アイルランド政府食糧庁(ボード・ビア)のプレスリリース
安心安全でサステナブルな「ヨーロピアン乳製品 from アイルランド」2022年対外輸出増加を発表
このたびBord Bia (ボードビア、アイルランド食糧庁)は、2022年度のヨーロピアン乳製品 from アイルランドの対外輸出金額が、6800万ユーロとなる旨を発表しました。
EUは世界最大の酪農乳製品生産地で、高品質、かつ栄養価の高い乳製品を生産することで知られており、EU圏内27市場において、2022年度は、約1億4400万トンの牛乳を生産しました。アイルランドでは、酪農生産量が過去8年間80%の伸びを見せ、同年880万トンの牛乳を生産、世界130の国と地域に乳製品を輸出するまでとなりました。2022年のアイルランド産乳製品全体の輸出量は、対前年比33%以上増加し、26万9806トンのチーズを含む170万トンを記録しました。
また、EUから日本へのチーズ輸出については、2018年に制定された日EU経済連携協定(EPA)の恩恵を受け、関税が引き下げられたことで、緊密なパートナーシップが構築されており、2018年以降、EUから日本へのチーズの輸出量は10%以上増加し、年平均で約12万トンとなっています。アイルランド産乳製品の対日輸出量の内訳は、チーズが最も多く1万4000トンを超え、カゼイン、濃縮ミルクたんぱく質も、まだ数量は少ないものの、同様の伸びを見せています。アイルランド産乳製品の対日輸出量は、今後も増加することが見込まれ、特にチーズは2022年に、対前年比27%増の輸出額となる7000万ユーロ以上に達すると予想されます。
アイルランドのヨーロピアン乳製品の対日本輸出 金額ベース前年同期比
アイルランドは、持続可能性と品質基準に関して世界トップクラスといえ、EUの加盟国として安全で栄養価の高い食品、高水準のアニマルウェルフェア、食品の原産地と表示に関する明確な情報を保証することを目的としたEU食品安全政策のひとつ「農場から食卓まで(Farm to Fork)」を遵守し、実行しています。食糧の値ごろ感、入手のしやすさ、品質などの項目に加え、安全基準、天然資源、レジリエンスなどを考慮し、58項目にわたって113カ国を評価する認定規格「世界食品安全イニシアチブ(GFSI)」でアイルランドは、2021年世界第1位を獲得しています。
加えて、アイルランドは、本年は自国独自・世界で唯一の持続可能な食品・飲料を支える国家プログラム「オリジン・グリーン」が10周年を迎えます。このプログラムを達成するためには、生産者の協力が不可欠であり、アイルランド産の食品・飲料輸出の90%に及ぶ、国内55,000の生産者や300企業がメンバーとして参加しています。あらゆるステージで独立した監視と検証を行うアイルランドの酪農は、温室効果ガス排出強度の点で、世界で最も負荷の少ないシステムのひとつであると自負しており、生産量1kgあたり平均0.97kgのCO2を排出している計算です。「オリジン・グリーン」のプログラムを通して、酪農における温室効果ガス排出量については、過去8年間で7%のCO2を削減できた実績があり、さらなる削減を達成するために業界全体で努力が続けられています。
そしてアイルランドでは、昨年アイルランドのほぼ100%の酪農家が参加する持続可能な酪農保証スキーム(SDAS)を開発。SDASは、品質保証の要件を監視し、農場のパフォーマンスデータを収集し、個々の農場レベルでアイルランドの酪農の持続可能性を実証しています。
ヨーロピアン乳製品「アイルランド、自然との共生」キャンペーン、2022年に本格化、
2023年に向けてさらに充実
日本ではヨーロッパ連合(EU)との協力キャンペーン、ヨーロピアン乳製品fromアイルランド「アイルランド、自然との共生」が、2022年4月より始動しており、アイルランドが高品質かつサステナブルな方法で生産されたヨーロピアン乳製品の原料供給国であることを訴求しています。本年は、3月7日から10日まで開催される、国際食品・飲料展FOODEX JAPAN2023に出展する他、業界向けセミナーや、酪農業界関連メディアの生産現場の視察取材を予定しています。「EUとアイルランドは、持続可能な方法で生産された高品質の乳製品にますます価値を求める日本の地元企業との良好な関係を歓迎しており、日本の顧客は、品質、食品安全、とりわけ味に関して非常に高い期待を持っていることを理解しており、私たちのヨーロピアン乳製品 from アイルランドはその期待に十分応えられると確信しています。2023年は、ヨーロピアン乳製品fromアイルランドの認知度を高め、既存パートナーはもちろんのこと、新たなパートナーシップも積極的に構築していきたいと考えています。」
(ジョー・ムーア、アイルランド食糧庁
ジョー・ムーアアイルランド食糧庁日本市場スペシャリスト