カリフォルニア・アーモンド協会のプレスリリース
2型糖尿病に関係するメタボリックリスク因子の改善にアーモンドが有益
11月14日は、糖尿病に対する意識、教育および治療の啓発を目的とした世界糖尿病デーです。現在、世界中に4億2,500万人以上の糖尿病患者が存在し(1)、そのほとんどが2型糖尿病です。これらの患者は、心血管疾患とその合併症を発症するリスクが高くなります。1万2,000人を超える2型糖尿病患者を対象に国際糖尿病連合が行った最近の調査によると、3人に2人は心血管リスク因子があるものの、4分の1は心血管リスク因子について医師と話したことがない、または話した覚えがないということが明らかになりました(2)。
調査によると、身体活動量の増加の促進、肥満の解消、食生活の大幅な改善を含むライフスタイルの見直しは、2型糖尿病の管理に役立つだけでなく、2型糖尿病の発症リスクを大幅に低下させ、さらには投薬治療よりも長期的な効果をもたらす可能性があることが示唆されています(3)。カリフォルニア・アーモンド協会が出資して行った複数の調査では、2型糖尿病を持つ人が健康的な食事にアーモンドを加えると、心血管の健康に好影響をもたらす可能性があることがわかりました。
2型糖尿病を持ち、コレステロール値が高い50人のアジア系インド人(4)を対象にした調査では、バランスの取れた食事のカロリーの20%を素焼きのホールアーモンドで代わりに摂取すると、2型糖尿病と関係のある以下の健康指標が大幅に改善することがわかりました。
・腹囲:腹囲の過剰な脂肪と関連する健康リスクの指標
・腹囲身長比:体脂肪の分布指標
・総コレステロール:血中コレステロールの指標
・中性脂肪:心疾患リスクを高める可能性のある血中脂肪の1つ
・LDLコレステロール:動脈に沈着して閉塞の主原因となる悪玉コレステロール
・C反応性たんぱく:体内の炎症指標
・ヘモグロビンA1c:直近2~3か月の平均血糖値の指標
アジア系インド人には2型糖尿病の遺伝的素因があり、上記の結果は、2型糖尿病に関係する心血管リスク因子にアーモンドがさまざまな好影響をもたらすことを示しています。
2型糖尿病を持ち、心臓に配慮した食事をしている33人の中国人を対象にした別の調査では、1日あたり60gのアーモンドを摂取すると、血糖値の維持と心血管疾患因子に対してどのような効果があるかを調べました(5)。アーモンドを加えた食事の方が全体的な栄養価は高くなる一方、いずれの食事(アーモンドあり、なし)でも、期待どおりに血糖値およびほとんどの心血管リスク因子を改善することはありませんでした。しかしながら、2型糖尿病を十分にコントロールしている参加者グループでは、アーモンド摂取者の空腹時血清グルコース値(絶食後の血糖値の指標)が6%低下し、HbA1c(直近2~3か月の平均血糖値の指標)が3%低下したことがわかりました。こうした結果は、健康的な食事にアーモンドを加えると、2型糖尿病をよりよくコントロールしている人の場合、長期的に血糖値が改善される可能性があることを示唆しています。
2型糖尿病のコントロールが不良の21人のアメリカ成人を対象に行ったランダム化対照臨床試験(6) では、12週間にわたって食事に1.5オンス(約43g)のアーモンドを加えると糖尿病および心疾患リスク因子にどのような効果があるかを調べました。アーモンド摂取グループ(n=10、平均年齢57.8歳)の参加者では、アーモンド非摂取グループ(n=11、平均年齢54.7歳)と比較して、心疾患リスクの上昇に関係する炎症マーカーすなわちC反応性たんぱく(CRP)のレベルが30%近く下がりました。炎症は、心疾患、糖尿病およびその他の慢性疾患においてある種の役割を果たすと考えられており、2型糖尿病を持つ人の場合、CRPの上昇は心血管疾患のリスク上昇とつながりがあります5。
総合的に見て、グリセミック指数が低く、腹持ちの良いタンパク質(28g中6g)、満腹感のある食物繊維(28g中4g)、良質の脂肪、およびビタミンE(28g中7.3mg)、マグネシウム(28g中76mg)、カリウム(28g中210mg)などの重要ビタミン、ミネラルなどの栄養素をまとめて摂取できるアーモンドは、その用途の広さだけでなく調理形態の豊富さもあり、2型糖尿病を持つ人が健康的な食事計画を立てるために、賢いスナックの選択肢となるでしょう。
1 International Diabetes Federation. World Diabetes Day 2018-9. https://www.idf.org/e-library/epidemiology-research/54-our-activities/455-world-diabetes-day-2018-19.html
2 International Diabetes Federation. Taking Diabetes to Heart Survey Results. Available at https://www.idf.org/our-activities/care-prevention/cardiovascular-disease/taking-diabetes-to-heart.html.
3 Haw JS et al. Long-term Sustainability of Diabetes Prevention Approaches: A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Clinical Trials. JAMA Intern Med. Published online November 6, 2017. doi:10.1001/jamainternmed.2017.6040
4 Gulati S, Misra A, Pandey RM. Effect of almond supplementation on glycemia and cardiovascular risk factors in Asian Indians in North India with type 2 diabetes mellitus: A 24-week study. Journal of Metabolic Syndrome and Related Disorders.2017:15(2):98-105.doi: 10.1089/met.2016.0066
5 Chen CM et al. Almonds ameliorate glycemic control in Chinese patients with better controlled type 2 diabetes: a randomized, crossover, controlled feeding trial. Nutrition & Metabolism. 2017; 14:51.
6 Sweazea KL, Johnston CS, Ricklefs KD, Petersen CN. Almond supplementation in the absence of dietary advice significantly reduces C-reactive protein in subjects with type 2 diabetes. Journal of Functional Foods 2014: 252-259.
カリフォルニア州のアーモンドについて
カリフォルニア州のアーモンドは、ビタミンEとマグネシウムが特に豊富で、手のひら一杯のアーモンド(約28gまたは23粒)には、タンパク質6g、食物繊維4gが含まれる栄養豊かで健康によい自然食品です。カリフォルニアのセントラルバレーでは6,500人以上がアーモンド栽培に従事しており、セントラルバレーは米国で唯一、アーモンド栽培が商業的に成功している地域です。アーモンドはカリフォルニア州の農作物の中でも第2位という高い販売額を誇り、世界のアーモンドの80%がカリフォルニア産です。カリフォルニア州のアーモンド農場の大半は100エーカー(約40ヘクタール)未満で、約90%が3世代から4世代続くファミリー農場です。1950年にこれらのアーモンド農場がそれぞれの資源を統合して資金を集め、現在のカリフォルニア・アーモンド協会の基盤が築かれました。カリフォルニア・アーモンド協会は、米国農務省が監督する連邦政府の販売規制対象となる非営利団体です。
カリフォルニア・アーモンド協会について
カリフォルニア・アーモンド協会は、米国農務省の監督下にあるアーモンド生産者・加工業者を代表する組織として1950年に設立されました。国内外におけるアーモンドに関する知識の普及と品質管理を使命として、マーケティング、生産過程や環境への取り組みに関する研究、食品の品質・安全性に関する各種プログラムの推進、業界全体に関する各種データの分析と情報提供を主な活動としています。毎年、出荷可能なアーモンドの重量に基づき、生産者からの出資を得て、活動しています。
カリフォルニア・アーモンド協会は、生産とマーケティングに関する調査・研究で、アーモンド生産者を支援しています。1973年以降、アーモンドの生産、品質、安全、栄養、および農業の環境に関する調査・研究に4,200万ドル以上の資金を提供してきました。これらの調査・研究によってさまざまな進化がもたらされ、継続的に改善に取り組む精神が培われた結果、アーモンド栽培の効率と生産性が向上し、価値のある資源に対する管理方法も強化されました。水の効率的な利用、廃棄物の再利用、二酸化炭素排出量削減、蜂の健康などに関するカリフォルニア・アーモンド協会の活動の詳細については、詳細は公式WEBサイトおよびFacebook、Twitter、Instagramをご覧ください。