タキイ種苗のプレスリリース
(農業関連従事者、食料/飲料(酒類除く)の卸売・小売業従事者ソフトウェア・情報サービス業、調査業・広告代理業除く)を対象に、
今年で18回目となる野菜を取りまく消費者の意識などを調査しました。
■ 「トマト離れ」の兆し 若年層で支持が低い傾向、「好きな野菜」では4位に後退
トマトは、「最も好きな野菜」では3年連続1位を維持した一方、「好きな野菜」では4位となりました。性年代別では50・60代で支持が高く、若年層ほど支持が低い傾向が見られ、トマト人気の変化は若年層での支持が伸び悩んでいることが原因と推察される。
■ 子どもにも広がるトマト人気の変化 「最も好き」は3位、「最も嫌い」は1位
子どもの「最も好きな野菜」で2年連続1位だったトマトは3位へ後退。さらに、「最も嫌いな野菜」では1位となり、大人と同様にトマトの人気が変化。
■ 枝豆人気が拡大 「好きな野菜」トップ3入り、「訪日外国人におすすめしたい野菜」でも1位
枝豆は「好きな野菜」で初めてトップ3入りを果たしたほか、「訪日外国人観光客におすすめしたい野菜」でも1位を獲得。人気の高まりに加え、日本人がおすすめしたい野菜としても高い支持を集めた。
■ 物価高や気候変動を背景に、求められるのは「健康」と「安定性」
約6割が野菜価格の不安定化を実感。値上がりで最も困る野菜は「たまねぎ」と回答。今後増えてほしい野菜では「より体にいい野菜」「天候の影響を受けにくい野菜」が上位となり、「健康」と「安定供給」へのニーズが高まっている。
【タキイ種苗 野菜に関するアンケート調査】
◆調査期間:2026年6月上旬 ◆調査方法:インターネット調査
◆調査対象者:全国の20~60代の男女 ◆有効回答数:600サンプル
※除外対象:1農業、2卸売・小売業(食料・飲料(酒類除く)、3ソフトウェア・情報サービス業、4調査業・広告代理業
※グラフはすべて%。本リリース上のスコアの構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合もあります。
野菜ランキング
①トマトが「好きな野菜」でトップ3入り逃すも、「最も好きな野菜」では首位を維持
複数回答の「好きな野菜」では、「たまねぎ(56.0%)」「じゃがいも(54.0%)」「枝豆(53.0%)」に続き、「トマト(50.7%)」が4位となりました。「トマト」は、トップ3との差はわずか2.3ポイントと僅差で、高い人気を維持する一方、2024年は2位、2025年は3位、2026年は4位と徐々に順位を落としています。一方、3位の「枝豆」は2024年の7位、2025年の4位から順位を上げ、今回初めてトップ3入りを果たしました。
性年代別の比較では、全体的に、若年層では特定の野菜を「好き」と回答する割合が低い傾向にあり、多くの品目で回答率が伸び悩む結果となりました。一方、年齢が高くなるにつれて好きな野菜の回答率は高まる傾向が見られ、野菜に対する関心や嗜好が年齢とともに深まる様子がうかがえます。
「トマト」の順位は男女ともに50~60代で高く、若い世代ほど低い傾向が見られました。若年層での支持の伸び悩みが、順位の変化にも表れている可能性があります。
一方、単一回答の「最も好きな野菜」では、「トマト(10.0%)」「じゃがいも(7.5%)」「メロン(6.5%)」が上位3位となり、「トマト」は3年連続で1位を獲得しました。「トマト」は依然として「最も好きな野菜」として高い支持を集めています。しかし、「好きな野菜」として挙げる人の割合は減少傾向にあり、一部の愛好者からの強い支持は継続しているものの、全体的な人気はやや低下していることが示されました。
また、今年指定野菜に追加された「ブロッコリー」は、「好きな野菜」で8位(49.0%)、「最も好きな野菜」で9位(4.0%)と、いずれもトップ10入りし、人気の高まりがうかがえます。
②野菜嫌いは減少傾向、一方でトマトへの苦手意識は増加
複数回答の「嫌いな野菜」では、「セロリ(19.3%)」「ゴーヤ(16.0%)」「ケール(12.8%)」「モロヘイヤ(12.0%)」「春菊(11.2%)」が上位5位となりました。順位の入れ替わりはあるものの、3年連続で同じ品目がトップ5を占めています。
一方で、各品目の回答割合は年々低下しており、「嫌いな野菜は特にない(42.3%)」は2024年の33.3%、2025年の39.5%から増加しています。このことから、野菜への苦手意識は全体として薄れつつあることがうかがえます。
そのような中、「トマト」は「嫌いな野菜」で2025年の10位(7.0%)から2026年は6位(9.0%)へ順位・割合ともに上昇し、「最も嫌いな野菜」でも3年連続で3位となりました。「嫌いな野菜」の性年代別の比較において、「トマト」の順位は20~30代女性で高い傾向が見られます。一方、「トマト」は「最も好きな野菜」では3年連続で1位を維持しており、「好きな野菜」と「嫌いな野菜」の両ランキングで10位以内に入る唯一の野菜となりました。
③子どもでもトマト人気に変化、「最も好き」は首位から3位へ
複数回答での「あなたの子どもが好きな野菜」では、「じゃがいも(36.4%)」「さつまいも(33.1%)」「とうもろこし(32.8%)」が上位3位となり、甘みがあり食べやすい野菜が人気を集めました。「トマト(28.0%)」が順位を下げる一方、「枝豆(28.5%)」は経年比較で順位を伸ばしており、この傾向は大人の調査と共通しています。また、昨年5位だった「ブロッコリー」は10位になるなど、大人とは異なる特徴も見られました。
単一回答の「あなたの子どもが最も好きな野菜」では、2024年、2025年に1位だった「トマト(7.3%)」が3位に順位を下げ、「メロン(10.4%)」が1位となりました。
④子どもの野菜嫌いは減少、一方でトマトへの苦手意識は増加
複数回答での「子どもが嫌いな野菜」では、「ゴーヤ(22.7%)」「春菊(20.2%)」「セロリ(18.9%)」「とうがらし(18.2%)」が上位を占め、苦みや香りの強い野菜が引き続き敬遠される傾向が見られました。一方、昨年はランク外だった「トマト(17.7%)」が5位にランクインしました。
また、単一回答の「子どもが最も嫌いな野菜」では、「トマト(9.3%)」が1位となり、2024年の4位、2025年の6位から大きく順位を上げました。大人の調査でも「トマト」は「嫌いな野菜」で順位を上げており、子どもでも苦手意識の高まりがうかがえる結果となりました。
「嫌いな野菜は特にない」と回答した割合は、2024年の20.5%、2025年の32.1%、2026年の36.4%と年々増加しており、野菜に対する苦手意識は全体として低下していることがうかがえます。
⑤ 「おしゃれ野菜」は彩り豊かな洋風野菜が上位
複数回答での「おしゃれ」を連想する野菜では、「パプリカ(32.0%)」「ズッキーニ(27.8%)」「アスパラガス(16.8%)」がトップ3となりました。また、 単一回答での 「おしゃれ」を最も連想する野菜でも、「パプリカ」「ズッキーニ」が上位を占め、3位には「ケール」が続いています。
⑥ 訪日外国人におすすめしたい野菜は「枝豆」 約半数は「特にない」と回答
複数回答での「訪日外国人観光客におすすめしたい野菜」としては、「枝豆(13.3%)」「さつまいも(10.7%)」「メロン(10.3%)」がトップ3に挙がりました。いずれも甘みがあり食べやすいことに加え、日本らしさや品種の違いを感じられる品目が上位を占めており、日本ならではの味覚を楽しめる品目が選ばれる傾向がうかがえます。
一方で、「特にない(47.5%)」が最も多い回答となりました。約半数が特定の野菜を挙げていないことから、「訪日外国人観光客におすすめしたい野菜」について具体的なイメージを持つ人は少なく、日本の野菜をインバウンドの視点で捉える機会はまだ限定的であることがうかがえる結果となりました。
野菜の変化と摂取・購入に対する意識
① 野菜選びは「おいしさ」と「価格」が重視される一方、決め手は「栄養価」
複数回答(5つまで)での「野菜を食べる際や購入する際に重視するポイント」では、「おいしさ(41.5%)」「価格の安さ(39.5%)」「新鮮さ(33.5%)」「栄養があること(33.0%)」が上位となっており、おいしさや価格に加え、鮮度や栄養など、日常的な品質への関心の高さがうかがえます。
一方、単一回答での「野菜を食べる際や購入する際に最も重要視するポイント」では、「おいしさ(16.0%)」「価格の安さ(13.7%)」が引き続き上位となったものの、「栄養があること(10.5%)」が「新鮮さ(8.8%)」を上回りました。普段は鮮度を重視する人が多い一方で、最終的な決め手としては栄養価を優先する傾向がうかがえる結果となりました。
② 年代・ライフステージで異なる野菜選び 子育て世帯は価格重視
複数回答(5つまで)による「野菜を食べる際や購入する際に重視しているポイント」のクロス集計では、男女ともに50代・60代で「新鮮さ」を重視する割合が高く、鮮度への関心が高い傾向が見られました。また、女性では50代・60代で「おいしさ」「安全性・信頼性の高さ」「季節や旬を感じられること」など、40~60代で「調理のしやすさ」、30代で「食べやすさ」の割合も高く、年代やライフステージに応じて重視するポイントが多様化していることがうかがえます。
一方、「20~49歳の子ども有り層」では、男女ともに「新鮮さ」を重視する割合が比較的低く、特に女性では「価格の安さ」を重視する割合が高くなりました。子育て世帯では、鮮度よりも家計への負担やコストパフォーマンスを重視しながら野菜を選ぶ傾向がうかがえる結果となりました。
③ 野菜選びの価値観は年代で変化、シニア層は品質志向
単一回答での「野菜を食べる際や購入する際に最も重視しているポイント」のクロス集計では、男性では60代で「新鮮さ」、50代で「季節や旬を感じられること」、女性では60代で「安全性・信頼性の高さ」の割合が全体と比較して10ポイント以上高くなりました。年代や性別によって野菜選びの価値観が異なり、高年齢層では「鮮度」「旬」「安全性」といった品質面をより重視する傾向がうかがえる結果となりました。
④気候変動の影響、「価格の不安定化」を6割が実感
複数回答での「猛暑や局地的な豪雨などの天候の影響で感じる野菜の変化」では、「価格が不安定になった(58.8%)」が半数を超えて最も多く、特に女性で割合が高くなりました。また、「見た目が悪くなった(11.5%)」は30代および60代の女性で比較的高い傾向が見られました。一方、「特に何も感じない(31.3%)」は男性で割合が高くなっています。
こうした結果は、野菜を選ぶ際に重視するポイントとも関連していると考えられます。複数回答での図14「野菜を食べる際や購入する際に重視するポイント」のクロス集計では、女性の30代・50代および「20~49歳の子ども有り層」で、「価格の安さ」を重視する割合が全体より5ポイント以上高い結果となりました。本質問でも同様の層において「価格が不安定になった」と回答した割合が、全体より高くなりました。これらの結果から、野菜を食べたり購入したりする際に価格を重視する層は、気候変動の影響による価格の変化に敏感であることが示唆される結果となりました。
⑤ 気候変動で変わる野菜選び、一方で約3割は購入行動に変化なし
複数回答での「猛暑や局地的な豪雨などの天候の影響を受けて変化した行動」では、「野菜の購入頻度・量が減った(25.2%)」「購入する野菜の品目が変化した(24.5%)」「加工野菜(冷凍野菜・カット野菜)などの利用が増えた(18.2%)」が上位となりました。一方で、「特に行動の変化はない」は32.0%となっており、約3人に1人は気候変動による影響を感じながらも、野菜の購入行動を変えていないことがわかりました。
このことから、気候変動は消費者の野菜選びに一定の影響を与えている一方で、すべての人の購買行動を変えるまでには至っておらず、価格や供給状況に応じて購入量や品目、購入方法を見直す層と、これまでどおりの購入を続ける層に分かれていることがうかがえます。
⑥ 値上がりで困るのは「毎日使う定番野菜」
複数回答での「値上がりしたら困る野菜」では、1位の「たまねぎ(45.7%)」が突出して多く、続いて「キャベツ(39.3%)」「じゃがいも(36.2%)」「にんじん(34.2%)」「トマト(33.5%)」がほぼ横並びとなりました。いずれも日常的に使用頻度が高い指定野菜であることから、近年の物価高や天候不順による価格変動を受け、家計への影響を実感しやすい野菜として認識されていることがうかがえます。
⑦ 求められるのは「健康」と「安定性」を備えた野菜
複数回答での「購入する際に今後増えてほしい野菜」としては、「より体にいい野菜(47.8%)」が最も多く、次いで「天候の影響を受けにくい野菜(39.3%)」「調理が簡単な野菜(下処理が少ないなど)(34.2% )」が続きました。
また、単一回答での「購入する際に最も増えてほしい野菜」でも同様の順位となりました。健康への関心が高い一方で、天候に左右されにくく価格や供給が安定した野菜へのニーズも高く、近年の気候変動や物価高の影響を背景に、“健康”と”安定性”を兼ね備えた野菜が求められていることがうかがえる結果となりました。さらに、調理の手軽さも重視されており、日常生活に取り入れやすい野菜への期待が高いことがうかがえます。