新常態で伸長した「パーソナルユース需要」へ対応し、山形工場・長崎工場に50億円を設備投資 2024年度売上高 300億円を目指す

株式会社ニチレイフーズのプレスリリース

 株式会社ニチレイフーズ(代表取締役社長:竹永雅彦)は、ニチレイグループの中期経営計画 「WeWill 2021」(2019~2021年度)に掲げる「持続可能な成長」の一環として、コロナ禍で加速した「パーソナルユース需要」を取り込み、さらに次期中期経営計画に向けて市場を牽引するべく、山形工場・長崎工場に合計約50億円の設備投資をします。山形工場には個食生産ラインを、長崎工場には今川焼を主体とした軽食・スナックラインを導入します。2024年度には、「パーソナルユース商品(※)」の売上高合計で300億円を目指します。
 ※パーソナルユース商品とは以下を指します。
  ・1人前規格の主食・主菜
  ・片手で食べることができる軽食メニュー

 

■冷凍食品パーソナルユース需要の見立て
 国内では、中長期的に続く「女性・高齢者の就業率の高まり」や「世帯の少人数化、単独世帯の増加」等の社会構造変化を受け、家庭内で食事を素材から調理せずに加工食品や惣菜・外食などを活用する「食の外部化」が進展しています。

国立社会保障・人口問題研究所『日本の世帯数の将来推計全国推計 』 (2018 年推計 より 作成

 2020年より継続するコロナ禍の「巣ごもり需要」においては、生活者に冷凍食品の価値を広く認識いただき、今年度上期の家庭用冷凍食品マーケットは前年比104.2%(※)と伸長しました。テレワーク時の昼食を筆頭に、家庭内での喫食機会が増える中、パーソナルユース需要により「スナック類」や「おかず類」、「米飯類」等の市場が拡大しました。外食業態では、外出自粛等の影響からテイクアウト・デリバリーへの転換が相次ぎ、個食タイプを中心とするパーソナルユース需要を喚起しました。
 今後も、テレワークが一定程度定着することや単独世帯、とりわけ高齢者単独世帯の増加などを背景に、あらゆる業態において、パーソナルユース需要はさらに伸長すると見込まれます。
 当社では、伸長する需要に向けて積極投資し、家庭用・業務用ともに商品を投入することで、2024年に当社売上高を300億円規模へ拡大してまいります。
※インテージSCI冷凍調理品+冷凍農産品「店頭売り(60代まで)_100人当たり購入金額」より、期間:2021年4月~2021年9月

■山形工場設備投資の背景
 家庭用(内食)では、レンジ調理のみで「1食」が完結する冷凍食品の需要増が想定されます。また、業務用(中食・外食産業)においては引き続き、「人手不足」などの問題があります。「食の外部化」の進展に伴いニーズがさらに多様化していく中、簡便調理で様々なメニューを提供できる個食タイプの冷凍食品の活用が見込まれます。

【山形工場の主な特徴】
 (1)様々なカテゴリー・業態に対応するフレキシブルライン
 山形工場新ラインは、「主食」と「おかず(複数の具材)」をセットできるように設計され、また容器の形状等も複数対応することができるフレキシブル性を有しています。そのため、主食・おかず・容器等の組み合わせによって、家庭用商品だけでなく、惣菜や給食、個食の喫食場面のある外食向けなどあらゆる業態に向けて、さまざまなメニューの製造が可能です。
 (2)簡便調理に加え、見映え・栄養バランスに配慮し、「人手不足」課題へ対応
 新ラインで生産できる「1食完結型個食商品」は、簡便調理はもとより、香りや見映えにまでこだわったおいしさ、複数の具材をセットすることで、事業所・福祉給食、ホテル業態向けを中心に、栄養バランスにも配慮することができます。様々なお役立ちで中食・外食産業の課題を解決してまいります。
 (3)「地産地消」の自然エネルギーを活用し、使用電力にかかる「CO2排出量ゼロ」を実現
 今回設備投資する山形工場に加え、既存の山形第二工場を含めた使用電力を、山形県内の水力発電所で発電された電気「よりそう、再エネ電気」に置き換えます。これにより山形工場全体の使用電力にかかるCO2排出量ゼロを実現し、環境に配慮します。
 さらに今後、同工場内に新設する冷凍冷蔵倉庫に太陽光パネルを設置する予定です。

【今回設備投資する山形工場の概要】
 (1)所在地:山形県天童市北目3-3-35
 (2)敷地面積:工場棟(機械棟を含む)約5,800m2 冷凍冷蔵倉庫 約2,100m2
 (3)投資金額:約40億円
 (4)生産能力:約25トン/日
 (5)従業員数:100人程度
 (6)稼働開始時期:2022年2月(予定)

■長崎工場ライン増強の背景
 家庭用「今川焼」シリーズでは、定番商品として『あずきあん』『カスタードクリーム』を販売しており、各々前年比約115%、約110%と高い成長率で伸長しています。今後も成長の見込まれる軽食・スナック類の旺盛な需要に対応するため、長崎工場に新ラインを設置します。定番商品の安定供給に加え、季節ごとに特徴のある商品や人気の高いバラエティ商品を積極的に展開し、お子様からシニアまで幅広くお届けしてまいります。

【長崎工場 軽食・スナックラインの特徴】
 (1)付加価値の高いワンハンドスナック商品への対応
 家庭用「今川焼」シリーズでは、伸長を続ける定番商品『あずきあん』『カスタードクリーム』に加え、本年夏季には『レモン香るクリームチーズ』を販売し、11月には新商品『キャラメルマキアート』を展開しております。また、昨年秋に発売した『片手で食べられるお好み焼』の販売も好調で「甘味スイーツ」以外の需要にも対応しており、来期以降もトレンドを踏まえた新商品の販売を予定しております。
 さらに今後は、具材やソースを複数組み合せるなど、付加価値の高い商品の展開も想定し、軽食・スナック市場の拡大を図ります。
 (2)生産性・生産能力の向上とCO2排出量の低減
 今回の増強により、生産性も高めることで、今川焼類の生産能力は2020年度比130%となります。また、次期中期経営計画期間中には、焼成方式を変更することで、当該ラインにおけるCO2排出量の約30%削減を目指します。

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