株式会社Sake RDのプレスリリース
中国市場向けに日本酒販売事業を展開するSake RD株式会社(よみ:サケ アールディー、本社:東京都港区、代表取締役CEO:堤 浩記、代表取締役CCO:渡邉 禄朗、以下当社)は、クオンタムリープベンチャーズ(QXLV)、W fund、Dawn Capitalを引受先とする第三者割当増資等により、1.2億円の資金調達を実施しました。今後中国法人の設立、日本酒の仕入れ強化、日本酒専用ECサイトを開設し、中国国内における日本酒の販売と消費体験向上を加速させてまいります。
- 背景と目的
財務省が発表した貿易統計によると、日本の中国向け日本酒輸出は新型コロナウイルス禍の影響が出た2020年を除き増加を続けており、2021年に中国は日本酒の最大輸出相手国になりました。※1
また、農林水産省では2017年より「コメ海外市場拡大戦略プロジェクト」を掲げ、コメ加工品である日本酒の海外市場への輸出を増やす施策を実施してきました。
特に「SAKE文化」の土壌がある中国との相性は良く、関税等の関係から2倍以上の販売価格になるものの、都市部の飲食店を中心に消費量は急増しています。
※1 2021年は数量で前年比52.3%増の7,268キロリットル、金額で同77.5%増の102億8,000万円
出典:https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2022/aa4e4e3ce1463532.html
- Sake RDが目指す目標
中国市場における日本酒の高い成長性がある一方で、流通しているのは限られた種類の有名銘柄でメインのシェアが占められており、販売チャネルは日本料理店や一部の百貨店などに限られていました。また、料理と日本酒のペアリングに対する消費者の課題がありました。
このような市場機会を踏まえ、当社は中国市場での日本酒販売・消費体験向上のため、2022年4月末に創業しました。中国現地で小売事業を成功させてきた堤と、北京のデジタルマーケティング企業で日本酒プロモーションの経験がある渡邉の2名が中心となり、日本と中国の二拠点で事業を展開してまいりました。これまで、日本国内の酒蔵と提携を増やすとともに、中国国内の飲食店への導入店舗を増加させてきました。今後、2023年3月までに弊社で取り扱う日本酒を中国の飲食店100店舗へ導入することを目指しています。
この度調達した資金は以下のような取組に活用する予定です。
- 中国法人設立と運営体制構築
中国で事業を本格的に行なっていくために中国法人を設立し、酒類販売のライセンス取得や中国で日本酒を販売するための運営体制の構築をします。日本で日本酒を仕入れ、中国で販売を行なっていくために、日本・中国の両拠点の連携がスムーズに取れるように体制を強化していきます。
- 日本・中国における人材採用の促進
日本側ではコンテンツ管理、商品企画、事業企画など、中国側では営業企画、EC運営などを中心に人材を採用していきます。中国事業をドライブし、日本酒業界における独自のポジションを確立すべく、積極的な採用をしていきます。
- 日本酒の仕入れ強化
中国でまだ流通していない銘柄を中心に、日本国内の酒造から積極的に仕入れを行います。中国への輸出に興味はあるがなかなか踏み出せていない酒造に対しては、初回取引から一定量の仕入れを行なうことで酒蔵経営の安定化に寄与できる形の取引を予定しています。
- 日本酒専用ECサイトを開設
WeChatと連動した日本酒専用ECサイトを開設します。
さらに、中国における在庫の最適化システムを構築するなど、テクノロジーの活用を積極的に行い、飲食店等における日本酒の消費を見える化します。
これにより中国現地の飲食店で日本酒を体験した顧客をECへ、ECの顧客を飲食店に送客する仕組みを構築します。オンラインとオフラインを融合した中国における日本酒市場拡大に向け、さらに加速していきます。
- 引受先からのコメント
クオンタムリープベンチャーズ(QXLV) CEO&General Partner
古谷 健太郎 氏
当社の投資方針の一つである「日本発グローバルで挑戦する起業家」として、Sake RD社の創業ラウンドにご一緒することができ光栄です!
比較的検証項目が少ない本事業においては、実行力がより試されることになります。そのなかで、堤さん、渡邉さんでやり遂げられなかったらこの事業は無理だろうなと思わせる程、チーム力に最大限の評価をしました。これからの活躍に大変期待すると共に、中国展開の新しいスタンダードをSake RDチームの一員として創って参りたいと思います。
W fund インベストメントマネージャー
高津 秀也 氏
日本酒は業界に携わる数々のプレイヤーのご尽力により、海外でも認められるアルコール飲料としての立ち位置を獲得しつつあります。しかし、海外のお客様にお届けできている銘柄はごく一部であり、日本には歴史と個性に溢れる酒蔵様がまだまだあるのが現状です。Sake RDの目指す多様な日本酒が各地域の文化と共和し広がっていく世界観は、W fundの描く、日本の多様な資産のグローバル化とまさにマッチするものであり、この度ご支援できることを心より嬉しく思います。
Dawn Capital Director
山﨑 大世 氏
日本を代表する日本酒産業の商品だけでなく文化や事業者の想いも含めグローバルに届けたい、という熱い想いに共感し投資を決断しました。
上昇トレンドである中国の日本酒マーケットに、日中双方に精通した創業者お二人の知見と経験を組み合わせることで、より多くの方々に日本酒を体験してもらう世界が実現できると確信しております。Sake RD社への支援を通じて、日本文化のグローバルへの発信の一端を担えることを心より嬉しく思っております。
- Sake RDについて
私たちは日本酒を海外に販売し、日本酒文化を普及させ、新しい産業を創ることを目的としたスタートアップです。Sake RDという社名には、日本酒の伝統を大事にし、各地域での日本酒の楽しみ方を考え、その地域の文化に沿った日本酒のあり方を新しく提案していく(Re-Define=再定義していく)という想いを込めています。ただ日本酒を販売するだけでなく、各地域の文化・流行に合わせた日本酒の楽しみ方を提案することで日本酒体験の向上を図り、「Sakeが世界の食卓に、あたりまえにある明日」を実現します。
- 代表メッセージ
代表取締役CEO 堤 浩記(つつみ ひろき)
日本酒の魅力を中国の消費者の方々に届け、日本酒業界を盛り上げてまいります。
まずは中国、そして、次の国へ。
日本酒の楽しみ方を再定義し、新しい日本酒カルチャーを創る挑戦をしていきます。
<略歴>
慶應義塾大学理工学研究科修了。Tsinghua-MIT Global MBA (清華大学)修了。シンガポール国立大学MBA交換留学。福岡県出身。中国滞在歴4年。コンサルティング業界、リクルート、ファーストリテイリング、スタートアップなどを経験。中国現地法人立上を伴う中国事業の急速立上実績が2回あり。特に、中国小売業界に精通しており、新規事業立上、グローバル事業戦略・事業管理などに強みを持つ。日英中のトリリンガル。
代表取締役CCO 渡邉 禄朗(わたなべ ろくろう)
デジタルとオフラインを組み合わせた施策により、日本酒体験を向上させ、大きなポテンシャルを持つ中国人消費者に日本酒の魅力をしっかりと伝えていきたいと思います。
<略歴>
北京大学MBA修了。北京大学光華管理学院日本校友会理事。新潟県出身。中国滞在歴6年。MBA卒業後、デジタル広告代理店の北京DACにおいて、日系大手化粧品メーカー、日系大手電機メーカーといった小売業をメインにデジタルマーケティングに従事(高級化粧品ブランドから日用品まで)。2021年の日本政府予算で行われた中国日本酒プロモーションにも従事。日本・中国における日本酒関連のネットワークを保有。日英中のトリリンガル。
共同創業者 劉 柳(りゅう りゅう)
日本酒の良さを中華料理とのペアリングまで広げ、日本酒という食文化として中国人のライフスタイルに合わせせた提案を行っていきたいと思います。
<略歴>
関西大学政策創造学部卒。国際唎酒師・国際焼酎唎酒師・中国酒協会ワインソムリエの資格を保有し、中国の日本酒を含む酒業界に精通。日本滞在歴11年であり、北京日本文化センター(日本国際基金交流基金)で日中文化交流事業に従事した経験から日本文化を中国に普及するための方法や訴求方法に精通。特に、中国人目線での日本酒関連コンテンツ/プロダクト開発が強み。日中のバイリンガル。
- 株式会社Sake RD 会社概要
会 社 名 :株式会社Sake RD
所 在 地:東京本社 東京都港区虎ノ門 4-1-1 WeWork 神谷町トラストタワー
上海拠点 樽冠(上海)貿易有限公司 上海市長寧区仙霞路99号 尚嘉中心 WeWork
設 立:2022年4月
代 表 者:堤浩記(代表取締役CEO) 、渡邉禄朗(代表取締役CCO)
企業サイト:https://www.sakerd.jp/
事 業 内 容:日本酒の販売・卸・プロモーション