株式会社ロッテのプレスリリース
株式会社ロッテは、1948年の創業以来ガムをつくり続け、“噛むこと”に取り組んできました。2018年には、ロッテが人生100年時代、“噛むこと”を通じて世の中に貢献していきたいとの想いを掲げ、新たに「噛むこと研究部」を設立。様々な自治体や研究機関・企業と連携し、皆さまへ最適な“噛む”を提供する活動を行っています。その活動のひとつとして、現在、様々なスポーツチームやアスリートに向けて、トレーニングや試合中に“噛むこと”で選手をサポートしています。
この度、活動の一環として、2021年にもっとも“噛むこと”を広く啓発して活躍したアスリートに贈るアワード「噛むVP」を設立いたしました。本アワードは、日々練習に励み試合で活躍されるアスリートを称えると共に、取り組みを通してアスリートやスポーツ愛好家はもちろん、子どもから大人、おじいちゃん、おばあちゃんまで、多くの方々に“噛むこと”の力がスポーツや健康増進に役立つことを、知っていただく機会になればと思い「噛むVP」として表彰いたします。
この度、活動の一環として、2021年にもっとも“噛むこと”を広く啓して活躍したアスリートに贈るアワード「噛むVP」を設立いたしました。本アワードは、日々練習に励み試合で活躍されるアスリートを称えるとともに、この取り組みを通して、アスリートやスポーツ愛好家はもちろん、子どもから大人、おじいちゃん、おばあちゃんまで、多くの方々に“噛むこと”の力が スポーツや健康増進に役立つことを、知っていただく機会になればと思い「噛むVP」として表彰いたします。
2021年受賞者は、J1リーグ川崎フロンターレ家長昭博選手と、パ・リーグ千葉ロッテマリーンズ中村奨吾選手に決定いたしました。
家長選手は、5年以上前よりガムを噛むことを取り入れて練習や試合に臨まれており、今季通算8得点3アシスト、1試合平均敵陣パス数が42.5回とJ1リーグ1位の成績を残し、所属チーム川崎フロンターレの優勝に貢献されました。
また中村選手も、ウォーミングアップや練習時にガムを噛むことを取り入れており、噛むことで心身ともにリフレッシュできるとコメント。ガムを噛むことが自身のルーティーンにもなっており、今季は全ての試合に出場し、通算9本塁打、67打点78得点と好成績を収め、「2021三井ゴールデンクラブ賞」を受賞。1985年以来の2年連続リーグ戦2位と所属チーム千葉ロッテマリーンズに貢献されました。
家長選手は受賞した感想を「ガムを噛んでいて良かったです(笑)。ガムを噛むと喉が潤っている感じがするので、自分としてはプレーしていてしっくりきます。」とコメント、中村選手も「たくさんのアスリートの中から選んでいただき光栄です。ファンの皆さんが感じた悔しさは僕たちも一緒です。来年も“噛み合うチカラ”で一緒に戦っていきましょう。」とコメントいただきました。
- 川崎フロンターレ 家長昭博選手 インタビュー
Q:受賞した感想をお聞かせください。
A:ありがとうございます。ガムを噛んでいて良かったです(笑)。
ガムを噛むと喉が潤っている感じがするので、自分としてはプレーしていてしっくりきます。
Q:今シーズン振り返ってみていかがですか?
A:短期間でぎゅっと試合が詰まっていて、長く感じたシーズンでした。
いろいろ浮き沈みはありましたが、最終的にリーグ連覇を達成できたので良かったです。
Q:ここ一番で歯を食いしばったシーンや時期はどこですか?
A:ないです。自分はつねに自然体でいることが目標で、歯を食いしばらないことを心がけています。
ガムは噛みますが、歯は食いしばりません。
Q:ファンの皆さんへのメッセージをお願いいたします。
A:いつも応援ありがとうございます。
試合を見ていて面白いと思ってもらえる選手になれるよう頑張ります。
- 千葉ロッテマリーンズ 中村奨吾選手 インタビュー
Q:受賞した感想をお聞かせください。
A:たくさんのアスリートの中から選んでいただき光栄です。
Q:今シーズン振り返ってみていかがですか?
A:目指していたところにあと一歩だったので、充実感もありましたが悔しいシーズンでした。
Q:ここ一番で歯を食いしばったシーンや時期はどこですか?
A:やはりシーズン終盤の優勝をかけた数試合です。
Q:ファンの皆さんへのメッセージをお願いいたします。
A:ファンの皆さんが感じた悔しさは僕たちも一緒です。来年も“噛み合うチカラ”で一緒に戦っていきましょう。
- ※参考※ 噛むことの力とスポーツの関係
●強く噛みしめることで、筋活動量が増加!
噛みしめるときは、咀嚼筋とよばれる筋肉群が働き、その刺激によって脳が活性化します。さらに、その刺激が筋の緊張や運動を調節する脳幹(脳を支える幹のような部分)へと伝わることで、筋肉の動きが強まります。
筋肉は単独で動くわけではなく、力を入れたところとは別に離れている筋肉とも連動することがわかっています。運動生理学では、このように離れた筋肉の活動性を上げることを遠隔促通といい、噛みしめることによってヒラメ筋(ふくらはぎの筋肉)の興奮性が高まることが確認されています。また、強く噛みしめることで
背中、腕などの筋活動量が約7~19%も増加することもわかっています。噛みしめると、体が安定するのでバランス能力が良くなる上、頭部も安定し視線が安定します。
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【噛みしめと筋活動量の関係】
正常な噛み合わせの成人12名(22~38歳)を対象に、噛みしめと筋力との関係性を調べたと結果、 噛みしめと筋活動量は深く関係し、噛みしめないときを100%とした場合、全力で噛みしめた時には筋活動量が増加しました。
※出展:
上野俊明:噛みしめと上肢等尺性運動の関連性に関する研究.口腔病学会雑誌 62:212-253,1995
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●重要なのは「正しい噛み合わせ」と「噛むタイミング」
噛み合わせが悪いと、体が不安定な状態になり、その状態が続くと、次第に筋肉の活動性やバランス機能が低下するだけでなく、頭痛や肩こり、視力や聴力の低下など全身の不調にもつながります。
中学生を対象に、噛み合わせの強さ(噛合力)と運動能力の関係を調べた研究では、噛合力の高いグループは、噛合力の低いグループよりも運動能力が全般的に高いと報告されています。
また、奥歯が噛めない状態だと、背筋力が弱いという報告があるほか、あごの位置がずれている人、噛み合わせる歯の数が少ない人、何らかの不正咬合がある人は直立時のふらつきが大きく、反対にそれらを改善すると、ふらつきがなくなるというデータもあります。
正しい噛み合わせは、思っている以上に重要です。ただし“噛みしめ”は、筋活動を上げるとともに関節を固定するように働くので、適切な強さ、適切なタイミングで“噛みしめ”を行う必要があります。
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【噛み合わせの悪さが歩行に与える影響】
健康な学生40人に、目隠しとヘッドホンをして歩いてもらい、わざと噛み合わせをずらした場合にどうなるかを調べた結果、噛み合わせを5ミリずらしただけでもバランス機能、歩行への影響が認められました。
※出展:
Kawano Y, Nakajima K, Suzuki Y, Nishino M, Matsuda Y,Takeda T, Fukuda K.
Influence of experimentally deviated mandibular position on gait. International of Sports Dentistry 12:39-47,2019
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- ※参考※ ロッテ「噛むこと研究部」の基本活動
“噛むこと”の必要性や、“噛むこと”がもたらす意外なチカラは、科学の進歩によって、明らかになってきています。
また、ガムは一定の強さ、リズムで噛み続けることができる唯一の食品です。
そこで、ロッテ「噛むこと研究部」では、“噛むこと”を最も効果的に体験できるツール=ガムと捉え、様々なアスリートの方々に、ガムを噛むことを取り入れていただき、“噛むこと”で身体の運動パフォーマンスに寄り添い、アスリートのサポートをしてまいりました。
●噛合取組(※1)
東京歯科大学スポーツ歯学研究室・スポーツデンティスト武田友孝教授監修のもと、噛合取組をスポーツチームやアスリートに実施。(噛合取組とは以下❶~❸の一連の取組を指す)
❶口腔健康セミナー
・口腔健康の知識習得
・咀嚼(噛むこと)のさまざまな効果・知見についての講義
❷咀嚼能力測定
・噛合力(噛む力<単位/N:ニュートン>)の測定
・噛合左右バランスの測定
❸噛むトレーニング(トレーニングガム(6ページ目参照)セレクト)
・❷測定結果を基に、形状2種 / 硬度3種 / フレーバー10種=計60種のガムより、カスタマイズガムを製作
・セレクトしたガムを使用して、噛む力トレーニングを推奨・指導
※噛合バランスが左右50:50になることが理想のバランス
噛合左右バランスに応じて、左右いずれかに比重をかけてツールとしてのガムを噛むこと指導
※カスタマイズしたトレーニングガムをアスリート個人専用のプロフェッショナルガム(※3)として提供
●武田友孝教授コメント
アスリートの噛む力に着眼して永年研究を続けています。
その中で選手個々の咀嚼能力に着眼して、噛む力(噛合力)や左右の噛むバランスを重視してアドバイスを行ってきました。
約3年間私が監修している硬さが一定に保たれる特別なガムをツールとして、多くのアスリートに噛むことを取り入れることを提唱してきました。
人によって噛み癖があるので咀嚼能力は左右でバラツキのある人が多いですが、歯学としての考えでは一般的に左右50対50の咀嚼バランスが理想とされています。
ただ咀嚼能力を整えるのにはそれなりに時間がかかります。
今年、噛むこと取り入れておおよそ3年が経過する川崎フロンターレと千葉ロッテマリーンズが好成績を収めているのは、偶然ではないかもしれないですね。
- ※参考※ ロッテ「噛むこと研究部」の研究活動
●アスリート専用 トレーニングガム
一般的なガムは、噛んでいくにつれて、硬さが大きく変化するのに比べ、アスリート専用トレーニングガムは、噛みはじめからの硬さの変化が少ない特別な設計となっています。
噛んでいる間中、しっかりとした噛み応えが続くことで、噛むことのトレーニングに適しています。
また、すべてのアスリートの意向に合わせた硬さのガムを提供するために、ソフト・ミドル・ハードの3段階の硬さのラインナップを準備し、提供を行っています。
20段階(0.5刻み)の食感(硬さ)の評価を専門パネル*1を用いて、80回/1分間のペースで計5分間ガム咀嚼し、6秒ごとに硬さを評価するTI法*2で評価を行った。
*1 ガム官能評価パネルとして訓練した男女7名
*2 経時的な強度変化を評価する官能評価手法
【機器分析による硬さの評価】
万能材料試験機(INSTRON社の6800シリーズシングルコラム)を活用し、ガムの硬さを測定・管理している。
専門パネルの官能評価に加え、機器分析による数値データを活用し、アスリートに合わせた硬さのガムを提供している。
- 東京歯科大学スポーツ歯学研究室・スポーツデンティスト武田友孝教授 プロフィール
■ 武田 友孝(たけだ ともたか)
●所属
東京歯科大学 口腔健康科学講座
スポーツ歯学研究室 教授(歯学博士)
・日本オリンピック委員会 強化スタッフ(医・科学)バレーボール競技、レスリング競技
・全日本スキー連盟競技本部専門委員
・日本スケート連盟医事委員会委員
・日本スポーツ協会公認スポーツデンティスト
・日本スポーツ歯科医学会認定医
・日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツ医
・関東ラグビーフットボール協会登録者障害見舞金審査委員会委員
・千葉県ラグビーフットボール協会 歯科委員会委員長
●略歴
1987年 日本大学大学院歯学研究科修了
1990年 日本大学歯学部補綴学講座 助手
1999年 日本大学歯学部補綴学講座 講師
1999年 東京歯科大学スポーツ歯学研究室 講師
2003年 東京歯科大学スポーツ歯学研究室 准教授
2018年 東京歯科大学スポーツ歯学研究室 教授
●研究テーマ
・マウスガード・スポーツ外傷についての研究
・口腔機能とスポーツパフォーマンスについての研究
●主な受賞
2005年 FDI/Unilever Award受賞
●主な所属学会
日本補綴歯科学会、日本全身咬合学会
日本顎関節学会、日本スポーツ歯科医学会