株式会社ロッテのプレスリリース
株式会社ロッテ(本社:東京都新宿区、社長:牛膓栄一)は、11/8の「いい歯の日」に先駆け、むし歯・歯周病・口臭などの口腔トラブルに繋がる可能性がある子どもの「噛むこと」の実態について、47都道府県毎に3~12歳の子どもを持つ親50名ずつを対象とした、全国「子ども×噛む力」調査を実施いたしました。その結果、2021年に全年齢を対象に行った全国「噛む力」調査※1に引き続き、秋田県が最も「噛む力」が高いことがわかりました。
※1 全国「噛む力」調査リリースURL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001650.000002360.html
<「子ども×噛む力」調査における「噛む力(かむりょく)」とは>
本調査における「噛む力」とは①子どもが「よく噛むこと」に対する親の意識、②子どもの夕食時一口あたりの咀嚼回数や口や舌のトレーニング等に関する行動、③噛むことが及ぼす心身の健康効果への親の理解度といった知識、主にこの3要素で構成された質問の回答結果を集計し、ロッテ「噛むこと研究部」が健康面において好ましいとされる順序に点数を割り振り、偏差値で算出した結果です。
■調査サマリー
- 「子ども×噛む力」第1位は秋田県。続いて第2位が山梨県、第3位が大阪府といった結果に。
- 子どもに食事中「よく噛む」よう伝えている親は62.8%と半数を超える。
- 86.4%もの親が「子どもが夕食時に一口あたり噛む回数は20回未満」と回答。
- 77.4%の子どもが硬いものより軟らかいものを食べることが多い。
- 親に子どもの口腔に関する知識があっても、具体的な対策や行動ができていないことが明らかに
1. 全国47都道府県「子ども×噛む力」ランキング 第1位は 「秋田県」
全国「子ども×噛む力」調査ランキングで1位は秋田県(偏差値:73)、2位に山梨県(偏差値:68) 、3位に大阪府(偏差値:67)がランクインしました。1位の秋田県と2位の山梨県は、噛むことの意識面において高い得点傾向にあり、3位の大阪府は「気が付くと口がポカンと開いてしまい、顎が上がってしまう」といった「お口ポカン」の傾向がみられる子どもの割合が、最も低い18.0%という結果になりました。一方で、「子ども×噛む力」ランキングが最も低かったのは神奈川県。つづいて和歌山県といった結果となりました。
2. 意識面・行動面における調査結果
半数以上の親が「よく噛むこと」の重要性やなぜ「よく噛むこと」が大事なのか把握しているのにも関わらず、行動に移せていない親が多く、意識に対して行動が伴っていないということが明らかに
①およそ6割の親が、普段から食事中に「よく噛む」ように伝えているにも関わらず、
8割以上の親が「子どもが夕食時に一口あたり噛む回数は20回未満」と回答。
「普段から子どもに対し、食事中に『よく噛む』よう伝えていますか?」という質問に対して、17.0%が「頻繁に伝えている」、45.8%が「時々伝えている」と回答し、およそ6割の親が「よく噛むこと」を子どもに伝えていることがわかりました。一方で、「夕食時の一口あたりの噛む回数」を問う質問では、専門家が推奨する30回以上子どもが噛んでいると回答した親は2.9%しかおらず、86.4%もの親が子どもが一口あたり噛んでいる回数は20回未満と回答したことが判明しました。親が「よく噛むこと」を伝えているにも関わらず、子どもは実践できていないことが分かりました。
②「よく噛むこと」の重要性やなぜ「よく噛むこと」が大事なのか、子どもに話したことがある親が半数以上。
一方硬い食べ物より軟らかい食べ物を食べることが多い子どもが77.7%に上ることが判明。
「よく噛むこと」の重要性やなぜ「よく噛むこと」が大事なのかについて、53.1%の親が「話したことがある」と回答しました。親の「噛むこと」に対する意識が高いことが伺えますが、「あなたのお子様は、『硬い食べ物』と『軟らかい食べ物』のどちらを食べることが多いですか?」という質問に対して、77.7%が「軟らかい食べ物」と回答しました。親の意識が高いにも関わらず子どもが行動に移せていないことが分かりました。食文化の変化に伴い、小さく切ったり、軟らかく加工した食べ物が増加していることで懸念されている、噛む回数が減少する「噛む離れ」問題も顕著に現れる結果となりました。ロッテ噛むこと研究室Webサイトではフード毎の咀嚼回数ランク表を公開しています。ランク表を参考にして咀嚼回数の多い食べ物を取り入れるのもおすすめです。
参考:咀嚼回数ランク表 https://www.lotte.co.jp/kamukoto/body/1641
③口腔機能の発達のために、約6割の親が子どもに対して「何もしていない」と回答。
「『歯の健康』のみでなく『口周り全体』の健康のために、あなたのお子様が普段から実践していることはありますか?」という質問に対し、 「何もしていない」と回答した親が58.8%と最も多い結果でした。具体的な行動として一番回答が多かった「なるべく咀嚼回数が多い硬い食べ物を食べるようにしている」と回答した親でも17.1%と少なく、多くの親が具体的な行動を起こしていないことが明らかになりました。口遊びやフーセンガムなど子どもの口周りの発達に良いとされる行動をしている子どもは10人に1人もいないという結果でした。噛む回数や口遊びをする機会が減少するなど、「口腔機能」が正常に発達しないと、「お口ポカン」や「口呼吸」、ひいては「学力」にも悪影響を及ぼすと言われています。親が口周りの発達に必要なトレーニングや対策を理解し、子どもにきちんと実践させることが大切です。
参考:ロッテ噛むこと研究室 https://www.lotte.co.jp/kamukoto/category/growth
3.最新の子どもの口腔機能に関する実態
約3割の子どもに「口腔機能発達不全症」 のサインである「お口ポカン」の症状があることが判明
気がつくと口がポカンと開いてしまい顎があがってしまう「お口ポカン」の状態や、「強く噛み締められず軟らかいものばかり好んで食べている」などの行動は「口腔機能発達不全症」のサインである可能性があります。口腔機能が十分に発達していないことのあらわれである各症状についての質問によると、約3割の子どもに「お口ポカン(29.0%)」、「軟らかいものばかり好んで食べている (27.3%)」の症状が見られることが分かりました。また「食べ物をなかなか飲み込まない(26.3%)」、「滑舌が気になる(18.6%)」、「いびき(18.2%)」、「片側の歯・顎ばかりで噛んでいる(13.6%)」といった症状が見られることも判明しました。このような現状に対し、小児歯科医である岡崎先生は「ほとんどの親が、“お口ポカン”や“いびき”などの各症状が、ひいては全身の健康に影響を及ぼす程の問題があるとは思っておらず、子どもが自覚症状を訴えることもないため注意してほしい。」とコメントしています。
- 岡崎教授 コメント
岡崎 好秀 教授
国立モンゴル医学科学大学 客員教授。
大阪大学歯学部小児歯科を経て岡山大学歯学部小児歯科講師。2013年4月より現職に。
専門は小児歯科・障がい児歯科・健康教育。日本小児歯科学会、日本障害者歯科学会、
日本口腔衛生学会、国際歯科学士会(ICD)所属。
最近、乳幼児期のむし歯は減りましたが、常に口が開き口呼吸をしている「お口ポカン」などがサインである口腔機能発達不全症が問題となっています。ロッテが行った「子どもの口腔機能発達」に関する意識調査※で、子どもの成長において「口腔機能の発達」を普段から意識している親がむし歯予防を意識している親の半数以下であることがわかったように、「むし歯」に比べ「口腔機能(口の中全体)」への意識は行き届いていません。私たちは食事の時、歯だけを使って食べているのではなく、頬や唇、そして舌もスムーズに動かすことで食べることができています。この唇や舌の機能の発達不足が口腔機能不全症です。口腔機能の発達不足はむし歯、歯周病、口臭などの原因だけでなく、風邪をひきやすい、滑舌が悪い、イビキをかく(閉塞性睡眠時無呼吸の予備群)など全身の問題に繋がります。しかしほとんどの親は、ひいては全身の健康に影響を及ぼす程の大きな問題であるとは思っておらず、子どもが自覚症状を訴えることもないので注意が必要なのです。
この問題が増えている理由として“口遊び”の減少があります。風車・シャボン玉・口笛・フーセンガムなどの“口遊び”をしている子どもを見かけることが少なくなりました。かつては“口遊び”の中で、自然に口の周りの筋肉が鍛えられていたのです。実際に、某保育園で毎日口遊びを行ったところ、「滑舌が良くなった」、「大きいもの硬いものが噛めるようになった」などの事例があります。口腔機能の発達や維持のためにも、フーセンガムなどを利用した“口遊び”は大切であると思います。
食文化が変化し、小さく切ったり、軟らかく加工した食べ物が増加している現代では、子どもに限らず「噛む離れ」が指摘されており、意識的に口腔機能を鍛えることが非常に大切です。皆さんも「食事中によく噛む」、「硬いものを食べる」、「ガムを噛む」など、日頃から「噛むこと」を意識してみてください。
※ロッテ「子どもの口腔機能発達」に関する意識調査:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001776.000002360.html
- 口育には「お口遊び」!吹き戻し、シャボン玉、フーセンガム…なつかしの遊びで口のトレーニングをしよう
お子様の口周りの運動のためには、「シャボン玉」や「吹き戻し」など口をつかった遊びが効果的です。フーセンガムをふくらませることは「噛む」ことに加えて「舌を動かしてガムをまとめる・伸ばす」「口をしっかり閉じる」など、繊細な動きと筋肉運動が必要で口周りのトレーニングになると考えられます。
- あなたのお子さんは大丈夫?口腔機能の発達不全チェック!
ご自身のお子さんに症状があるかどうか、チェックしてみてください。複数当てはまったら要注意かもしれません。
※日本歯科医学会のチェックシートを参考に作成:https://www.jads.jp/basic/pdf/document-200401-3.pdf
【調査概要】※ロッテ調べ
■調査方法 :WEBアンケート調査
■調査対象 :全国47都道府県別の3-12歳の子どもを持つ親
■有効回答数 :2350名(性年代居住地均等割付)
■調査実施日 :2022年9月16日~2022年9月20日