森永乳業株式会社のプレスリリース
森永乳業は、12月22日(木)、長年にわたり先天性代謝異常症等向け特殊ミルクの安定的な製造・供給を続け、社会に貢献する企業として厚生労働大臣より感謝状が贈呈されましたので、お知らせいたします。
森永乳業はこのたびの贈呈を励みに、これからもサステナビリティ経営の実現を目指し、笑顔あふれる豊かな社会づくりに貢献してまいります。
なお、同じく特殊ミルクを製造・供給してきた株式会社明治と雪印メグミルク株式会社にも感謝状が贈呈されています。
1.特殊ミルクについて
特殊ミルクは、一般に販売されている乳幼児向けのミルクとは異なり、先天性代謝異常症などの希少な疾患に使用することを目的として開発されている治療用のミルクであり、医師を通じて、必要としている赤ちゃんと患者さんに無償で提供されています。
特殊ミルクには先天性代謝異常症(遺伝疾患)の治療に使用される“登録特殊ミルク”と、消化器疾患や腎疾患など遺伝疾患以外の治療に使用される“登録外特殊ミルク”があり、症例に応じて使い分けられています。
2.国内の特殊ミルク事業について
1980年に厚生省(現:厚生労働省)の援助により「特殊ミルク共同安全開発事業(現:代謝異常児等特殊ミルク供給事業)が立ち上げられ、同事業を円滑に運営する機構として、小児科医師などの学識研究者と、特殊ミルクを製造・供給するメーカーの研究責任者などからなる「安全開発委員会」が発足しました。現在、供給の窓口は社会福祉法人恩賜財団母子愛育会・総合母子保健センターに設置された「特殊ミルク事務局」が担っています。
医療機関で新生児マススクリーニング検査(※1)を行い、代謝異常が判明すると、医師は「特殊ミルク事務局」に特殊ミルクの申請をし、特殊ミルク製造メーカー各社が医療機関に特殊ミルクをお届けする流れになっています。
※1 赤ちゃんの先天性代謝異常症等の病気をみつけるための検査。治療ができる病気を発病する前に見つけて治療を始め、赤ちゃんの障がいを予防するため、日本では生まれてきた赤ちゃんのほぼ全員が検査を受けています。
3.森永乳業の特殊ミルク事業について
当社は1921年に育児用ミルクを発売して以降、100年以上にわたり、母乳組成や赤ちゃんが必要とする栄養成分の研究、製造技術の開発と安全・安心の追求を続けてきました。
赤ちゃんにとって最良の栄養は母乳です。その一方、当社は希少疾患により母乳や市販されているミルクが飲めず、成長に支障をきたす赤ちゃんのための研究・開発も行ってきました。
1971年、心疾患の乳児の治療用として低ナトリウム粉乳の試作検討を医療機関より依頼されたことがきっかけで、特殊ミルクの研究・開発が開始。その後、特殊ミルク共同安全開発事業(現:代謝異常児等特殊ミルク供給事業)が発足してからこれまで、登録特殊ミルク・登録外特殊ミルク併せて20品目の特殊ミルクを開発・供給してきました。現在は登録特殊ミルク3品目、登録外特殊ミルク5品目を供給することで、同事業に貢献しています。
なお、これらの研究は、1993年に第1号の特定保健用食品として許可を受ける「低リンミルクL.P.K」(現在森永乳業グループの(株)クリニコで販売)の開発にもつながっています。
PDF版はこちら
https://prtimes.jp/a/?f=d21580-20221222-ec0f5ec38bffbadb58d289df1caf8b4d.pdf
<現在製造している特殊ミルク> 2022年12月23日現在
森永乳業グループは『サステナビリティ中長期計画2030』の「食と健康」において「森永乳業グループならではの、かつ高品質な価値をお届けすることで、3億人(※2)の健康に貢献すること」を掲げています。これからも健康課題に配慮した商品開発を進めてまいります。
※2 健康課題に配慮した商品の2021年度〜2030年度の延べ販売計画個数等の計画数、及び当社提供の健康増進・⾷育活動への参加⾒込み人数をリーチ数(人数)として計算