UCC上島珈琲株式会社のプレスリリース
UCC上島珈琲株式会社(本社/神戸市、資本金/10億円、社長/朝田文彦、以下UCC)は、米国領北マリアナ諸島のロタ島(ロタ市)とコーヒー栽培の技術指導に関するアドバイザリー契約を2022年8月25日に締結しました。
調印式の模様 左:アタリック市長、右:UCC農事調査室中平
UCCグループは、「より良い世界のために、コーヒーの力を解き放つ。」をパーパスに掲げ、栽培から1杯のコーヒーに至るまで、一貫したコーヒー事業をグローバルに展開しています。また、本年4月には「UCCサステナビリティ指針」を制定し、「農家の方々の生計」や「森林保全」を重要課題のひとつに定めました。本件はその指針に基づく活動となります。
ロタ島は米国領の北マリアナ諸島に位置し、自然豊かで風光明媚な美しい島です。しかし、近年では、新型コロナウィルス感染症拡大などの影響で、主要産業である観光業は大変厳しい状況が続いています。
ロタ島のコーヒーは2018年6月、現地トライアスロン大会を主催していた日本のKFCトライアスロンクラブ※により、深いジャングルの中で奇跡的に発見され、同年7月、UCC農事調査室に調査依頼が持ち込まれました。
UCCは、現地で収穫されたコーヒーチェリーの科学的調査を約1年かけて進め、さらに、2019年8月には現地調査を実施しました。その結果、ロタ島に自生するコーヒーは1930年頃、ハワイ・コナから日本人によって栽培するために持ち込まれたものの、第二次世界大戦末期の1944年に栽培放棄され、70年以上人知れず深いジャングルの中で生き延びてきたコーヒーである可能性が高いこと、また、味覚面に優れ、コーヒーファンにとって大変興味深いものであることが確認されました。
そこでUCCは、ロタ市に対し、ロタはコーヒー栽培にとって最適な環境であり、また、原生林のコーヒー生態系がエコツーリズムなどの観光資源となりうることなど、その可能性について提案したところ、コーヒーをロタの新たな産業とするべく、ロタ市を中心に、本格的にコーヒー栽培に乗り出すこととなりました。その後、約3年にわたり、UCCは、シェード農法の導入支援、環境負荷の少ない加工技術など、サステナビリティに配慮したさまざまな営農支援を継続してきました。
このたび、UCCは、支援開始以来初となる大規模な収穫を目前に控え、ロタ市に対し今後も継続的な技術支援協力を行う事を目的としたアドバイザリー契約を締結しました。3年後の2025年の製品化を目指し、ロタ島の新たな産業としての成長を支援します。
UCCは、UCCサステナビリティ指針に基づき、「農家の方々の生計」や「森林保全」に寄与できる活動の一環として、これからもロタ島のコーヒー栽培に継続して協力し、持続可能なコーヒー産業の実現に貢献してまいります。
※KFCトライアスロンクラブ(青梅市トライアスロン協会、代表/大西喜代一)
1991年設立、東京都青梅市を拠点に活動しているトライアスロンクラブ。現在では関東、関西そして海を超えミクロネシアの島々にもネットワークを広げている。ロタ島では1994年「ロタブルートライアスロン」を立ち上げ、以来23回の開催実績を誇る。
●関連URL
・UCCのサステナビリティ:https://www.ucc.co.jp/company/sustainability/index.html