【首都圏・関西圏3,000人に聞いたヨーグルトの喫食実態調査】 腸活、菌活に新たなトレンドが出現。 日常的にヨーグルトを食べている5人に1人がすでに「タンサ活※」を実践

江崎グリコ株式会社のプレスリリース

江崎グリコ株式会社では、体脂肪の低減と基礎代謝の向上に寄与する腸内細菌の代謝物「タンサ(短鎖)脂肪酸」のはたらきを広め、腸からの健康生活習慣を啓発することを目的とした「タンサ脂肪酸プロジェクト」を推進しています。その活動の一環として、2022年8~9月、首都圏・関西圏の20代から60代の男女3,000人を対象にヨーグルトの喫食実態調査を行い、タンサ活の実情について考察しました。

 調査の結果、日常的(週1回以上)にヨーグルトを食べている人の5人に1人(女性では4人に1人)が、ビフィズス菌入りのヨーグルトと水溶性食物繊維を合わせて「タンサ脂肪酸」を生み出す活動「タンサ活※」をしていました。一方、実践者の約7割はタンサ脂肪酸の有用性を知らないものの、「タンサ活」を実践していることが分かりました。また「タンサ活」実践者の20代・30代男性は、摂取目的に「ダイエット」「内臓脂肪を減らす」「代謝をよくする」を挙げた割合が高く、健康になることを期待して、ヨーグルトを習慣的に喫食している様子がうかがえました。

※「タンサ活」とは
「タンサ活」とは腸内でタンサ脂肪酸を生み出すための活動を指した造語です。
「タンサ(短鎖)脂肪酸」とは、ビフィズス菌などの腸内細菌が、水溶性食物繊維やオリゴ糖などをエサにして作る腸内細菌代謝物です。近年の研究で、体脂肪の低減と基礎代謝の向上など抗肥満作用をはじめ、免疫やストレス反応にも関与することが明らかになっています。
 

  • 調査結果のポイント

1)「ビフィズス菌入りヨーグルト」を摂取している人は49.4%。首都圏女性30~60代では6割超
 普段食べているヨーグルトを聞いたところ、 「ビフィズス菌入りヨーグルト」は49.4%、「乳酸菌のみ」は78.1%でした。「ビフィズス菌入り」喫食者は、男性42.3%、女性56.5%と女性が多く、特に首都圏女性30~60代は6割を超えました。
2)「乳酸菌」と「ビフィズス菌」の働きに違いがあることを、知らない人はおよそ8割
 ヨーグルトを日常的に食べている人でも「乳酸菌とビフィズス菌の働きに違いがあること」を知っている人は、23.8%にとどまりました。
3)日常的にヨーグルトを食べている5人に1人が、ビフィズス菌×水溶性食物繊維で「タンサ活」を実践
 「ビフィズス菌入りヨーグルト」と、ビフィズス菌のエサになってタンサ脂肪酸をつくり出す「水溶性食物繊維」を含む食物を合わせて喫食している人を算出。これを「タンサ活」実践者として調べたところ19.1%(男性13.1%、女性25.1%)でした。日常的にヨーグルトを食べている人の5人に1人、女性では4人に1人が「タンサ活」を実践していました。
4)「タンサ活」している人の約7割は、知らず知らずに実践中!?
 タンサ脂肪酸について知識がある人はまだ少なく、全体では22.0%。タンサ活実践者でも31.6%で、残りの人は意図せず、「タンサ活」を実践しているという結果になりました。
5)20代・30代「タンサ活」男性のヨーグルト喫食目的は、ダイエットや抗肥満の意識が高い
 20代・30代男性は、喫食目的が「ダイエット」「内臓脂肪を減らす」「代謝をよくする」が全体より高くなりました。さらに「タンサ活」実践者の20代・30代男性では、この3項目が全体より14.9~34ポイント高い割合となり、またコロナ禍前に比べて「ダイエットのためにヨーグルトを意識して摂取するようになった」は全体より20ポイント以上高くなりました。
 

  • 1)「ビフィズス菌入りヨーグルト」を摂取している人は49.4%。首都圏女性30~60代では6割超

 あまり知られていませんが、市場では、乳酸菌のみのヨーグルトと、ビフィズス菌も入ったヨーグルトが販売されています。
 本調査では日常的(週1回以上)にヨーグルトを食べている人3,000人に普段食べているヨーグルトを聞いて、「乳酸菌のみのヨーグルト」「ビフィズス菌入りヨーグルト」いずれかに振り分けて集計し、日頃どちらを喫食しているのかを調査しました。結果は、「乳酸菌のみのヨーグルト」 を食べている人は2,342人で78.1%、「ビフィズス菌入りヨーグルト」を食べている人は1,482人で49.4%となりました。(両方食べている人はいずれにもカウント)「ビフィズス菌入りヨーグルト」を食べている人は、男性42.3%・女性56.5%と女性が多く、特に首都圏女性30~60代では6割を超える結果となりました。

 

  • 2)「乳酸菌」と「ビフィズス菌」の働きに違いがあることを、知らない人はおよそ8割

 「ヨーグルトの働き」について知っていることを聞いたところ、ヨーグルトを日常的に食べている人でも「乳酸菌とビフィズス菌の働きに違いがあること」を知っている人は23.8%にとどまり、まだまだ低いことが分かりました。

 

  • 3)日常的にヨーグルトを食べている5人に1人が、ビフィズス菌×水溶性食物繊維で「タンサ活」 を実践

 ビフィズス菌入りヨーグルトと合わせて食べているフルーツや野菜、シリアルなどの食品のうち、ビフィズス菌のエサになってタンサ脂肪酸を作り出す「水溶性食物繊維」を含む食べ物※と合わせて喫食している人を算出。これをタンサ脂肪酸を生み出すための活動=「タンサ活」をしている人として、エリア性年代別の傾向を調べました。

 フルーツや野菜など他の食べ物と合わせて食べていると回答した人に具体的な食べ物を質問、水溶性食物繊維やオリゴ糖を多く含む食べ物(※アボカド、たまねぎ、ごぼう、オートミール、きな粉、ワカメ、寒天、バナナなど)と、ビフィズス菌入りヨーグルトを合わせて食べている人を、タンサ脂肪酸を生み出すための活動=「タンサ活」実践者として割合を算出しました。
 その結果、 「タンサ活」実践者は、日常的にヨーグルトを食べている人の19.1%となりました。また女性では25.1%で4人に1人が「タンサ活」をしていることがわかりました。また首都圏女性60代は32.7%と最も高くなりました。

 

  • 4)「タンサ活」している人の約7割は、知らず知らずに実践中!?

 「ビフィズス菌が食物繊維などをエサにすることで短鎖脂肪酸が産生されること」「腸内で産生される短鎖脂肪
酸が肥満を抑制するうえで大切なはたらきをすること」「短鎖脂肪酸は、肥満抑制(内臓脂肪を減らすことと代謝を高めること)に有効であること」といったタンサ脂肪酸の情報をいずれかひとつでも知っていると回答した人は、全体で22.0%となりました。また「タンサ活」実践者においても31.6%となり、意図せず実践している人が約7割という結果になりました。

 

  • 5)20代・30代「タンサ活」男性の喫食目的は、ダイエットや抗肥満の意識が高い

 ヨーグルトの喫食目的について、1位「便通改善・維持」(53.5%)、2位「免疫力向上」(44.4%)、3
位「全体的な健康のため」(39.2%)という結果となり、全項目で「タンサ活」実践者は全体に比べ高くなりました。
 なかでも20代・30代男性は、ヨーグルトの喫食目的で「ダイエット」「内臓脂肪を減らす」「代謝をよくする」が全体より高くなりました。さらに「タンサ活」を実践する20代・30代男性では、この3項目が全体に比べ14.9~34ポイント高い割合となりました。またコロナ禍以前に比べ「ダイエットのためにヨーグルトを意識して摂取するようになった」人は全体の6.0%に対し、「タンサ活」実践者の20代男性では29.2%、30代男性では27.3%という結果となりました。

 

  • 6) 「タンサ活」実践者は、ヨーグルト購入時に「菌の効果」「ビフィズス菌入り」「無糖」「低脂肪」を重視

 ヨーグルトを購入する際に重視していることは全体では、「味」(61.9%)が最も高く、次いで「価格」(61.3%)の2つが、他選択肢を引き離して多くなりました。
 なかでも「タンサ活」をしている人においては、「含まれる菌の効果」(31.9%)「ビフィズス菌入り」(26.2%)。「無糖」(27.9%)、「低脂肪もしくは脂肪ゼロ」(23.2%)を重視する人が全体に比べて10ポイント以上高くなり、肥満やダイエットなどへ意識の高さがうかがえます。

参考:(スクリーニング調査)
ヨーグルトを日常的に食べている人(週1回以上)は57.7%。喫食頻度は、男女ともに「東高西低」
 首都圏・関西圏の20~60代の男女10,000人を対象に「ヨーグルトの喫食頻度」について聞いたところ、週1回以上食べている人は全体の57.7%となりました。男性52.1%、女性63.3%と女性の方が多く、年代が上がるほど喫食頻度が高まりました。
 またエリアで比較してみると、首都圏59.7%、近畿圏55.7%で「東高西低」の結果となり、エリアと性年代で
最も高いのは、首都圏女性60代で81.6%という結果になりました。

調査設計
■調査方法   インターネットによるアンケート調査
■実施時期   2022年8月31日、9月1日
■エリア    首都圏(東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県)、
        近畿圏(大阪府・京都府・兵庫県・滋賀県・奈良県・和歌山県)
■対象人数   <スクリーニング調査>
        10,000人 (首都圏・近畿圏 男女20~60代 各500人)
        <本調査> 
        ヨーグルトを週1回以上喫食している3,000人
        (首都圏・近畿圏 男女20~60代 各150人)

参考:タンサ(短鎖)脂肪酸は様々な可能性を秘めた注目の物質!
 タンサ脂肪酸は、ヒトの大腸内でビフィズス菌などの菌が水溶性食物繊維などをエサにして作りだす酸(有機酸)の一種で、代表的なものに「酢酸」「プロピオン酸」「酪酸」などの種類があります。
 このタンサ脂肪酸は、近年の腸活ブームで注目されはじめた物質です。代謝系や免疫系の受容体に働きかけて、抗肥満作用、食欲抑制の効果をはじめ、整腸作用や悪玉菌の抑制作用、腸管バリア向上、免疫力向上、生活習慣病予防、水やミネラル(Na・Ca・Mg)の吸収促進など、多くの機能を持っていることが分かってきました。
 ヒトの腸内には、種類が数百種以上、菌数も100兆個以上に及ぶ腸内細菌が生息しています。多くの種類の腸内細菌のなかでもビフィズス菌などの善玉菌は、腸内細菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖などを発酵させて、酢酸・プロピオン酸・酪酸など、タンサ脂肪酸を作ります。
 つまり、おなかの中でビフィズス菌などの善玉菌を増やせば、タンサ脂肪酸が増加し、腸内環境が改善され、健康な体づくりにつながります。
 これまでの当社の研究成果として、江崎グリコ独自のビフィズス菌(Bifidobacterium animalis ssp. lactis GCL2505株=ビフィズス菌BifiX)は食物繊維イヌリンと共に摂取することで腸内のビフィズス菌数をより一層増殖させることや、タンサ脂肪酸を一般的なビフィズス菌よりも多い割合で作り出すことが分かっています。

★タンサ(短鎖)脂肪酸プロジェクトサイト:
https://cp.glico.com/tansa/
 

  • タンサ脂肪酸探査チームからの分析・コメント

タンサ脂肪酸探査チーム 馬場 悠平 (ばば ゆうへい)
江崎グリコ株式会社
商品技術開発研究所 乳業・洋生菓子グループ

2017年、江崎グリコ入社。
「クリームコロン」などの商品開発を担当後、現在は学生時代取り組んでいた菌類を使用した基礎研究の経験を活かし、特にタンサ脂肪酸と抗肥満の関係性についての研究活動に従事。健康価値を追求したビフィズス菌BifiXの商品化に取り組む。

■健康意識の高い人は、「ビフィズス菌」「水溶性食物繊維」を摂取
 自身の健康に対する意識や、健康に関する情報への感度が高い人が、ビフィズス菌入りヨーグルトや水溶性食物繊維を取っているようです。しかし、全体的に見ると、ビフィズス菌入りヨーグルトはまだまだ積極的に選んでいただけていない印象を受けます。
 ビフィズス菌入りヨーグルトを食べている方でも、具体的にビフィズス菌と乳酸菌の違いを認識している人は少ないことからも、「腸にいい菌」を「生きたまま腸に届ける」ことが重要という事実の浸透はまだ道半ばであり、これからも情報発信を続けていきたいと考えています。
 乳酸菌は主に小腸で、ビフィズス菌は主に大腸で働きます。産生する主な物質も違い、乳酸菌は乳酸を、ビフィズス菌はタンサ脂肪酸のひとつである酢酸を産生します。生息場所もその働きも菌ごとに違うので、自分の目的に合った菌を意識して選んでいただきたいと考えます。

■ダイエットリテラシーの高い20代・30代男性に広がる「タンサ活」
 ヨーグルトの喫食目的を年代別で見たときに、20代30代と50代60代で喫食の目的が違う傾向がありました。年代によって、ヨーグルトに求めるものが違い、皆さんが目的をもってヨーグルトを食べていることがうかがえます。
 特に、ダイエットリテラシーの高い20代30代男性は、科学的根拠に基づく新しい腸活に既に気づいており、この世代から「タンサ活」が広がりはじめている兆しを感じました。

■明日から実践できる!「タンサ活」
 日々の生活の中に上手に「タンサ活」を取り入れるには、生きたまま腸に届き、タンサ脂肪酸をつくる「ビフィズス菌」が入ったヨーグルトを選ぶことがまず大切です。
 加えて、ヨーグルトを食べるタイミングも重要です。菌を生きたまま腸に届けるという観点でいえば、ヨーグルトは、消化液の影響を受けにくい「食後」に食べていただくか、ほかの食べ物と合わせて食べていただくのがより望ましいと考えます。
 特に、腸内細菌のエサとなる水溶性食物繊維が豊富な食べ物と合わせて食べていただくのが、「タンサ脂肪酸」の産生という観点からもおすすめです。手軽さでいえば、「オートミール」や「きな粉」などと一緒に食べるのも良いでしょう。

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