誕生から80年220人と考えた日本国憲法 かつてない「国民投票」ルールは公平・公正?

広島原爆の日に見つめ直す平和守る基盤

パルシステム生活協同組合連合会のプレスリリース

パルシステム連合会(本部:新宿区大久保、理事長::渋澤温之)は8月6日(木)、公布から80年を迎える日本国憲法の基本と、かつて一度も実施されていない憲法改正に必要な国民投票制度の課題を知るオンラインイベントを開催しました。主権者である参加者約220人が、自身の基本的人権を守る憲法の意義と改憲に必要な国民投票制度の現状と問題点を考えました。

憲法改正論議の現状を解説

憲法の基礎と国民投票制度を解説したのは、国民投票総研の代表を務める南部義典さんです。衆議院議員政策担当秘書、慶應義塾大学大学院法学研究科講師などを歴任し、憲法改正ルールの各国比較や国会運営と立法過程などを研究し、提言活動をしています。

南部さんは、80年前に誕生した日本国憲法の基礎と、現在進められる改正論議の現状をテーマに話を進めました。国会で憲法9条改正や緊急事態条項をめぐる論議が進められ、2026年度中に憲法改正原案の提出が目指される中、改正に必要な国民投票のルールがそもそも、公平・公正であるのか疑問を呈しました。

▲憲法の基礎と国民投票制度のルールを解説する南部さん

主人公である個人を守る憲法

「憲法を一言で表現するなら、個人の権利と自由を守る仕組みです」と南部さんは解説します。最も大切だと言う第13条には、個人の尊重と幸福追求権が記載され、第11条と第97条で「基本的人権は侵すことのできない永久の権利」であると繰り返し強調していることを紹介します。

基本的人権は、精神的、身体的、経済的な自由を保障する「自由権」、生存権や教育を受ける権利を保障する「社会権」、法の下の平等を保障する「平等権」の3つで示され、これに基本的人権を守るための手段である「参政権」「請求権」を加えた5つの権利が憲法により保障されると話します。改憲に必要な国民投票で意思を表示する参政権は、基本的人権を守るための最終的な決定権となります。

国家権力が暴走し、個人の自由や平等を脅かさないよう憲法で制限し、国会・内閣・裁判所の三権分立で相互の監視と均衡の保持により独裁を防ぎ統治の仕組みを整えるのが立憲主義です。第9条の戦争放棄も、すべての個人の権利と自由の前提となる「平和」を守るための重要な規定です。

憲法改正の限界と国民投票の手続き

第96条は、憲法改正の手続きとして、衆参両院の2/3以上の賛成による発議と提案の上、国民投票での過半数の承認が必要であると定めていますが、従えば全て改正できる訳ではありません。改正は憲法と一体をなすものとして行われる必要があると記載されており、全面改正は許されません。国民主権や基本的人権の尊重、恒久平和主義などの憲法の原則を覆す改正も、法論理的に認められません。

時代が変化しても、主権者である私たちは「憲法の番人」として、この限界を超えないよう監視し続ける必要があると南部さんは話します。

現在、国会の各政党の政治情勢が動く中、2026年度中に憲法改正原案の提出を目指す合意などが交わされています。「衆参での温度差や党内の意見対立も根強く、真の合意形成があるとは言い難い状況です。提出はできても可決の可能性は低く、形式的アピールの側面も否めません」と南部さんは分析します。

国民投票法は「公平・公正なルール」か?

実際に国民投票が行われる場合は、国会での発議から投票日まで60日から180日の運動期間が設定されます。選挙とは異なり、自由度が高いのが特徴ですが、制度には大きな穴が存在します。運動団体の資金規制や収支報告がないため、資金力のある陣営が圧倒的に有利になるリスクがあるためです。

公正な国民投票を実現するためには、制度の欠陥を補強するルール整備が必要です。運動団体を登録制にして意見広告の主体を明記し、資金上限を設定して収支報告を公表させるべきと南部さんは訴えます。

期日前投票が始まる2週間前からのネット広告禁止期間の設定や、SNSなどのプラットフォーム事業者の配信・表示設定の公平性の担保も必要です。デジタル広告でも主体や表示期間などを明示し、巧妙化する生成AIによる偽情報の拡散、偽広告を防止する対策の徹底とインプレッション稼ぎを目的とする投稿の削除・収益停止や利用者への注意喚起が必要だと話します。

南部さんは最後に「国民投票運動の中心は、デジタルプラットフォームになると想定されます。国民投票広報協議会は、プラットフォーム事業者の動きを継続的に聴取し、国民に向けて適切に情報を発信する役割を投票直前まで担っていく必要があります」として、講演を締めくくりました。

パルシステムはこれからも、身近な暮らしの課題を利用者とともに考え、誰もが大切にされる地域づくりを目指します。

パルシステム生活協同組合連合会

所在地:東京都新宿区大久保2-2-6 ラクアス東新宿、理事長:渋澤温之
12会員・統一事業システム利用会員総事業高2,689.6億円/組合員総数177.0万人(2026年3月末現在)
会員生協:パルシステム東京、パルシステム神奈川、パルシステム千葉、パルシステム埼玉、パルシステム茨城 栃木、パルシステム山梨 長野、パルシステム群馬、パルシステム福島、パルシステム静岡、パルシステム新潟ときめき、パルシステム共済連、あいコープみやぎ
HP:https://www.pal-system.co.jp/

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