DAIZ株式会社(DAIZ Inc.)のプレスリリース
発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・生産するスタートアップであるDAIZ株式会社(本社:熊本県熊本市、代表取締役社長:井出 剛、以下「DAIZ」)は、株式会社丸井グループ(本社:東京都中野区、代表取締役社長:青井 浩、以下「丸井グループ」)と資本業務提携を行いましたことをお知らせします。本提携により、両社は丸井グループが強みとするブランディングや体験型店鋪などの共創により、植物肉「ミラクルミート」の消費者の認知度向上と植物肉を食す文化の啓蒙を図って参ります。
■本資本業務提携の概要
丸井グループは、2050年に向けたビジョン「ビジネスを通じてすべての二項対立を乗り越える世界を創る」を掲げ、それを実現するために、小売、フィンテックに未来投資(スタートアップ企業や新規事業への投資)を加えた共創を基盤とした三位一体のビジネスモデルでさらなる企業価値の拡大を目指しています。また、中期経営計画では、利益とインパクトの両立をめざしており、今後の経営に収益性とサステナビリティの視点は欠かせないものとなります。今回の資本業務提携は、未来投資の切り口の一つである「サステナビリティ」を追求するものであり、将来世代の未来を共に創ることをめざした取り組みです。さらに、「フードテック」は新しい分野であるため、顧客と商品が出合い・体験できるショーケースとして丸井グループのリソース活用によるシナジー効果も期待できます。
DAIZは植物肉事業を本格的に開始した2020年より、大手食品メーカーや小売・流通企業との取引を主に事業を拡大させてきました。しかし、植物肉を食す文化をスタンダードなものにするには、消費者への認知度向上が必要不可欠であるため、DAIZは自社ブランドで植物肉メニューを開発し、2021年秋よりスーパーなどを通じて販売を拡大させています。更なる認知度の向上と植物肉市場の拡大を牽引するべく、植物肉「ミラクルミート」を体験できるタッチポイントの創出・ブランディング強化を目指し、この度の丸井グループとのコラボレーションが実現しました。
● 植物肉「ミラクルミート」のブランディング強化
○ 各種企業コラボや体験型イベントなどの共創実績を活かしたコンサルティング
○ Z世代に対する訴求や商品開発
● 丸井グループのリソースを活用した植物肉「ミラクルミート」の販売促進
○ 年間2億人が来店するマルイ店舗にて体験型店舗の設置
○ 700万人を超えるエポスカード会員に向けたマーケティング
○ 小売ノウハウの提供や接客支援
■丸井グループ 代表取締役社長 青井 浩様より本提携に対するコメント
このたびの出資をきっかけにDAIZ社と協業をスタートできることをうれしく思っております。また、数ある候補の中から当社を選んでいただいたことに心から感謝を申し上げます。当社では2050年に向けたビジョンの中で、ビジネスを通じた脱炭素社会の実現をめざしています。そのために、エポスカードを通じたお客さまへの再エネ利用のおすすめなどを進めてまいりました。一方で、エネルギーへの取り組みでは脱炭素の25%しか解決できないという「75%問題」にどう対処すべきかという課題が残されていました。そうした中、お客さまの生活において重要な「食」の分野に取り組みたい、という思いが高まり、有力なパートナーを探しておりました。
DAIZ社とのパートナーシップは私たちの夢で、その夢がこのたびかないました。微力ながら、私たちがこれまで消費者と直接向き合う中で培ってきたノウハウを通じた「ミラクルミート」のブランディングや、店舗をショーケースとして活用することで、お客さまに植物肉を体験する場を提供するなど、さまざまな協業を通じてDAIZ社が消費の代替、未来のライフスタイルを提案するブランドとして世界に飛躍されるお手伝いをしたいと思っております。
■DAIZ代表取締役社長 井出 剛よりコメント
丸井グループ社と資本業務提携が出来ましたことを大変嬉しく思っております。DAIZは独自技術の〈落合式ハイプレッシャー法〉を核とした、いわば技術特化型のフードテックベンチャーです。そのため我々が渾身の力で開発した「ミラクルミート」に込められたメッセージや持続可能な社会づくりに向けたミッションなどの発信が課題として残っていました。ブランディングを強みとされる丸井グループ社との提携を通して、日本における植物肉の認知度の向上と、まだ一度もミラクルミートを手にしたこのない消費者との出会いが大きく前進することを期待しております。
■サステナブルな世界の実現に寄与する植物肉
昨今、地球温暖化が私たちにとって大きな課題となっています。地球温暖化は、二酸化炭素・メタン・一酸化炭素・フロンなどの温室効果ガスが原因と言われています。温室効果ガスの最も大きな排出源は電力(火力発電など)ですが、同等に大きな排出源となっているのが、農業・畜産業*1です。世界で飼育されている15億頭もの牛による二酸化炭素や腸内ガス(メタン)の排出が温室効果ガスの大きな要因となっており、私たちの食生活の見直しが求められています。
牛・豚・鶏に次ぐ新たなお肉として注目されている植物肉は、温室効果ガスの排出を抑える効果の高い植物性食品です。地球温暖化を防ぐため、私たちが今からでもできることは、なるべく地球にやさしい植物肉を食生活に少しずつ取り入れることです。DAIZは植物肉「ミラクルミート」の普及を通じて、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」の達成とサステナブルな世界の実現に向けて貢献して参ります。
*1 IPCC「Global Greenhouse Gas Emissions Data」より。
■DAIZの発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」について
2050年までに地球上の人口は100億人に達すると予測されています*2。世界的な人口増加と新興国の経済成長により、2030年にはタンパク質の需要に供給が追い付かなくなる「タンパク質危機」が起こり、タンパク質の需給がひっ迫することで、これまで以上に食肉価格の高騰が予想されています。そこで、「植物肉」が代替タンパク質として注目されており、その市場は世界で9兆円を超えると見込まれています*3。
植物肉が、牛肉・豚肉・鶏肉と同じように食卓に並ぶ時代が到来しています。
これまでの植物肉に使用されてきた主原料は大豆搾油後の残渣物(脱脂加工大豆)であったため、①味と食感に残る違和感、②大豆特有の青臭さや油臭さ、③肉に見劣りする機能性(栄養価)といった課題が残っており、本格的な普及の妨げとなっていました。
DAIZの植物肉は、原料に丸大豆を使用しています。さらに、独自の発芽技術によって、これまでの課題を解決する植物肉「ミラクルミート」の開発に成功しました。
<DAIZの植物肉「ミラクルミート」の特徴>
特徴1.原料に丸大豆を使用
これまでの植物肉は、大豆搾油後の残渣物である脱脂加工大豆を主原料としていましたが、DAIZの植物肉「ミラクルミート」は原料に丸大豆を使用しています。さらに、オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みを無くし、異風味を低減しています。
特徴2.旨味や栄養価を増大、肉様食感を再現する独自技術
味や機能性を自在にコントロールするコア技術「落合式ハイプレッシャー法」*4で大豆を発芽させ、旨味や栄養価を増大させます。その発芽大豆をエクストルーダー(押出成形機)*5にかけ、膨化成形技術*6により、肉のような弾力と食感を再現しています。これらの独自技術により、異風味を低減した植物肉「ミラクルミート」を生産しています。
特徴3.独自製法による価格競争力
旨味や栄養価が増大した発芽大豆を使用しているため、他の原料や添加物を何も足さずして、植物肉原料が完成しています。発芽タンクを用いた独自の製造プロセスにより、原価低減を実現し、牛肉・豚肉・鶏肉に対し、価格競争力があります。
▲DAIZの植物肉「ミラクルミート」の製造工程
*2 国連推計「世界人口推計2019年版」より。
*3 UBS調べ。
*4 大豆の発芽中に酸素・二酸化炭素・温度・水分などの生育条件を制御し、酵素を活性化させることで遊離アミノ酸量が増加し、素材の旨味を引き出す栽培法。(特許第5722518号)
*5 食品加工時に使用する装置。材料に水を加えながら、高温下で圧力をかけ押し出すことにより混練・加工・成形・膨化・殺菌等を行う。
*6 特許申請準備中。
■会社概要
商号:株式会社丸井グループ(https://www.0101maruigroup.co.jp/)
代表者:代表取締役社長 青井 浩
所在地:〒164-8701 東京都中野区中野 4-3-2
設立:1931年2月17日
資本金:359億20百万円
事業内容:小売事業、フィンテック事業をおこなうグループ会社の経営計画・管理など
商号:DAIZ株式会社(https://www.daiz.inc/)
代表者:代表取締役社長 井出 剛
所在地:〒860-0812 熊本県熊本市中央区南熊本五丁目1番1号 テルウェル熊本ビル4階
設立:2015年12月1日
資本金:12億9,025万円(累計資本調達額:38.5億円)
事業内容:発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」の開発・生産及び販売
発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を用いた食品の開発・生産及び販売