諏訪酒造、7期連続赤字から営業・経常黒字へ転換

一度蔵を離れた杜氏も復帰、124石をすべて手造りで仕込み、酒・人・蔵の再生へ

諏訪酒造株式会社のプレスリリース

鳥取県智頭町で1859年から酒造りを続ける諏訪酒造株式会社は、2026年6月期において、営業黒字・経常黒字へ転換しました。

           諏訪酒造 正面
          直売所「梶屋」

当社では7期にわたり赤字が続いていましたが、2025年4月の新経営体制発足以降、酒造りと経営の両面から蔵の再生に取り組んでまいりました。

生産体制や経費構造の見直しだけでなく、働く環境、商品価値、ブランド、お客様を迎える環境、地域との関係に至るまで、一つひとつ見直しを重ねてきました。

その結果、2026年6月期は営業・経常段階で黒字を確保しました。

今回の黒字化は、7期にわたり続いた赤字経営に一つの区切りをつける、大きな転換点です。
一方で、今回お伝えしたいのは、「黒字になった」という数字だけではありません。

諏訪酒造の再生は、決算書の数字を変えることから始まったものではありませんでした。
私たちが最初に着手したのは、蔵のトイレの改修でした。

再生の第一歩は、働く人の誇りと、お客様の体験を変えること

新経営体制が最初に着手したのは、大規模な設備投資でも、新商品の開発でもありませんでした。

蔵のトイレを、長年使われてきた和式から最新の洋式トイレへ改修することでした。

長く赤字が続く中で、蔵にはいつしか、「うちの酒は、安くしないと売れない」という意識が生まれていました。過去には、「この蔵には未来がない」と言われたこともありました。

会社を立て直すには、売上や利益だけを追いかけるのではなく、まずここで働く人たちが、自分たちの仕事や、自分たちが造る酒にもう一度誇りを持てる環境をつくる必要がある。そう考え、最初に働く環境を整えるところから始めました。

このトイレは、従業員だけでなく、諏訪酒造の直売所「梶屋」を訪れるお客様にもご利用いただく場所です。

働く人が気持ちよく過ごせること。そして、蔵を訪れてくださったお客様を気持ちよくお迎えできること。その両方を大切にしました。

自分たちが働く場所を大切にする。
お客様を迎える場所を大切にする。
そして、自分たちが造る酒の価値を、もう一度信じる。

諏訪酒造の再生は、そこから始まりました。

            改修前
            改修後
            改修前
            改修後

「安くしないと売れない」から、「価値を認めていただける酒」へ

働く環境を変える一方で、2026年6月期には、商品の価値そのものを見直す取り組みも相次いで進めました。

2025年8月には、2012年醸造の純米吟醸を10年以上熟成させた諏訪泉 満天星 Vintage 2012」を発売。長い年月を重ねた酒を高付加価値商品としてお客様に届ける、新たな取り組みを始めました。

同年秋には、甘口商品の八上姫Sweet」「八上姫ロゼ」のボトルとラベルを全面的に刷新。鳥取に伝わる八上姫の物語を生かしながら、伝統的な酒造りと現代的なデザインを組み合わせ、贈答や新しい日本酒ファンにも手に取っていただける商品づくりを進めました。

さらに、2026年1月の智頭町「二十歳のつどい」に合わせ、地元の新成人へ日本酒を贈る取り組みも実施しました。「人生最初の一杯は地元の酒を」。地域で育った若い世代に、地元の酒と地域の物語を知ってもらうことも、地域に根差す酒蔵として大切な役割だと考えています。

そして2026年6月には、鳥取神話の大国主命をモチーフにした「大国主命Sweet」を発売。「八上姫ロゼ」と組み合わせた“縁結びセット”としても展開し、日本酒の味わいだけでなく、鳥取の神話や文化そのものを楽しんでいただく商品づくりにも挑戦しました。

これらに共通しているのは、「安くしなければ売れない酒」から、「酒の品質、手仕事、歴史、地域の物語まで含めた価値を正しく伝え、その価値を認めていただける酒」への転換です。

単純に販売数量を追うのではなく、一つひとつの商品が持つ価値を見直すことも、諏訪酒造の再生における重要な取り組みでした。

「蔵の雰囲気が変わった」ー お客様にも届き始めた変化

環境や働き方を一つずつ見直していく中で、蔵を訪れるお客様からも、「以前と雰囲気が変わった」「とても良くなった」といった声をいただくようになりました。

諏訪酒造が目指しているのは、決算書の数字だけが良くなる酒蔵ではありません。

酒の味や商品だけでなく、そこで働く人の表情や、お客様を迎える空気まで含めて、「また来たい」と感じていただける蔵を目指しています。

一度蔵を離れた杜氏も復帰。「今は蔵の雰囲気が非常に良い」

今回の再生を象徴する出来事の一つが、一度蔵を離れていた杜氏・白間恭司の復帰です。

新しい体制になった諏訪酒造へ戻った杜氏は、現在の蔵について、「今は蔵の雰囲気が非常に良くなった」と話しています。

酒造りは、設備だけでできるものではありません。

杜氏、蔵人、営業、直売所、経営、それぞれの人が同じ方向を向き、自分たちの仕事を信じられることが、酒の品質を支える大切な土台だと考えています。

そして2025年度は、杜氏と蔵人たちは、124石をすべて手造りで仕込みました。

大量生産ではなく、一つひとつの工程に人が向き合い、手をかける。諏訪酒造が長く続けてきた酒造りを、これからの時代にも残していくための一歩です。

            蒸し上がった米を自然放冷する工程

過去を責めるのではなく、経験を未来につなぐ

諏訪酒造の再生は、過去を否定し、すべてを入れ替えることで進めてきたものではありません。

経営体制変更後も、前代表の東田雅彦は蔵を離れず、現在は取締役COOとして経営と現場を支えています。

一度蔵を離れていた杜氏も戻りました。

これまで蔵を支えてきた人たちの経験や技術と、新しい経営の考え方。その双方を生かしながら、次の時代の諏訪酒造をつくっています。

今回の黒字化は、誰か一人の成果ではありません。蔵に関わる一人ひとりが、もう一度同じ方向を向いた結果です。

7期続いた赤字に区切り、営業・経常黒字へ

こうした取り組みの結果、2026年6月期は本業の収益性が改善し、前期の営業赤字から営業黒字へ転換するとともに、経常段階でも黒字を確保しました。

諏訪酒造では、今回の黒字化を「再建完了」とは考えていません。

7期続いた赤字を一度黒字にしただけで、本当の意味で酒蔵が再生したとは言えないと考えているからです。

今回の黒字化を新たなスタート地点として、安定して利益を生み出し、財務基盤を改善しながら、働く人たちが安心して酒造りを続けられる会社を目指します。

代表取締役CEO 菅原健司のコメント

「7期続いた赤字から、今回、営業・経常黒字という結果を出すことができたことは、大変うれしく思っています。

ただ、今回このことを発信したいと思った一番の理由は、黒字になったことを自慢したいからではありません。

諏訪酒造という蔵をもっと多くの方に知っていただき、私たちが造った酒を飲んでいただき、できれば智頭町まで足を運んでいただきたいと思ったからです。

私がこの蔵に来て最初に行ったのは、トイレの改修でした。

長く赤字が続く中で、従業員の自尊心まで少しずつ失われ、「うちの酒は安くしないと売れない」という意識が生まれているように感じたからです。過去に何があったのかを責め続けるのではなく、一度水に流し、ここから新しい蔵をつくっていこうと考えました。

このトイレは直売所「梶屋」を訪れてくださるお客様にも使っていただく場所です。自分たちが働く環境を大切にすることも、お客様を気持ちよくお迎えすることも、私たちが造る酒の価値につながっていると思っています。

最近では、お客様から「蔵の雰囲気が変わった」「とても良くなった」という声をいただくようになりました。

一度蔵を離れた杜氏の白間も戻ってきてくれました。杜氏自身も「今は蔵の雰囲気が非常に良くなった」と言ってくれています。

前代表の東田も取締役COOとして、今も一緒に蔵を支えてくれています。そして皆の力で、2025年度は124石をすべて手造りで仕込むことができました。

今回の黒字化は、誰か一人の成果ではありません。蔵で働く一人ひとりが、自分たちの酒造りをもう一度信じ、それぞれの立場で挑戦してくれた結果だと思っています。

また、ここまで歩んでこられたのは、金融機関の皆様、お取引先の皆様、地域の皆様、そして日頃から私たちの酒を選んでくださるお客様の支えがあったからです。あらためて心より感謝申し上げます。

「この蔵には未来がない」ではなく、「この蔵には未来がある」と、ここで働く人たち自身が思える蔵にしたい。

そして、お客様にも「この蔵の酒を飲んでみたい」「この蔵に行ってみたい」「また来たい」と思っていただける酒蔵にしていきたいと思っています。

再建はまだ途中です。今回の黒字化をゴールではなく新しいスタートと捉え、黒字経営がしっかり定着するまでは、私自身も役員報酬を受け取らず、皆と一緒にこの蔵の未来をつくっていきます。」

諏訪酒造の酒を飲む、蔵を訪れる

諏訪酒造では、代表銘柄「諏訪泉」「鵬」「満天星」をはじめ、10年以上の長期熟成酒、甘口の日本酒、鳥取の神話や文化をテーマにした商品など、さまざまな酒を造っています。

直売所「梶屋」では、諏訪酒造の商品を実際に手に取っていただきながら、智頭町の風土や蔵の空気を感じていただけます。

今回の黒字化をきっかけに、まだ諏訪酒造を知らない方にも、まずは一本の酒から私たちの酒造りを知っていただければと考えています。

そして機会があれば、ぜひ智頭町の蔵へお越しください。

飲んで知る。
訪れて知る。
人に触れて知る。
そして、また飲みたくなる酒蔵へ。

諏訪酒造は、これからも一つひとつの酒を丁寧に造り、お客様を大切にお迎えしてまいります。

商品のご購入・ご来店について

                         直売所「梶屋」正面入口

直売所「梶屋」:住  所:鳥取県八頭郡智頭町智頭451

         営業時間:午前10時から午後5時まで(10月から3月末までは午後4時30分まで)

                       定休日   :無休(年末年始は休業)

諏訪酒造公式サイト:https://suwaizumi.jp/


諏訪酒造株式会社について

会社名:諏訪酒造株式会社

所在地:鳥取県八頭郡智頭町智頭451

創業:1859年(安政六年)

代表者:代表取締役CEO 菅原健司

事業内容:日本酒の製造・販売

企業理念:「幸せな食卓を創る」

代表銘柄:「諏訪泉」「鵬」「満天星」

本件に関するお問い合わせ

諏訪酒造株式会社 
担当:東田雅彦(トウダマサヒコ) 
TEL:0858-75-0618
E-mail:kajiya@suwaizumi.jp

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