DAIZ株式会社(DAIZ Inc.)のプレスリリース
発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造するスタートアップであるDAIZ株式会社(本社:熊本県熊本市、代表取締役社長:井出 剛、以下「DAIZ」)は、植物性由来原料の世界的リーディングカンパニーであるRoquette社(本社:フランス オー=ド=フランス地域、以下「Roquette」)と資本業務提携を締結しましたことをお知らせします。これにより、共同研究による植物由来原料の更なる価値向上や、DAIZの植物肉原料「ミラクルミート」の海外での生産体制の構築と肉・魚・乳代替などの植物性食品(プラントベースフード)の海外供給を視野に入れ、長期的な協業を深めてまいります。DAIZとRoquetteは、両社の強みを活かし、革新的で持続可能な植物由来原料を生み出し、世界的な需要の高まりに応えることを目指します。
■資本業務提携の概要
Roquetteは、植物由来原料の世界的リーダーであり、植物性タンパクのパイオニア、かつ医薬品賦形剤のトップメーカーです。現在100カ国以上で事業を展開し、売上高は39億ユーロ(約5,500億円)に達しています。新しい植物由来原料を開発する世界最高の専門家たちが結集したRoquetteは、欧州とカナダの二大陸でエンドウタンパク工場を有する世界的リーダーかつ唯一の企業として、世界で拡大する植物性タンパクの需要に応える独自の地位を築いています。
一方、熊本発のフードテックベンチャーであるDAIZは、独自の発芽手法「落合式ハイプレッシャー法」をコア技術とし、環境負荷の小さい次世代植物肉「ミラクルミート」を生み出しました。2021年5月に米国・ボストンに子会社・DAIZ USA Inc.を設立し海外展開の一歩を踏み出した後、2022年春にはタイへ「ミラクルミート」を輸出し、現地企業による商品化・販売が開始されるなど、国内市場のみならず海外市場へ進出を加速させています。
今般のRoquetteとの資本業務提携は、DAIZの植物肉原料「ミラクルミート」の海外展開を加速させるものとなります。具体的には、エンドウタンパク及びその他植物由来原料の安定供給や共同研究による「ミラクルミート」の価値向上を図ると同時に、DAIZの技術ライセンスに基づく生産体制の構築や肉・魚・乳代替などの植物性食品(プラントベースフード)の2023年中の市場投入を視野に、長期的な協業関係を模索して参ります。
■Roquette CEO Pierre Courduroux様よりコメント
我々は、より多くの消費者がより頻繁にプラントベースフードを楽しんで頂けるような美味しい商品の開発に取り組むお客業企業のベストパートナーでありたいと思っています。DAIZへの出資は、植物由来原料の開発を続けお客様のこのような期待に応えるという我々の強いコミットメントを示しています。
約1年前にカナダで世界最大級のエンドウタンパク工場を建設し、またNUTRALYS®製品群に有機エンドウタンパクとコメタンパクを加えていますが、本取組みはそれに続く試みになります。我々は、お客様との共同開発と新しい植物性タンパク原料の拡大に向けて、引き続き卓越した機能群を揃えて参ります。
■DAIZ 代表取締役社長 井出 剛よりコメント
えんどう豆プロテイン分野並びに食品・栄養・健康市場における植物性原料の世界的リーダーであるフランスのRoquetteグループと提携できましたことを大変うれしく思っています。「えんどう豆プロテイン」は、欧米で拡大する植物肉には欠かせない原材料です。今回の提携を通して、DAIZの発芽技術(落合式ハイプレッシャー法、特許第5795676号)が寄与することが出来ましたら、さらに機能性の高い「えんどう豆プロテイン」を植物肉市場などに提供することが可能になります。
DAIZは国内のみならず欧米の植物性代替市場にミラクルミートを普及させることを目指しています。Roquetteグループと提携できましたことは大きな飛躍になると確信しております。
■グローバル・ブレイン パートナー 木塚 健太様よりコメント
植物性タンパク質のグローバルリーダーであるRoquette社の製品にDAIZ社の世界的にも高い技術を応用することで、今後も成長を続ける市場にさらに美味しく顧客満足度の高い製品を展開することができると考えております。DAIZ社にとっては先行する欧米でのマーケットにおいて、DAIZの技術を活かした植物肉原料の展開を加速させるものなり、誠に喜ばしく思っております。
今回の資本業務提携を通じて、両社にとっての事業成⻑およびより高品質な製品を顧客に届けることで、さらなる市場の成長に寄与するものと期待しております。
■サステナブルな世界の実現に寄与する植物肉
植物肉(プラントベースミート)は、牛・豚・鶏に次ぐ新たなお肉のカテゴリー・次世代の食品として注目が高まっています。地球温暖化の原因である温室効果ガスの排出を抑える効果が高く、同時に2030年に予想されているタンパク質危機の解決の一助となる代替タンパクともなる植物性食品(プラントベースフード)です。欧米やアジアでの市場成長も著しく、日本でも徐々に認知が広がっている植物肉は、世界で9兆円を超える市場と見込まれています*1。DAIZは植物肉「ミラクルミート」の普及を通じて、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成とサステナブルな社会の実現に貢献して参ります。
*1 UBS「MARKETS INSIDER NEWS(Jul 19,2019)」より。
■DAIZの発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」について
DAIZは長年研究してきた独自技術により、従来の植物肉で課題とされていた、①味と食感に残る違和感、②大豆特有の青臭さや油臭さ、③肉に見劣りする機能性(栄養価)を解決し、美味しい植物肉の開発に成功しました。
<DAIZの植物肉「ミラクルミート」の特徴>
特徴1.原料に丸大豆を使用
従来の植物肉は、大豆搾油後の残渣物である脱脂加工大豆を主原料としていましたが、「ミラクルミート」は原料に丸大豆まるごとを使用しています。さら、オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みを無くし、異風味を低減しています。
ミラクルミートは畑からの大豆を丸っと使用しています
特徴2.旨味や栄養価を増大、肉様食感を再現する独自技術
味や機能性を自在にコントロールする「落合式ハイプレッシャー法」*2によって発芽させることで、旨味や栄養価を増大させます。発芽大豆をエクストルーダー(押出成形機)*3により膨化成形し肉のような弾力と食感を再現しています。
DAIZの植物肉ミラクルミート
特徴3.独自製法による価格競争力
旨味や栄養価が増大した発芽大豆を使用しているため、他の原料や添加物を足す必要がなく、シンプルな製造プロセスを実現しました。原価低減により、牛肉・豚肉・鶏肉に対し、価格競争力があります。
▲DAIZの植物肉「ミラクルミート」の製造工程
*2 大豆の発芽中に酸素・二酸化炭素・温度・水分などの生育条件を制御し、酵素を活性化させることで遊離アミノ酸量が増加し、素材の旨味を引き出す栽培法。(特許第5722518号)
*3 材料に水を加えながら、高温下でスクリューで圧力をかけ押し出すことにより混練・加工・成形・膨化・殺菌等を行う装置。
■会社概要
Roquetteについて
Roquetteは、植物由来原料の世界的リーダーであり、植物性タンパクにおけるパイオニア、かつ医薬品賦形剤におけるリーディング企業です。全て天然由来の原料を用い、食品、栄養、健康市場に向けに革新的な原料を開発し、全く新しい植物性タンパクの食・料理に貢献しています。
社名:Roquette Frères
本社:フランス オー=ド=フランス地域
設立:1933年
社員数:約8,000人
HP:https://www.roquette.com/about-roquette/a-global-company
DAIZについて
DAIZは、独自技術「落合式ハイプレッシャー法」をコア技術とした熊本発のフードテックベンチャーです。DAIZが生み出した環境負荷の小さい次世代植物肉「ミラクルミート」の普及を通じて、サステナブルな食文化を啓蒙し、持続可能な社会の実現を目指しております。
商号:DAIZ株式会社(https://www.daiz.inc)
代表者:代表取締役社長 井出 剛
所在地:〒860-0812 熊本県熊本市中央区南熊本五丁目1番1号 テルウェル熊本ビル4階
設立:2015年12月1日
資本金:1億円(累計資本調達額95.8億円)
事業内容:発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」及びその他の植物性食品の開発・製造及び販売