を豊かにする魅力的な価値を創出していきます。

キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します。

企業概要

(1)CVCファンド「KIRIN HEALTH INNOVATION FUND」概要

名称

KIRIN HEALTH  INNOVATION FUND
(登記上の名称)KIRIN・GB投資事業有限責任組合

投資対象

国内外のヘルスサイエンス領域に関連したスタートアップ企業

組成時期

2020年3月

運用総額

50億円

運用期間

10年間

無限責任組合員

グローバル・ブレイン株式会社

(2)グローバル・ブレイン株式会社の概要

会社名

グローバル・ブレイン株式会社

所在地

東京都渋谷区渋谷二丁目17番1号

代表者

代表取締役社長 百合本 安彦

設立

1998年1月

事業内容

ベンチャーキャピタル事業

URL

https://globalbrains.com/

(3)イムノセンス社の概要

会社名

株式会社イムノセンス

所在地

大阪府大阪市中央区備後町四丁目1番3号

代表者

代表取締役 杉原 宏和

設立

2018年1月 

事業内容

独自免疫測定法「GLEIA」を用いたPOCT検査デバイスの開発

URL

https://immunosens.com/

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