ヱビスビールの「超長期熟成」で生まれる香味を解明

サッポロホールディングスのプレスリリース

サッポロホールディングス(株)とサッポロビール(株)は、「ヱビスビール」の「熟成」に着目し、長期間の熟成で変化する香り成分の研究を行ってきた結果、それらの香りが一般的にビールの「老化」で生成する成分と相互作用し、複雑な「熟成香」を形成していることを解明しました。両社は、この研究成果を3月に開催された日本農芸化学会2020年度大会(注1)において発表しました。

これは、4月1日発売の「ヱビス 超長期熟成 7年目の刻(こく)」(注2)を開発する際に得られた研究成果です。この商品は、日本のビールの常識にはなかったような長い年月をかけ、じっくりと熟成させることでたどり着いた重厚なコクのヱビスです。

両社は、これらの研究成果を醸造技術に応用し、これからも「ヱビスビール」のさらなる魅力を引き出すことで、多様なビールの楽しみ方を提案していきます。

1.低温、超長期熟成がビールの香り成分を変化させる

「ヱビス 超長期熟成 7年目の刻(こく)」は、熟成タンクで長期間・低温かつ酸化を抑えた状態で「熟成」させたビールです。今回、3年半熟成させたビールをガスクロマトグラフィー(「におい嗅ぎ分析」、「固相マイクロ抽出分析」など(注3))で解析した結果、「熟成」で変化する香り成分には、大きく2つのグループがあるとわかりました。

1つ目(グループA)は、ビールを製造後、びんまたは缶の状態で長期間、常温で保存した場合に「老化」して増加することが知られている成分で、低温での長期熟成中にもわずかに増加することが分かりました。2つ目(グループB)は、今回の研究で明らかとなった、長期間・低温での「熟成」で増加した成分です。

図1 「老化」で増える香り成分(A)と、低温での「熟成」で増える香り成分(B)
(図中の縦軸の単位はppb(μg/L))

2.香り成分の相互作用による「熟成香」の形成

このように分析で見出した香り成分をグループごとに通常のビールに添加して、官能評価(注4)を実施したところ、通常の老化で増加する成分のグループAを添加した試験では、「甘い香り」や「老化感」が高くなり、「フルーティー感」が低くなるなどの変化が示されました。一方、長期間・低温の「熟成」で増加する成分のグループBを添加した場合、それだけでは香味への影響はほとんどありませんでした。

ところが、グループAとBの両方の成分を添加すると、「フルーティー感」は保たれながら、「熟成感」の香りが高くなり、味も「マイルド」に感じられることが分かりました。

この結果から、「熟成」で長期間かけて変化した香り成分が複雑に組み合わさることにより、「ヱビス 超長期熟成 7年目の刻(こく)」の特有の重厚なコクにつながる香味をつくり出していると考えられました。

図2 官能検査による香り成分グループごとの香味への効果の確認

 

(注1)日本農芸化学会大会2020年度大会
日本農芸化学会は、バイオサイエンス・バイオテクノロジーを中心とする多彩な領域の研究者、技術者、学生、団体等によって構成される学術団体であり、2020年の年次大会は3月25日~28日(会場:福岡市西区・九州大学)。(大会の開催は中止。学会要旨集の発行にて発表として取り扱われます)
(注2)「ヱビス 超長期熟成 7年目の刻(こく)」
日本のビールの常識にはなかったような長い年月をかけ、じっくりと熟成させることでたどり着いたより深く、よりまろやかな味わいのヱビス。仕込・熟成から7年目となる刻(こく)が織りなす気品ある余韻。4月1日からサッポロビールネットショップ限定で数量限定で発売(サッポロビールネットショップ:https://www.sp-mall.jp/shop/pages/S2/index.aspx)。
(注3)「におい嗅ぎ分析」、「固相マイクロ抽出分析」など
香り成分を分析するガスクロマトグラフィーの手法。これ以外にも複数の手法を活用して香り成分を探索しました。
(注4)官能評価
訓練されたパネル10名で実施。それぞれのコメントについて0~5点までの評価をした平均値。

<消費者の方からのお問い合わせ先>
サッポロビール(株)お客様センター
℡ 0120-207-800

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