植物肉スタートアップのDAIZ、タイ大手財閥TOAが立ち上げた植物肉ベンチャーのLOTTOFOODへ植物肉原料として「ミラクルミート」を提供開始

DAIZ株式会社(DAIZ Inc.)のプレスリリース

 発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・生産するスタートアップであるDAIZ株式会社(本社:熊本県熊本市、代表取締役社長:井出 剛、以下「DAIZ」)は、タイ大手財閥TOAが2021年8月に立ち上げた植物肉ベンチャー企業であるLOTTOFOOD (Thailand) Public Company Limited(本社:Bangkok、Chief Executive Officer:Mr. Sitthirat Watcharaporn、以下「LOTTOFOOD」)へ、植物肉原料として「ミラクルミート」を4月より提供開始しましたことをお知らせします。
 LOTTOFOODは「ミラクルミート」を原料に、プライベートブランドとして「TONKATSU(とんかつ)」、「HAMBURG(ハンバーグ)」、「SAUSAGE(ソーセージ)」を製品化し、企業向け・一般消費者向けに販売する事業を開始しました。本件は、DAIZとして初の海外への本格的な提供となります。DAIZは、今後もアジア・欧米などを中心に、現地パートナー企業との協業を通じて、海外展開を積極的に推進して参ります。

■概要
 LOTTOFOODはタイ大手財閥TOAグループのSherwood社(タイ証券取引所上場)とLOTTOFOOD CEOのSitthirat氏が経営するLeafy Queen社によるジョイントベンチャーとして、2021年8月に創業しました。タイにおいて植物由来肉の市場が開花した2021年に植物肉事業に将来を見出し、植物肉由来に特化した事業を開始しました。Sitthirat氏は15年以上タイの食品業界に従事した経験を活かし、TOAのリテール市場集中戦略に則って現在事業規模を拡大させています。
 この度、DAIZの植物肉「ミラクルミート」を原料に使用し、LOTTOFOODブランドとして「TONKATSU(とんかつ)」、「HAMBURG(ハンバーグ)」、「SAUSAGE(ソーセージ)」を製品化しました。これらの商品は飲食チェーン店や小売流通関連企業を対象に販売を開始しており、タイ国内で日本食チェーン店「とんかつ かつや」、「天丼 てんや」、「大戸屋」、「ペッパーランチ」などの店舗を展開するセントラルグループにてトライアル検証段階で、今後採用が決定する見込みです。また、6月には各種SNS・プラットフォームを活用したソーシャルコマースを中心に一般消費者向けの販売開始を予定しています。今後、LOTTOFOOD社はタイ国内のみならずアジア市場へも展開を拡大する予定です。

■両社代表コメント

■LOTTOFOOD CEO Mr. Sitthirat Watcharaporn
 私たちは植物由来肉製品の開発に携わって2年の月日が経ちます。これまで幾つもの植物由来肉を試してきましたが、2021年に田中藍タイランド社を通じてDAIZ社の「ミラクルミート」と出会いました。早速、試作を行ったところ、食感・風味がこれまでの植物由来肉と比較して全く異なるものだという驚きを感じました。DAIZ社の「ミラクルミート」は見た目・食感ともに本来の肉感を持ち、調理後の製品には大豆臭もありません。特に、食感はこれまで試作した他植物由来とは全く異なり、より美味しい差別化された製品を市場に提供できると信じております。
 LOTTOFOODは、DAIZ社の「ミラクルミート」を原料に、伝統的なタイフードや洋食、和食のメニューを開発しました。これらのメニューの試食会を開催したところ、植物由来肉を好むタイ人から絶大な評価を受けました。LOTTOFOODはDAIZ社・田中藍タイランド社と共にタイ市場でミラクルミートを使った製品の開発に勤しみます。特にタイのフレキシタリアンは、常に健康的かつ美味しさを備えた植物由来肉を探求しており、またそれらを兼ね備えた軽食・スナックを食することが彼らの食生活の理想と考えています。LOTTOFOODとDAIZ社・田中藍タイランド社が協働することにより、消費者が期待する製品を提供できることを確信しております。

■DAIZ 代表取締役社長 井出剛
 この度、タイ大手財閥TOA傘下のフードテックベンチャー企業であるLOTTOFOOD社と業務提携が出来ましたことを大変嬉しく思っています。また、仲介して頂きました田中藍タイランド社にも感謝申し上げます。
 DAIZにとりましてタイ市場進出は初めての取り組みとなり、タイの消費者の皆様に植物肉「ミラクルミート」を食してもらう絶好の機会となりました。タイはEUや日本の大手食品会社との合弁企業数が多く、また食肉関係の世界的大手も数多く存在しています。今回のお取り組みを機に、アジア市場進出の足掛かりとさせて頂きたいと思っております。

■サステナブルな世界の実現に寄与する植物肉
 昨今、地球温暖化が私たちにとって大きな課題となっています。地球温暖化は、二酸化炭素・メタン・一酸化炭素・フロンなどの温室効果ガスが原因と言われています。温室効果ガスの最も大きな排出源は電力(火力発電など)ですが、同等に大きな排出源となっているのが、農業・畜産業*1です。世界で飼育されている15億頭もの牛による二酸化炭素や腸内ガス(メタン)の排出が温室効果ガスの大きな要因となっており、私たちの食生活の見直しが求められています。

 また、2050年までに地球上の人口は100億人に達すると予測されています*2。世界的な人口増加と新興国の経済成長により、2030年にはタンパク質の需要に供給が追い付かなくなる「タンパク質危機」が起こり、タンパク質の需給がひっ迫することで、これまで以上に食肉価格の高騰が予想されています。そこで、「植物肉」が代替タンパク質として注目されており、その市場は世界で9兆円を超えると見込まれています*3。

 牛・豚・鶏に次ぐ新たなお肉として注目されている植物肉は、温室効果ガスの排出を抑える効果が高く、同時にタンパク質危機の解決の一助となる植物性食品です。地球温暖化とタンパク質危機を防ぐため、私たちが今からできることは、植物肉を食生活に少しずつ取り入れることです。DAIZは植物肉「ミラクルミート」の普及を通じて、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」の達成とサステナブルな世界の実現に向けて貢献して参ります。

*1 IPCC「Global Greenhouse Gas Emissions Data」より。
*2  国連推計「世界人口推計2019年版」より。
*3 UBS調べ。

■DAIZの発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」について
 DAIZは長年研究してきた独自技術により、従来の植物肉で課題とされていた、①味と食感に残る違和感、②大豆特有の青臭さや油臭さ、③肉に見劣りする機能性(栄養価)を解決し、美味しい植物肉の開発に成功しました。

<DAIZの植物肉「ミラクルミート」の特徴>

特徴1.原料に丸大豆を使用
 これまでの植物肉は、大豆搾油後の残渣物である脱脂加工大豆を主原料としていましたが、DAIZの植物肉「ミラクルミート」は原料に丸大豆を使用しています。さらに、オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みを無くし、異風味を低減しています。
 

 

特徴2.旨味や栄養価を増大、肉様食感を再現する独自技術
 味や機能性を自在にコントロールするコア技術「落合式ハイプレッシャー法」*4で大豆を発芽させ、旨味や栄養価を増大させます。その発芽大豆をエクストルーダー(押出成形機)*5にかけ、膨化成形技術*6により、肉のような弾力と食感を再現しています。これらの独自技術により、異風味を低減した植物肉「ミラクルミート」を製造しています。

特徴3.独自製法による価格競争力
 旨味や栄養価が増大した発芽大豆を使用しているため、他の原料や添加物を足さずして、シンプルな製造プロセスによる生産が実現できています。独自の製造プロセスにより、原価低減を実現し、牛肉・豚肉・鶏肉に対し、価格競争力があります。

▲DAIZの植物肉「ミラクルミート」の製造工程
*4 大豆の発芽中に酸素・二酸化炭素・温度・水分などの生育条件を制御し、酵素を活性化させることで遊離アミノ酸量が増加し、素材の旨味を引き出す栽培法。(特許第5722518号)
*5 食品加工時に使用される機械。材料に水を加えながら、高温下でスクリューで圧力をかけ押し出すことにより混練・加工・成形・膨化・殺菌等を行う装置。
*6 特許申請準備中。

■会社概要
 DAIZは、独自技術「落合式ハイプレッシャー法」をコア技術とした熊本発のフードテックベンチャーです。DAIZが生み出した環境負荷の小さい次世代植物肉「ミラクルミート」の普及を通じて、サステナブルな食文化を啓蒙し、持続可能な社会の実現を目指しております。

商号:DAIZ株式会社(https://www.daiz.inc/
代表者:代表取締役社長 井出 剛
所在地:〒860-0812 熊本県熊本市中央区南熊本五丁目1番1号 テルウェル熊本ビル4階
設立:2015年12月1日
資本金:10億2,508万円 (累計資本調達額:60.5億円)
事業内容:発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」及びその他の植物性食品の開発・生産及び販売

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