【プレスリリース】ボルドーワイン、新品種6種の正式承認取得、2021年から導入!

ボルドーワイン委員会のプレスリリース

フランス、ボルドー発(2021年1月26日): 国立原産地名称研究所(INAO)は、ボルドー地方における
赤ワイン用ぶどうの新品種4種と、白ワイン用ぶどうの新品種2種の使用を正式に承認!

ボルドー地方は、新品種の植え付けをはじめとする革新的なぶどう栽培戦略で、
気候変動対策においても世界をリードし、次の時代に万全の備えをしています。
フランス、ボルドー発(2021年1月26日): 国立原産地名称研究所(INAO)は、ボルドー地方における
赤ワイン用ぶどうの新品種4種と、白ワイン用ぶどうの新品種2種の使用を正式に承認しました。

フランス農務省の一部門であるINAOによるこのたびの発表は、ボルドーのワイン科学者と生産者たちが10年
以上にわたって積み重ねてきた、膨大な研究を集大成させたもののひとつです。
現代のぶどう栽培における最大の問題である、気候変動への実に効果的・革新的な対策で、それが環境に優しい
手法であることは特筆すべきでしょう。承認された以下の品種は、気温上昇と生育サイクルの短縮に伴う
水分ストレスに、うまく適応することができるもので、2021年からの植栽開始が予定されています。

(c): Pl@ntGrape, Catalogue des vignes cultivées en France, IFV- INRAE – l’Institut Agro | Montpellier SupAgro, 2009-2020 

  • 赤ワイン用4品種:アリナルノアArinarnoa, カステCastets, マルスランMarselan, トウリガ・ナショナル Touriga Nacional
  • 白ワイン用2品種:アルヴァリーニョ Alvarinho, リリオリラ Liliorila

新品種導入までの経緯
ボルドーの科学研究者たちは、ワイン造りにおける高品質志向と革新において世界を牽引しており、徹底的な調査
研究、実験、産学協同を通じて、持続可能な未来のための基盤を築いてきています。今回の新品種導入に関しても、過去10年間で52種以上にも上るぶどうが厳しい査定を受けてきており、その中から6品種が厳選されたのです。このたび改正された国のガイドラインの下で、ボルドーの新品種6つは、「気候変動への適応において注目すべき新品種」と、ふさわしい命名を受けました。新たな品種の植え付けは、目下のところ地方全植栽面積の5%が上限とされていて、どの色のワインでも10%が最終ブレンドに占める割合の上限です。そのため、法の定めにのっとり、ボルドーワインのラベル上にこれらの品種名が記載されることはありません。

 AOCボルドーおよびボルドー・シュペリウールのワイン生産者連合が、気候変動の影響軽減を目的とした新品種認可の意向をはじめて表明したのは、2019年6月のことでした。このたび、国政レベルでの正式承認を得たことで、ボルドーの造り手たちは栽培品種をさらに多様化させ、長い歴史の中で培ってきたワインのブレンド技術を、
さらに発展させることができるようになったのです。

ボルドーのワイン生産者たちは今、生育サイクルと成熟タイミングが異なる、より幅広い品種群を手にしています。このたび承認された6つの新品種に加えて、AOC規定では6つの赤ワイン用基準品種(カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロ、マルベック、カルメネール、プティ・ヴェルド)と、8つの白ワイン用基準品種(セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、ソーヴィニヨン・グリ、ミュスカデル、コロンバール、ユニ・ブラン、メルロ・ブラン、モーザック)が、以前から認められていますから、そのパレットにのっている絵の具は実に色とりどりです。なお、これまでは栽培が難しかった先祖代々の品種も、近年は畑でカムバックを果たしており、ボルドーの果敢な行動力はこの点にも見られます。例えば、魅惑的なスミレや甘草のアロマが特徴的な晩熟品種プティ・ヴェルドは、地球温暖化の恩恵を受けている品種です。2018年までに、プティ・ヴェルドの栽培面積はかつてと比較して、191%増加しました。

その他の気候変動対策
なお、ボルドーによる気候変動対策は、ぶどう品種の選択に留まりません。醸造、栽培面においても、毎ヴィンテージの必要に応じて最適化された多くの対策が実践されていて、たとえば剪定を遅くすること、葉面積を減らすためにぶどう樹の幹の高さを上げること、強い太陽光から房を守るために除葉を控えめにすること、水分ストレスを最小限に抑えるために区画別の管理をすること、夜間に収穫すること、植樹間隔を広げることなどが挙げられます。ボルドーの生産者たちは、香り高く、バランスの取れた卓越品質のワインを消費者に提供し続けるという使命を果たすべく、常に十分な備えをし、不断の努力に励んでいるのです。

歴史を紐解けば、ボルドーワインが常にその進取の気風によって、時代の要請に応じ、困難をくぐり抜けてきたことがわかります。例えば19世紀後半のフィロキセラ禍。台木への接ぎ木と植替えによって、ボルドーはこの世界的危機を見事に克服しましたが、その結果としてぶどう品種の栽培比率が大きく変わりました。今日赤ワイン用ぶどうとして主力のメルロやカベルネ・ソーヴィニヨンは、この頃から植栽面積が増えたのです。しかし、ぶどう品種や栽培方法が変わっても、ボルドーワインはそのアイデンティティ――絶対的な高品質――を保ち続けました。このたびの新品種の導入や、栽培方法の改善も、ボルドーに次世代の黄金期を到来させるための、大きな歩みとなることでしょう。

  • ボルドーワイン委員会(CIVB)とは 

ボルドーワイン委員会(CIVB)は1948年(8月18日付法律)に設立されました。本委員会は、ワイン生産者、
ネゴシアン(取引商社)、クルティエ(仲介業者)、以上3つのボルドーワイン産業におけるグループ代表によって構成されています。

4つのミッション
·         マーケティング: 世界を代表するブランドとして、ボルドーの市場地位を確立します。消費者とボルドーブランド間の強い絆を構築し、新たな若年層の消費者を獲得およびブランド・ロイヤリティを確保します。
·         技術: 新しい知識や技術の習得、そしてボルドーワインの品質の維持に取り組み、また、環境および食品
安全に関する意識が高まる中、新たな要求にも先手を取って対応します。
·         経済: 生産、市場、環境、そしてボルドーワインの国際市場における営業販売、それらに関する動向を常に把握し、的確な理解に努めます。
·         業界全体での取り組み: テロワールの保護、偽造品・模倣品対策、ワインツーリズム開発支援

https://www.bordeaux-wines.jp/

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