メルシャン八代工場が「令和3年度循環型社会形成推進功労者環境大臣表彰」を受賞

キリンホールディングス株式会社のプレスリリース

 メルシャン株式会社(社長 長林道生)の八代工場(工場長 藤田康範)は、家畜飼料として焼酎粕を活用する取り組みが評価され、2021年10月20日(水)に発表された環境省主催の「令和3年度循環型社会形成推進功労者環境大臣表彰」を受賞しました。

 「循環型社会形成推進功労者環境大臣表彰」は、循環型社会の形成の推進に資することを目的とし、2006年に環境省によって設けられた制度で、廃棄物の発生量の抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)に顕著な功績があった個人、企業、団体を表彰するものです。
 当社は過去、八代工場で焼酎の製造過程で生じる蒸留残さである焼酎粕を焼却処理していましたが、2015年より焼酎粕の一部を熊本県内の養豚業者に給餌飼料として提供開始しました。その結果、2015年~2020年の6年間で7,158トンの焼酎粕を家畜飼料として利用いただき、八代工場からのCO2排出量は222トン低減され、養豚農家の飼料コストも低減されました。
 また、2019年10月には、当社、ならびにキリンホールディングス株式会社R&D本部キリン中央研究所(所長 吉田有人)、さらに東京大学の共同研究により、世界で初めて焼酎粕が豚のストレスを低減し、肉質を向上させることを解明しました。※1この研究成果は日本養豚学会より、「若手優秀発表賞」を受賞しています※2。
 今回は、これらの取り組みを通じて、当社が焼酎製造の副産物である焼酎粕の有効活用により新たな可能性を広げ、循環型社会の形成に貢献していることを評価いただきました。
 ※1 タイトル:Distillation remnants of shochu, a traditional Japanese liquor, improve pork meat quality by reducing stress.
    タイトル(日本語訳):焼酎粕は豚のストレスを低減することで肉質を改善する
    著者:阿野泰久1)、李俊佑2)、城本崇広3)、栗原大治3)、西村亮平2)、中山裕之2)、桑原正貴2)
    著者所属:1)キリンホールディングス 、2)東京大学、3)メルシャン
    雑誌名:Food Chem、DOI番号:10.1016/j.foodchem.2020.126488.
 ※2 日本養豚学会第111回大会若手優秀発表賞 キリンホールディングス株式会社 阿野泰久

 キリングループでは、長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」や、社会と価値を共創し持続的に成長するための指針「キリングループCSV※3パーパス」のもと、持続可能な地球環境を次世代につないでいくことを目指しています。当社は、焼酎粕の有効活用により、「事業活動由来の環境負荷の低減」と「健康増進が期待できる安価な家畜飼料という新たな価値の提供」を同時に実現し、CSVを実践することでお客様や社会全体の幸せな未来実現に向けて貢献していきます。
 ※3 Creating Shared Valueの略。お客様や社会と共有できる価値の創造
 

●循環型社会形成推進功労者環境大臣表彰について
<概要>
・当社の受賞日:2021年10月20日(水)
・受賞者名:メルシャン株式会社 八代工場

<受賞理由>
・2015年から焼酎製造時に発生する蒸留残さ(焼酎粕)を熊本県内の養豚農家と協力して給餌飼料として利用を開始。これらの取り組みにより、2015年からの6年間に7,158トンの焼酎粕を餌として再利用し、CO2排出量の削減にも寄与した点。
・キリンホールディングスや東京大学との共同研究を通じ、麦焼酎粕が豚の肉質向上につながることを解明し、飼料コストの低減ばかりでなく肉質向上へとつなげている点。
 

●メルシャン八代工場について
メルシャン八代工場は1939年にアルコールの生産拠点として操業を開始し、1963年より本格焼酎を製造しています。特に焼酎については、地元を代表する酒蔵でありたいという願いを込めて製造場を「八代不知火蔵※4」と命名し、唯一無二の焼酎造りにこだわった製品を生み出しています。代表的な銘柄は柔らかく、まろやかな味わいの「白水」シリーズです。
※4 八代海は別名不知火海とも呼ばれ、陰暦七月末ごろの夜、無数に見える火影(蜃気楼の一種)が浮かぶ海として有名で、その八代海が望める酒蔵という意味

 「八代不知火蔵」は、これからも豊かな自然に恵まれた八代の地から、皆さまの暮らしに生かす価値を発信し、地域の発展に貢献していきます。

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