FromプラネットVol.97<鍋料理に関する意識調査>

株式会社プラネットのプレスリリース

 国内1,300社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット (所在地:東京都港区、代表取締役社長:田上正勝)は、消費財や暮らしにまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第97号として、鍋料理に関する意識調査の結果をご紹介します。
バックナンバー https://www.planet-van.co.jp/news/from_planet.html
 

  • 男性にとっては“団らん” 、女性にとっては“お助けメニュー”

 11月7日は鍋の日。秋の深まりとともに、鍋物を食べる機会が増える人も多いと思います。今回は、鍋料理についてアンケートを行い、誰に取り分けてほしいかや、よく買う鍋の素のタイプなどをまとめました。
 まずはどんなときに鍋料理を食べたいと思うかを聞きました。やはり最も多かったのは、「寒いとき(温まりたいとき)」83.1%。次いで、「野菜をたくさん食べたいとき」42.5%、「家族・パートナーとの団らんに」38.4%という結果でした。男女差に注目すると、最も差が大きかったのが「野菜をたくさん食べたいとき」の18.2ポイント(以下、pt)差。次いで、「献立が決まらないとき」(17.8pt差)、「節約メニューにしたいとき」(10.2pt差)で、いずれも女性が男性を上回りました。反対に男性のほうが数値が高かったのは、「家族・パートナーとの団らんに」(0.7pt差)、「気のおけない友人と集まるとき」(3.5pt差)、そして「贅沢な食材を食べたいとき」(3.3pt差)。女性で高い「節約メニューにしたいとき」と、男性のほうが上回った「贅沢な食材を食べたいとき」は、正反対の項目。特に「節約メニューにしたいとき」については、女性16.9%、男性6.7%で、女性の数値は男性の2倍以上でした。女性にとって鍋料理は「献立が決まらないとき」や「節約」したいときに重宝する“お助けメニュー”。これに対し、男性にとっては「贅沢な食材」や親しい人との「団らん」を象徴する存在のようで、かなりのギャップがうかがえました。

 

  • 女性は一緒に食べる相手を選ぶ?

 次に、誰と鍋料理を食べることが多いかを聞きました。すると、「家族で」58.4%、「配偶者・パートナーと」44.7%、「ひとりで(ひとり鍋)」23.0%という順になりました。「ひとりで」は女性では21.5%、男性では24.0%。女性では5人に1人以上、男性では4人に1人近くが“ひとり鍋”をしていることがわかりました。
 男女差に注目すると、「家族と」以外のほとんどの項目で、男性が女性を上回っていました。男性は「趣味の仲間と」「同僚と」など、多様なシーンで鍋料理を食べていることがうかがえます。一方、女性は「家族と」が男性より8.0pt上回り、また「友人と(同性のみ)」と「友人と(異性含む)」の差も4.2pt。男性に比べると、より身近な相手と鍋料理を食べる傾向があるのかもしれません。

 

  • 会社役員・経営者鍋の中身は違う?

 鍋料理を食べたいのはどんなときかを聞いたはじめの調査の結果を職業別に見ると、表3のとおり。「野菜をたくさん食べたいとき」「献立が決まらないとき」は「専業主婦(主夫)」で圧倒的に高く、また「寒いとき(温まりたいとき)」「節約メニューにしたいとき」も「専業主婦」が最も高くなっていました。女性が多いことを反映していると考えられそうです。
 一方で、「贅沢な食材を食べたいとき」は「会社役員・経営者」の14.7%が最も高く、他の職業では1ケタのところ、約15%が回答していました。「会社役員・経営者」は、「家族・パートナーとの団らんに」「気のおけない友人と集まるとき」でも、他の職業に比べて最も高く、また「鍋パーティーをしたいとき」も「学生」に次ぐ高さ。「会社役員・経営者」の人が、人とのコミュニケーションを求めて鍋を囲んでいることがうかがえます。その鍋の中身は高級食材が期待できそうですね。

 

  • やっぱり女性に取り分けてほしい”が男性の本音? でも現実は

 グループなどで鍋を囲む時間は楽しいひとときですが、料理の取り分け方には気を遣うものです。そこで、鍋を食べるとき、実際に誰が取り分けることが多いか(表4)、また、希望としては誰に取り分けてほしいか(表5)を尋ねました。すると、いずれについても「各自が、自分の分を取り分ける」が圧倒的多数を占めました。たしかにそれがいちばん気を遣わずに済みます。しかし、男性と女性とでは微妙な差が見られました。実際に誰が取り分けているかを聞いた結果では、「各自が、自分の分を取り分ける」が女性では78.1%なのに、男性では8.5pt低い69.6%。そして、誰に取り分けてほしいかの結果では、「各自が、自分の分を取り分ける」が、男性では67.4%なのに女性では84.0%で、女性が16.6pt上回っていました。女性の“自分のことは自分でやって”という声が聞こえてきそうです。反面、女性に比べて男性で高かったのが、「特定の人ではなく、皆が交代で取り分ける」と「特定の女性が取り分ける」。特に「特定の女性が取り分ける」は、“現実”の結果では11.0%でしたが、“願望”では17.2%と、6.2pt高くなっていました。
 誰に取り分けてほしいかの結果を性年代別に見ると、いずれの年代でも男性は女性に比べ、「特定の女性が取り分ける」が高くなっていました。最も高かったのは70代以上男性の20.3%、次いで60代の19.3%、そして20代の17.3%。実は20代男性では、実際に誰が取り分けているかの結果で、「特定の男性が取り分ける」が「特定の女性が取り分ける」と同じ15.3%。他の年代と違って、男性も女性と同程度取り分けているのです。その20代男性も、本音では“女性に取り分けてほしい”願望があることがうかがえて、興味深い結果でした。


 

 

  • 若年層鍋の素は必須 30代では54%が個別包装タイプを使用

 自宅で鍋料理を作る人に、市販の鍋の素(鍋つゆ)を使うかどうかを聞きました(表6)。すると「ほぼ毎回」が34.7%、「2〜3回に1回程度」が17.9%で、この2つを合わせた“2〜3回に1回以上”計は52.6%と、半数超。一方、「鍋の素は使用していない」は26.5%で、逆算すると、4人に3人近くが鍋の素を使用していると言えます。
2016年の調査の結果(出典:FromプラネットVol.48 https://www.planet-van.co.jp/shiru/from_planet/vol48)では、「ほぼ毎回」が32.2%、「2〜3回に1回程度」が18.6%で、“2〜3回に1回以上”計は50.8%。今回と比較すると、鍋の素を使用する人が増加傾向にあることがわかります。性年代別に見ると、鍋の素を使用する頻度は高齢層では低く、若年層に多い傾向が明らかでした。
 さらに、よく買う鍋の素のタイプを尋ねました(表7)。最も多かったのは「3〜4人パック(濃縮つゆ・ストレートつゆ)」48.9%で、約半数が回答。次いで多かったのは「個別包装(固形・顆粒・粉末)」23.3%、「個別包装(濃縮ポーション)」16.0%という順でした。
 男女別では、女性では「3〜4人分パック」が57.6%で、男性の42.0%より15.6ptも高くなっていました。女性のほうが家族で食べる鍋料理を作ることが多いためと考えられます。反対に男性では、「個別包装」の2項目を合わせた“個別包装”計が44.3%と、女性の32.9%を11.4pt上回っていました。男性のほうが“ひとり鍋”や人数不特定で食べる機会が多かった結果(表2)と一致していると言えそうです。性年代別に見ると“個別包装”計は、30代男性で54.6%と最も高く、次いで20代男性の47.8%、そして、70代以上女性の47.1%でした。「個別包装」タイプの鍋の素が、配偶者と死別するなどして単身になった高齢層にも重宝されている様子がうかがえます。

 

  • 鍋の素ランキング…ごま豆乳鍋、寄せ鍋、キムチ鍋に続くブームは?

 実際にどんな鍋の素が売れているのか、売れ筋ランキングを調べました(表8)。すると、750g(3〜4人分パック)のものが上位を占め、トップ20のうち12点が3〜4人分パック(750g、800g)でした。表7の結果とも一致しています。一方、“ひとり鍋”や人数調整に便利な個別包装タイプのものも7点ありました。1〜3位のアイテムは2016年調査時のランキング(出典:FromプラネットVol.48)と同一で、定番の強さを見せています。その中で4位に入ったのが新顔「あごだし」のつゆ。違うメーカーの「あごだし」つゆが20位にもランクインしていました。全体として、濃厚な「とんこつ」や“個性派”の鍋を抑え、素材を引き立てすっきり食べられる“本格だし”系つゆが引き続き人気を伸ばしているようです。

 

  • 鍋のを使って別鍋に “鍋奉行も引退の年?…鍋料理にまつわるエピソード

【鍋、わが家流】
● わが家では、豚肉ときのこ類、キャベツ1個分を使い、陶製の鍋で水を使わずに蒸し焼きにして、りんごとレモンを使った特製タレで食べる鍋料理が好評です。(男性・70代以上)
● 実家のすき焼きは中盤からうどんを入れて、しみしみのすき焼きうどんを作って食べるのが定番。(女性・20代)
● 娘や孫が来て鍋パーティーをするときは、それぞれ好みが違うのでテーブルに鍋が3つ並ぶことがある。私は全部好きなのでいろんな鍋が食べられて得した気分になる。ただし作るのと後片づけは大変です。(女性・60代)

【鍋の素は使う? 使わない?】
● 以前は決まった鍋ばかりだったが、鍋の素が登場してからいろんな鍋にチャレンジしている。(男性・30代)
● 鍋の好みが微妙に夫と合わないので個別のポーションで別鍋にすることが増えました。(女性・50代)
● 素材の味を楽しむようにしたいのでしょうゆや塩、昆布やカツオでだしを取って作ります。(男性・70代以上)
● いろいろ鍋の素を使ったが、やっぱり素材の味を生かした水炊きに戻ってしまうので使いません。(女性・30代)

【余った鍋、鍋の素の活用術】
● すき焼きの残りは、翌日肉じゃがにする。(女性・40代)
● みそとブレンドしてリッチなおみそ汁に。野菜やお肉のだしが効いてとってもおいしいです!(女性・40代)
● 鍋の素が余ったら炊き込みご飯のもとにする。これは大変おいしいです。(女性・50代)

【鍋のマナーと“取り分け”問題】
● 会社の飲み会の幹事になったとき、先輩から、鍋は直箸を使うからやめたほうがいいと言われた。(女性・40代)
● 取り箸を使わない人と食べるのは苦手。直箸を鍋に突っ込まれて食欲がなくなったことがある。(男性・60代)
● 好きなものを早く食べてしまい、ほかの人の分がなくなって怒られた。(男性・70代以上)
● 自分勝手に取ると早い者勝ちになるので、女性がみんなの分を取り分けてくれるのがいい。(男性・70代以上)
● 結婚したころは優しく取り分けてくれましたが、今は子どもの分だけ。自分の分は自分で取って、みたいな無言のプレッシャーがあります。(男性・50代)

【鍋奉行は父親の役目?】
● 鍋のときは、妻も娘も食べるだけで何もしません。私は決して鍋奉行ではないのですが、材料のつぎ足し、火加減の調整、取り分けまで全部私がやるので、落ち着いて食べられません。(男性・50代)
● 鍋料理では、主人がすべて仕込み、取り分けなどをしてくれるのでとても助かっています。(女性・40代)
● 鍋奉行も引退する年になったようで…。子どもが50歳では出る幕はなくなった。(男性・70代以上)

 鍋料理にまつわるエピソードを教えてもらいました。各家庭流定番の食べ方や余った鍋料理の活用法など、たくさんの回答が寄せられました。鍋の素は使わずに素材の味やだしの取り方にこだわる人、逆に鍋の素のおかげで鍋料理の幅が広がった人、とさまざま。ふだん料理をしないお父さんが鍋のときだけ主導権を握る…というのもよくある風景のようです。それぞれに鍋を囲むあたたかい食卓のイメージが浮かんできました。鍋料理のおかげで、寒さが増すこれからの季節も楽しみにできそうですね。

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