森永乳業株式会社のプレスリリース
森永乳業は、「はぴねす乳酸菌®(Lactobacillus helveticus MCC1848加熱殺菌体)※1」による気分状態改善効果について研究を進めています。今回、長野県松本市(松本ヘルス・ラボ)、松本短期大学との産官学連携※2で実施した臨床試験において、「はぴねす乳酸菌®」が前向きな気分を維持する効果があることが示唆されました。さらに、結果の解釈のために松本市立病院の病院長・中村雅彦先生にご指導いただきました。この研究成果を9月9日(金)に開催された酪農科学シンポジウム2022にて発表しましたので、ご報告いたします。
酪農科学会は、酪農・乳業に関する学術ならびに産業の発展に寄与することを目的とした学会です。毎年シンポジウムが開催されています。
2.研究背景
過去の探索的な臨床試験(単群前後比較試験)で、疲労感が高めの健常者において、摂取前と比較して「はぴねす乳酸菌®」を摂取後に気分状態が有意に改善したことが報告されています。※3今回、臨床実習直前の多忙でストレスがかかっている看護学生を対象にプラセボ(対照群)を置いた二重盲検試験を実施しました。
3.発表内容
1)演題名
「Lactobacillus helveticus摂取が健常成人の気分状態に及ぼす影響」
2)研究内容
◆研究方法
・対象者 : 臨床実習直前のストレスがかかっている看護学生(健常成人)58名
・試験デザイン : ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験
・試験食品摂取 : 1日当たり「はぴねす乳酸菌®」50億個を含む粉末または「はぴねす乳酸菌®」を
含まないプラセボ粉末を臨床実習前の4週間継続摂取
・評価 : 気分状態を評価する心理検査の一種である「POMS® 2短縮版」※4(主要評価項目)ならびにVAS※5(副次評価項目)等を用いて評価しました。「POMS® 2短縮版」では、7つの尺度(①怒り-敵意、②混乱-当惑、③抑うつ-落込み、④疲労-無気力、⑤緊張-不安、⑥活気-活力、⑦友好)とTMD(総合スコア)を調査しました。
◆研究結果
①POMS® 2短縮版の「友好」の項目において、「はぴねす乳酸菌®」摂取でプラセボ(対照群)に比べ有意な改善がみられました(図1)。
②POMS® 2短縮版の「活気-活力」の項目において、「はぴねす乳酸菌®」摂取でプラセボ(対照群)に比べ改善する傾向がみられました(図2)。
③VAS法によって調査したリラックス度合において、「はぴねす乳酸菌®」摂取でプラセボ(対照群)に比べ有意な改善がみられました(図3)。
PDF版はこちら
https://prtimes.jp/a/?f=d21580-20220912-54cc05d80206ab6372face83738a5a10.pdf
4.今後の展望
今回の研究から、「はぴねす乳酸菌®」による前向きな気分を維持する効果があることが示唆されました。松本市、松本短期大学との取組みによって得られたこれらの知見を、森永乳業では、これからも多くのお客さまの健康と幸せな生活に貢献できる食品素材として活用してまいります。
<参考>
※1 はぴねす乳酸菌®(Lactobacillus helveticus MCC1848加熱殺菌体)
当社が「毎日の笑顔をサポート」をキーワードに選んだ乳酸菌です。
風味がほとんどなく、配合する商品の風味を損ねにくく、加熱殺菌体のため加熱工程のある食品にも配合が可能です。また、生菌の扱いが難しい製造現場でも使用することができます。
※2 長野県松本市(松本ヘルス・ラボ)、松本短期大学との産官学連携
当社は、2017年より松本市、松本短期大学の三者での産官学の連携体制で、ビフィズス菌やペプチドなどの食品成分が健康に与える影響を検証するための取組みを進めてまいりました。これらの取組みをさらに充実させるために、2019年6月から2022年3月には松本短期大学に寄附講座を開設し、本臨床試験もその取り組みの一環として実施いたしました。また2021年には松本市と包括連携協定を締結しました。本臨床試験をはじめ、地域社会の共生とともに、地域の皆さまの健康を支える取組みを進めております。
※3 出典
武藤ら.「乳酸菌Lactobacillus helveticus MCC1848加熱殺菌体の摂取がQOLに及ぼす影響」
薬理と治療 49, 4 (2021).
※4 POMS® 2短縮版
世界的に広く使われている心理検査です。7つの尺度(①怒り-敵意、②混乱-当惑、③抑うつ-落込み、④疲労-無気力、⑤緊張-不安、⑥活気-活力、⑦友好)とTMD(総合スコア)から気分の状態を評価することができます。
※5 VAS法(Visual Analogue Scale)
元々医療現場で使われている評価方法で、今回はリラックスの度合いを評価しました。白紙に直線をひき、両端を最良と最悪の基準としたとき、自分の状態を直線状の一点で指示してもらうことにより自覚する症状の程度を評価する方法です。