プロヴァンスワイン委員会のプレスリリース
ぶどう樹の生育は早く始まり、異例の天候により開花も早く、暑さと乾燥もあいまって果実はよく生育しました。収穫は良い条件のもとで行われ、8月半ばから、一部の区画では10月まで続く通常よりも長いものとなりました。
3月と春の天候の違いから、収穫量にはばらつきが見られました。ヴァール県では、霜と低温による影響を受け、収穫量は前年を下回りました(特にグルナッシュ)。一方、このような天候被害を免れたエリアでは、実が大きく、果汁も豊富なぶどうが多く収穫されました。
数字でみる 2020 年ヴィンテージ
栽培面積
- 27,680 ha
- 3県(ヴァール、ブーシュ=デュ=ローヌ、アルプ=マリティムおよび1コミューン)に広がる。
- 栽培面積のうち31%がビオまたはHVE(環境価値重視)認証を取得。
生産量
- 1,246,010 hl
- 1億6,600万本相当
- ロゼ91% / 赤5% / 白4%
組織会員
- 551の生産者(490の独立ワイナリーと61の協同経営ワイナリー)および 90 以上の地元のネゴシアン
AOPコート・ド・プロヴァンス
- 栽培面積:20,358 ha うち 28 %がビオまたはHVE認証取得
- 生産量:868,538 hl(1億1,600万本相当)ロゼ92% / 赤4% / 白4% プロヴァンスワインの70%に相当
AOPコトー・デクス・アン・プロヴァンス
- 栽培面積:4,344 ha うち30 %がビオまたはHVE認証取得
- 生産量:241,538 hl3,200万本相当)ロゼ86% / 赤8% / 白6% プロヴァンスワインの19%に相当
AOPコトー・ヴァロワ・アン・プロヴァンス
- 栽培面積:2,977 ha うち57 %がビオまたはHVE認証取得
- 生産量:135,934 hl(1,800万本相当)ロゼ93% / 赤4% / 白3% プロヴァンスワインの11%に相当
2020ヴィンテージのプロヴァンスのロゼの特徴
AOP コート・ド・プロヴァンス ~ 花のような香りと黄色い果実のニュアンス
外観は、 淡い~とても淡い色で、輝きがあり、澄んでいます。香りには、フレッシュな花(バラ)、黄色い果実(メロン、モモ)や赤い果実(イチゴ、キイチゴ、チェリー)の要素に加え、柑橘類の果皮やトロピカルフルーツ、タチアオイのニュアンスも感じられます。味わいは滑らかで円みのある印象。テロワールによっては多少の酸味が際立って感じられることでバランスが取れています。豊かなコクと、酸味が少し際立つ爽やかさの間でバランスが取れており、この爽やかさが果実味豊かな後味を引き立てることもあります。
AOP コトー・デクス・アン・プロヴァンス ~ サーモンピンクの外観
外観は輝きがあり、生き生きとしていて淡く、サーモンや桃、ライチの色をしており、クリアなピンク色の光沢もあります。香りには花や酸味のある赤い果実のニュアンスに続いて、黄色や白の果肉の果実や柑橘類の強いアロマが感じられ、甘いスパイスや香辛料のわずかなアクセントが時にアロマを引き立てます。味わいは豊満で、酸味に支えられています。複雑で果実味豊かなAOP コトー・デクス・アン・プロヴァンスのロゼは、酸味とボリューム感で構成されており、のどの渇きがいやされ口当たりの良い仕上がりです。
AOP コトー・ヴァロワ・アン・プロヴァンス ~ 複雑で表情豊かな香り
外観はきれいな淡いピンク色で、サーモンピンクからとても明るいピンク色までの広がりがあります。香りは複雑で表情豊か。花のようなニュアンスと、柑橘類、トロピカルフルーツ、夏の太陽を浴びた果実、フレッシュな赤い果実など、様々な果実の香りが感じられます。味わいはエレガントかつ豊満で、アロマも豊か。円みと爽やかさのバランスがよく、持続性があります。
2030年のプロヴァンスのワイン
2030年にプロヴァンスのロゼワインがどうなっているのか、10年後について考えてみましょう。プロヴァンスの将来をになうぶどう樹と品種は実はすでに存在しています。今日、生産者はプロヴァンスのワインに環境にやさしいという側面を与えるべく真剣に取り組んでいます。
プロヴァンスワインのぶどう畑は、生態学的に重要な地域に広がっています。豊かな自然に恵まれてはいるものの、乾燥や浸食といった気候災害の影響を受けやすい地域でもあります。プロヴァンスワインの3大AOPの生産者は、自分たちを取り巻く環境の危うさと自分たちに課せられた責任とを早くから意識していました。プロヴァンスの生産者は、古くからのやり方を踏襲したり革新したりしながら、ワイン生産の技術を発展させ、周りの自然への影響を抑えてきました。
生産者とロゼセンターの取り組みにより、プロヴァンスワインの環境保護施策は加速的に進み、プロヴァンスでは、2030年までに100%環境に配慮した認証(オーガニック認証*およびHVE 3**認証)を取得することを目標に定めています。
薬剤使用の制限、水の消費量管理、土壌の生物多様性保全、温室効果ガス排出量の削減を目指し、
ぶどう畑でもカーヴでも複数のプロジェクトが相互に補完し合っています。
2021年におけるプロヴァンスワインの環境指数
BIO (AB) 認証*を受けている面積
- プロヴァンスワイン全体 17 %
- AOP コート・ド・プロヴァンス 15%
- AOP コトー・デクス・アン・プロヴァンス 25%
- AOP コトー・ヴァロワ・アン・プロヴァンス 26 %
HVE3 認証**を受けている面積
- プロヴァンスワイン全体15 %
- AOP コート・ド・プロヴァンス 14 %
- AOP コトー・デクス・アン・プロヴァンス 6 %
- AOPコトー・ヴァロワ・アン・プロヴァンス 37 %
*ビオ認証は、畑における合成化学製品の使用を禁止し、自然由来の製品の使用のみを認めています。カーヴで使用が認められているのは有機栽培された原材料のみ。添加物や醸造助剤の使用は制限されています。
**最高レベルの環境価値重視認証。生物多様性の保護、殺菌・殺虫剤の使用戦略、施肥と水源の管理についての対策全体を対象として包括的なアプローチを推進することを目的としています。第三段階認証は、農業省により認定された認証機関が発行するもので、結果責任に基き、実際の評価のしきい値を超えていることを保証するものです。
プロヴァンスワイン とは
プロヴァンスワインのぶどう畑は、地中海とアルプス山脈の間に位置し、ブーシュ=デュ=ローヌ、ヴァール、アルプ=マリティムの3県におよぶ約200kmにわたって広がり、コート・ド・プロヴァンス、コトー・デクス・アン・プロヴァンス、コトー・ヴァロワ・アン・プロヴァンスの3つのAOPがあります。
490の独立ワイナリー、61の協同経営ワイナリー、そして100あまりのネゴシアンがプロヴァンスワイン委員会(CIVP)に加盟しています。2020年には、プロヴァンスといえばのロゼ(91%)、赤(5%)、白(4%)あわせて約1億6600万本を生み出しています。