あさ出版のプレスリリース
驚きの発想と仕組みとは?
社員も当然忙しいはずですが、「きん太」には、なんと全社員が毎年「7日間連続休暇」をとる制度があります。これは、有給休暇の消化日数が年6.7日と全業種で最下位(※)の飲食サービス業では異例の仕組みです。
※厚生労働省「令和2年就労条件総合調査の概況」労働者1人平均年次有給休暇の取得状況より
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/20/dl/gaikyou.pdf
なぜ、「きん太」では、7日間連続休暇が実現できるのか、金原章悦社長(株式会社テイル代表取締役)に著書『働きやすい会社の仕組みのつくり方』から解説をしてもらいました。
●店舗の全面改装のタイミングを活用
きっかけは、総本店の全面改装でした。この改装工事を利用して、社員に長期休暇を与えることにしたのです。
全面改装するにはおよそ2カ月(8週間)程度かかります。その間、その店舗は休業となり、そこで働く社員や一部のパート・アルバイトは一時的に別の店舗に配置。
それでも1店舗が稼働しないため、人員に余裕が出ます。その状態を利用して、社員に長期休暇を与えることができるわけです。
そこで、総本店の2カ月間の改装工事中、週ごとに人数を決めて、7日間の長期休暇を取得させることにしました。1週目はAさん、Bさん、Cさん、2週目はDさん、Eさん、Fさん……という具合です。その結果、2カ月で社員全員が7日間の連続休暇を取得することができました。
この「全面改装」に「7日間連続休暇」を組み合わせる方法は、さまざまな効果をもたらしてくれました。
●連続休暇をとらせて社長が気づいたこと
店舗が綺麗、かつ明るくなり、お客様にとってさらに来店しやすくなり、この改装以後、売上がアップしました。この全面改装には1億円を投資したのですが、結果的にはその投資に見合うだけの利益を出し続けてくれています。これが1つ目の大きな効果です。
また、7日間の休暇をとることで、社員に十分なエネルギーをチャージしてもらえる効果もあります。実際、休暇明けの彼らの表情を見ると、とても満足しているように見えます。
さらに、私自身は、幹部を一人ずつ7日間休ませても意外と会社の運営がうまくいくことがわかった。実施前は「会社がまわるのか」と不安でしたが、実際に行ってみるとうまく運営されていることに気づかされました。
店舗が一新したことで売上が上がり、大切な社員たちにもゆっくり休んでもらえ、復帰後はモチベーションもアップして……と、全面改装+7日間連続休暇のセットは、一石二鳥どころか、三鳥、四鳥……とたっぷりの効果をもたらしてくれたわけです。
●社員が働きやすい会社だとお客様が満足してくださる
7日間連続休暇は、2010年から社員教育に取り組んできているからこそ実現できました。当社の社員教育はアルバイト・パートも対象です。これまで累積で2億円の費用を投じてきました。それによって仕事の効率化、均一化が進み、社員やパート・アルバイトたちの店舗運営のスキルも向上していったのです。
これからも、働きやすさを実現するさまざまな仕組みをつくり、実行していきます。
※書評・著者インタビュー、専門家出演等のご検討をいただけましたら幸いです。
【著者プロフィール】金原章悦(かねはら・しょうえつ)
株式会社テイル代表取締役社長
1968年、京都府出身。京都西高卒業後、京都市内の老舗お好み焼店どんぐりに入店。2年間の修業後、1988年、20歳にて、お好み焼・鉄板焼「きん太」を創業。
1997年、「日本一のお好み焼屋」になることを目指し株式会社テイルを設立。
「きん太」は関西を中心に京都・大阪・奈良・愛知で合計25店舗の人気チェーン。5年間で8割が閉店に追い込まれるといわれる外食業界のなかで、2013年以降、8年間連続で毎年既存店10%の売上アップを記録し、大きな注目を浴びている。
自身は、京都西高時代に甲子園出場を果たし、2008年、京都滋賀オープンゴルフ選手権にてプロアマ戦に出場、ローアマを獲得するなどユニークな経歴でも知られる。
家族は、6人の子どもに恵まれ4女2男。京都府城陽市在住。
【書籍概要】『働きやすい会社の仕組みのつくり方』
働きやすい会社の仕組みのつくり方
著者:金原章悦
価格:1,650 円 ( 税込) 268ページ
発売日 2021 年 10 月 18 日
ISBN 978-4-86667-295-3
http://www.asa21.com/book/b583493.html