株式会社かほくらし社のプレスリリース
山形県河北町の産業を発展させ、河北町の暮らしを支えることを目的に2021年に設立された、地域商社かほくらし社(本社:山形県河北町谷地) は、ものづくりへのこだわりが強いを超えて”ヘンタイ”と呼ばれる地元の生産者たちがつくる特産品をネットで購入できる「かほくらし公式オンラインストア」を、2022年8月1日にグランドオープンしました。
かほくらし公式オンラインストア設立の背景
新型コロナウイルス感染拡大・長期化の影響で、地方では観光客数の減少、首都圏での物産イベント等が中止となり、地域事業者は未だに大きなダメージを受けています。そういった背景から、地方の中小企業のECへの関心は高まっています。しかし、各地域の共通課題である人手不足により、町内の事業者も自社でのオンライン販売まで手が回らないというところが多いのが現状です。
そういった地元河北町の事業者の力になるべく、地域産品の新たな販路開拓の取組みとして通販サイト「かほくらし公式オンラインストア」(https://shopping.kahokurashi.com/) をオープンしました。
これまで山形県河北町とアンテナショップかほくらし(東京三軒茶屋)でしか出会えなかった素敵な商品が、オンラインで全国から気軽に購入できるようになります。
かほくらし公式オンラインストアの3つの特徴
- (1) 本格イタリア野菜に、季節のフルーツ!地域独自の商品を産地直送でお届け
地域商社ならではの強みを活かし、地元生産者や事業者から仕入れた商品をオンラインストアを通して、ワンストップで購入できます。有名シェフも唸る国産イタリア野菜に、フルーツ王国山形の旬なフルーツ、千日をかけて丁寧に育てられる幻の牛肉など。河北町ならではの魅力的な産品を地元生産者から仕入れ、お届けする仕組みです。新鮮かつお手頃な価格で商品をお求めいただけます。
他にも、「B1グランプリ上位入賞のかほく冷たい肉そば」、「全国新酒鑑評会で金賞を何度も受賞している地酒」、「生産量日本一を誇るスリッパ」など、地域独自の産品を取り扱えるのも地域商社が運営するECサイトの大きな特徴です。
- (2)地域商社ならではの強みを活かし、特別なセット商品もご用意!
河北町は小さな町である利点を活かし、生産者・事業者同士が互いに協力し、それぞれの仕事を支えあいながら、素敵なモノを生み出しています。オンラインストアでは、そんな地域の営みを感じていただきたく、こだわりの事業者さん同士のコラボ商品を開発しています。このサイトでしか買えない限定セット商品を楽しんで頂きながら、町内事業者さん同士の横の連携を強化できればと思います。
https://kahokurashi-online-shop.com/item-detail/1054440
山形県河北町産 桃【おどろき】セット(3kg)
https://kahokurashi-online-shop.com/item-detail/1194222
河北町アンテナショップかほくらし(東京三軒茶屋、以下、アンテナショップ)では、引き続き、顔が見える距離でお客様に河北町のいいものをお届けする一方で、オンラインストアでは、アンテナショップで購入できない層までリーチできる利点を生かし、東京以外からも河北町の商品を届けていきたいと考えています。
- (3)まるで河北町を巡るかのように、特産品を購入できるオンラインストア。こだわりの品々の裏側にある、河北町の生産者の熱い想いについてのストーリーも充実。
町を支えるのは、熱い想いで日々ものづくりに励む、それぞれの分野を極めた生産者や事業者(自称「ヘンタイ」)の皆さん。かほくらしWEBサイトでは、そんな河北町のヒトに焦点を当てた、商品の裏側のストーリーを読み物として楽しんでいただけます(かほくらし ジャーナル https://kahokurashi.com/magazines/)。そういったストーリーへの共感から、河北町への関心を持っていただき、商品購入への導線をつくっていく狙いです。
河北町にいる自称ヘンタイの方の一部をご紹介
- 【いい土壌から、こだわりの産物を届ける牧野さん】
イタリア料理店が一軒もなかった河北町は、今や国内有数のイタリア野菜の名産地となり、町ぐるみで栽培に取り組んでいます。現在は都内を含め約170店舗ほどのレストラン、約25店の卸会社へ、年間約60品目を卸しています。
河北町は、原産地のイタリアと比べて寒さが厳しく、その寒暖差に耐え天然の冷蔵庫となる雪の下で冬を越す野菜は、糖度がぐっと増します。原産地と異なる気候が、独自のおいしさにつながるヒントとなり、「かほくイタリア野菜」ブランドができあがっていきました。
牧野さんは、かほくらし生産組合のイタリア野菜部会部会長です。牧野さんの畑は、多品種少量生産。「農家としては同じ品種を大量に植えた方が効率的ですが、河北町の売り方は大きい市場に出すのではく、人と直接お付き合いして、お店などへ直送する形がほとんど。いろんなリクエストに長く柔軟に応えていけるよう頑張っています」。河北のものを本当に気に入ってくれた人に届ける。買い手のニーズを聞いて、それに合わせて栽培していく、いわゆる「6次産業化」の考え方そのものです。
除草剤不使用、化学肥料無使用、都会では他に要素がないため、このようなキーワードだけが判断基準になることも。しかし、「作物が健康に育つための条件さえしっかり整えてあげれば、よっぽどな気候変動がない限りは薬はいらないことが多いんです。」大切なのは、「土地柄を見極めて、そこに合った作物を植えること」、そして「根を健康に保つために手をかけること」。恵まれた土地でしかうまくいかない農法もあります。「私にとっては、まずこの町の土壌が荒れ果てないようにしっかり管理し農業を次世代に繋げていくこと。そのためにまず自分の家族をしっかり養うことが重要なんです。」長い視点で土地のことを考え、地に足をつけて、今できる工夫と貢献を最大限にしたいというのが牧野さんのこだわりです。
- 【元イタリアンシェフで果物から野菜まで作る生稲さん】
「クダモノラクエン」は、生稲(いくいね)さんが家族経営している小さな農園。おいしい果実や、手搾りのジュースなどを販売しています。オーナーの生稲さんは、元イタリアンのシェフという経歴を持ち、果物のみならずイタリア野菜も生産されています。シェフ時代の知識と経験を生かして、イタリア野菜の食べ方、活かし方を皆に伝える大切な存在です。
「クダモノラクエン」さんの畑で使われているのは自家製の堆肥です。自社で加工しているジュースの搾りかすに、町内の米農家から精米の時にもらう籾殻、和田酒造の酒粕、斉藤畜産の牛糞をミックスしてつくった、まさに河北町オリジナル。地域循環による唯一無二の堆肥を畑に取り入れ、次のものづくりに繋げています。
さくらんぼの「佐藤錦」のように味が完成されている果物は、何もせずそのまま食べるのが一番いい。でも食材として使う場合は、一つの味覚が際立った方が、調理法と素材が両方生きる。収穫の初めから終了までさまざまなステージでさまざまな味わいがある果物なのです。そんな自然のあるがままの恵みと、シェフのニーズの両方をよく知ることで畑とキッチンを橋渡ししたい。それが生稲さんの願いです。
規格外は廃棄してしまうのか、あるいはその生かし方を考えることで新しい食の楽しみにつなげるか。生稲さんの農業のテーマは後者です。自然を知り、その恵みを余すところなく楽しもうとする姿勢が、畑からお皿へ、新たな風を吹かせたいという生稲さんのこだわりだと感じました。
- 兄弟でつくりあげる幻の高級山形牛【千日和牛】
「千日和牛」はその名の通り、千日もの手間ひまをかけて大切に育てられる幻の山形牛です。年間80〜100頭ほどしか出荷されません。手がけるのは、兄は「牛バカ」弟は「肉バカ」と河北町内で親しまれる「斉藤畜産」三代目兄弟のお二人です。勇輔さんは山形市内の肉牛の競り場で競り人としても活躍してきたほどの目利き。全国各地の牛肉品評会では数えきれないほどのチャンピオンを獲得する実力です。ほとんどが地元消費、県外では特定の得意先にしか卸さないため、関東ではなかなかお目にかかれないスゴイ牛。
一般的には、900日程度で出荷されるという山形牛。他県ではもっと早く、850日くらいのところもあるそうです。一方「斉藤畜産」では1000日かけるのは最低ライン、長いものでは1300日(=約3年半)もの期間をかけて世話をする場合もあるのだそう。商売として考えると、もっと早いサイクルでの出荷した方が効率的かもしれませんが、そのこだわりの理由は、「うちは昔から時間をかけて肥育をする農家でしたから、昔ながらのやり方をずっとやっているという感覚なんですよ。牛に生ききってもらいたいと思います。」と。霜降りが入ればすぐに出荷するのではなく、霜降りではない部位も、一頭の牛をまるごと美味しく食べられるまで飼いたいという強い想いを持っています。「牛の命をもらうというのが仕事な以上、人も牛も納得いくまで」そんなシンプルな想いが、最高の肉質を生み出す技術の根幹にあるようです。
餌は、斉藤家代々伝わる配合。牛が一生食べる稲わらは必ず河北町産の、「まきの農園」さんのものを混ぜるのがこだわり。出荷のタイミングは、日々表情や目を見て、牛を触り、餌の食べ具合、角や毛つや、牛の目など様々なところで判断します。信念をもってゆっくりのびのびと育て、肉を少しずつ大きくすることで、脂のキメも細かくなり、肉質も全体的になめらかに仕上がります。「千日和牛」の定評は、口に入れた瞬間に溶け出す脂の融点の低さと甘みの素晴らしさ。脂の品質には、牛の血統と餌と飼い方全てが作用するため、牛を選ぶ技術も非常に重要だそうです。
- 河北町で200年以上営まれる老舗酒蔵「和田酒造」
全国新酒鑑評会での受賞は18回にのぼり、銘酒「あら玉」は、国際サミットでも振る舞われるほどの実績を持ちます。オートメーション化が進む酒蔵に、あえて逆行した手造り仕込みが、和田酒造のこだわりです。お酒は、同じ原料で造っても同じ味にならず、造る人と場所、年によっても全く味が変わります。「大変でも手をかければその分味に反映されるというのを和田酒造の蔵人たちが気づいているので、河北町ならではの味が出せているのだと思います」。まさに「人間の五感でしかできない酒造り」を続けたいという信念を、二百年変わらずに守り続けているのです。
お2人とも、微生物の「ヘンタイ」だと町内では評判です。酵母の配合を決めるのは、主に茂樹さんのお仕事。「相手が生き物と言うところが面白い」と茂樹さん。小さい頃から菌には興味があったという弥寿子さん。お米と菌が出会うと時々によって異なる反応を見せ、様々なお酒の味と香りを造っていく。酵母の配合でもちろん味は変わり、同じ配合でも年によっても味が変わる−お酒づくりは何年やっても新たな発見があると言います。
「イタリア野菜の栽培を始め、異業種がまとまって街を盛り上げていこうという良い循環のある河北町。それに参加するのがすごく楽しいです。」と弥寿子さん。和田酒造の酒粕は、「クダモノラクエン」のイタリア野菜の肥料として使われたり、「まきの農園」でも田んぼに戻し新たな酒米の栽培に繋げられています。町内のつくり手同士の「循環」が自然と回転しています。「自分だけが良いという人は少なくて、町内の不思議なところでいつもみんなが誰かのことを気にかけているんです。みんなそれぞれにオタクで、クセが強いですけどね。」とのこと。
上記のように、こだわりの自称”ヘンタイ”生産者が生み出す商品が、気軽に買えるオンラインストアへぜひお越しください。
かほくらし公式オンラインストア
https://shopping.kahokurashi.com/
- 会社情報、お問い合わせ先
株式会社かほくらし社
「河北町の暮らしと産業を支える」ことを通して、町の持続的発展を目指す山形県河北町の地域商社です。
河北町の産業を、マーケットインの視点で再構築・再発展を促すことを目指し、事業を展開しています。町単独のアンテナショップ「かほくらし」(東京都世田谷区三軒茶屋)にて物販とレストランを運営、飲食店向けに国産イタリア野菜等の販売など、河北町の地域資源やヒトの想いを活かした様々な事業創出に取り組んでいます。
販売事業者:株式会社かほくらし社 外販事業部
所在地 :山形県西村山郡河北町谷地字月山堂654-1
電話番号:0237840450
メールアドレス:kahokurashi.ec@gmail.com
営業時間:平日 午前9:00~午後5:00