株式会社グレープリパブリックのプレスリリース
山形県南陽市に醸造所をもつGRAPE REPUBLIC(株式会社グレープリパブリック、所在地:山形県南陽市)は、2023年4月18日(火)に新商品「Cabernet Franc 2021」をリリースします。GRAPE REPUBLICが初めてカベルネ・フランを主要品種にした赤ワインです。醸造所がある置賜地域の生産者・小川農園(園主・小川徹)が育てたカベルネ・フランを使ったワインでもあります。醸造責任者・矢野陽之とともに5年の歳月をかけて完成させた「Cabernet Franc 2021」(https://shop.grape-republic.com/c/item/cat_wine/GRC1082)の発売によって、GRAPE REPUBLICが表現する山形県置賜地方のテロワールを、多面的により深く表現することができるようになります。
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開発背景|山形県置賜地域に適したブドウ品種を模索
GRAPE REPUBLICではこれまで、生食用品種として知られ、ワイン用ブドウとしても栽培されるデラウェアやナイアガラ、スチューベンなどを使ったワイン造りをしてきました。それは、GRAPE REPUBLICの醸造所がある山形県置賜地域が、もともと生食用のブドウを栽培していたためです。
出来あがったそれらのワインは、軽やかで飲みやすく和食にも合わせやすい一方で、グローバルなワイン市場で見れば主流とはいえません。国内外のワインラヴァーは、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなど、国際的に主流とされるブドウで造られたしっかりと強いワインを好む傾向にあるからです。
GRAPE REPUBLICでも、これまで積み重ねてきたデラウェアなどの品種で造ったワインとともに国際品種のワインを両立して造ることが課題でした。今回発売された「Cabernet Franc 2021」の主要品種であるカベルネ・フランは、ヨーロッパのワイン造りで頻繁に使われている国際的なブドウ品種です。
置賜地域の気候風土に適したブドウ品種として期待できる「カベルネ・フラン」の栽培を2017年にスタート。5年の歳月をかけてようやくワイン造りができるまで収穫量が増えたことを機に、最初のワイン(ファーストヴィンテージ)をリリースすることができました。
Cabernet Franc 2021の商品画像。
「Cabernet Franc 2021」のイメージビジュアル。
- 「カベルネ・フラン」について|世界中で知られる国際品種
カベルネ・フランは、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローといった世界的に知られる黒ブドウ(赤ワイン用ブドウ)の元になった品種で、世界中で栽培されています。とくにフランスでの栽培が多く、2019/20年の栽培面積で、およそ3.2万ha。フランスで6番目に広い栽培面積をもつ赤ワイン用ブドウ品種でもあります。
フランス南西部の伝統的なワイン産地で伝統的にワインをブレンド(アッサンブラージュ)するボルドーでは、カベルネ・フランがブレンドする原種の一つとして用いらているほか、フランス北西部のロワールでは、カベルネ・フランのみで赤ワインが作られるなど、地域ごとに扱われ方は違います。
以前からヨーロッパなどの気候に比べて、高温多湿な日本では、国際品種の栽培が難しいなどの課題がありましたが、近年は日本に適した品種の選定や、育成技術などの成熟もあり、栽培面積は増加しています。
日本での栽培面積は微量ですが、山形県や長野県などで増加傾向にあります。
世界中で広く栽培されているカベルネ・フラン。
カベルネ・フランの畑の風景。
- 「Cabernet Franc 2021」について|4つのポイント
1.契約農家小川農園のカベルネ・フランを使用
カベルネ・フランは、契約農家である「小川農園」(山形県高畠町)の小川徹氏が栽培しています。2018年春に植えた苗木は、4年目の2021年10月にようやく0.6tを収穫出来るようになりました。今回リリースされるのは、この初めて収穫されたカベルネ・フランを醸造したファースト・ヴィンテージです。
ブドウ生産者の小川徹さん。
2.アンフォラ醸造の後、ステンレスタンクで熟成
2021年10月10日に収穫し、その日のうちに醸造所内で除梗し、ブドウの実を皮ごとアンフォラ(素焼きの壺)に入れ8日間発酵させました(スキン・ファーメント)。8日間のスキン・ファーメントの後、圧搾。できた果汁を、ステンレスタンクに移し3週間発酵した後、春までステンレスタンク内で熟成させています。滓引きした後、7月までさらに熟成し瓶詰。半年置いた後、リリースしています。
アンフォラを使った仕込みの風景(ブドウは、カベルネ・フランではありません)。
3.プラムのような果実感とゴボウのような青いニュアンス
ベリーの果実味や木イチゴ、スミレの香りで、冷涼さを感じるのがカベルネ・フランを使ったワインの特徴です。また、ゴボウのような土の根に似た風味を感じられます。
4.薫香を感じる料理、また青みや土の香りのある野菜に合わせる(テイスティングコメント)
【テイスティングコメント Cabernet Franc 2021】
「サローネグループ」 エグゼクティブ ソムリエ 野田俊輔
◆香り&味わい
香りはフレッシュなブラックベリーに紅茶のような香ばしさも加わった複雑な印象。味わいはほどよい酸味と心地よい青みが広がり、余韻にはやわらかなタンニンを伴います。
◆温度とグラス
温度が上がり過ぎないように保冷して召し上がることをオススメします。グラスは中程度のもので、形状はボルドー型に近い方が味わいのメリハリが感じられます。
◆料理の組み合わせ
ワインの特徴的な香ばしさや、しなやかな味わいを活かして、薫香を感じる料理、また青みや土の香りのある野菜などをオススメします。たとえば「真鴨のスモーク」「グリーンアスパラ・キノコ・砂肝のアヒージョ」などです。
また、春らしく、ふきのとう味噌を使った和牛のホイル焼きなどもオススメです。ベースは赤黒い果実のイメージですので、赤身のお肉によく合います。ワインの香りは、香ばしい印象もあるので、焼いた香ばしさは相性が良さそうです。さらに、ワイン単体では青みがあってドライな印象がありますので、ふきのとうの青みをリンクさせながらギャップになる甘味と油を加えて作る料理は相性が良いでしょう。
◆その他
抜栓後すぐのフレッシュな味わいはもちろん、2日目は柔らかさが出た状態をお楽しみいただけます。
「Cabernet Franc 2021」は、赤身肉やアスパラガスなど、土の香りのある野菜とよく合う。
- 商品概要
「Cabernet Franc 2021」(カベルネフラン 2021)
定価 3,960円(税込)
発売日時 4月18日(火)正午
タイプ 赤ワイン(果実酒)
生産者 GRAPE REPUBLIC
生産地 山形県南陽市
ブドウ生産者 小川徹(小川農園、山形県高畠町)
ブドウ品種 カベルネ・フラン Cabernet Franc 88%、カベルネ・ソーヴィニヨン Cabernet Sauvignon 12%
アルコール分 11.5%
内容量 750ml
「Cabernet Franc 2021」
※注意事項
・飲酒運転は法律で禁止されています。
・妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与える恐れがあります。
・未成年者の飲酒は法律により禁止されています。
公式オンラインショップでの販売URL
https://shop.grape-republic.com/c/item/cat_wine/GRC1082
- 開発者のコメント|GPARE REPUBLIC醸造責任者・矢野陽之
カベルネ・フランは、契約農家である「小川農園」(山形県高畠町)の小川徹さんが栽培しています。2018年春に植えた苗木は、4年目の2021年10月にようやく0.6tを収穫できるようになりました。今回リリースされるのは、この初めて収穫されたカベルネ・フランを醸造したファースト・ヴィンテージです。
フランスのロワール地方やボルドー地方などで栽培されているカベルネ・フランは、比較的早熟で冷涼地でも完熟しやすい特徴があります。以前からその特徴が、置賜地域に合うと感じていました。実際、置賜地域の他の畑では、すでにカベルネ・フランを栽培している農家さんもいらっしゃいました。
ある日、カベルネ・フランのことを小川さんに話すと「カベルネ・フランの苗木が欲しい」と申し出てくれました。小川さんご本人もカベルネ・ソーヴィニヨンは完熟するのが遅く、冬が来る前に収穫できるような、置賜地域での栽培にもっと適した品種があるのではないかと考えていたからだそうです。
小川さんは、とても研究熱心な方です。カベルネ・フランの栽培もやり方を毎年変えて試行錯誤していました。とても知識が豊富なので、GRAPE REPUBLICの自社畑のことでも相談させてもらっています。小川さんと一緒でなければ、こんなにも早くカベルネ・フランのワインを造ることはできなかったと思います。
カベルネ・フランは、思っていたよりも何倍もいいと思います。まだ4年目なので若木ですが、しっかり深いワインができました。とくに2021年は、9月末から10月にかけて雨が降らなかったので、しっかり糖度があがって熟すことができました。プラムのような果実感がありながら、ゴボウのような青いニュアンスもあり、清涼感があると思います。
GRAPE REPUBLICの責任者、矢野陽之。
矢野陽之 プロフィール
1989年、神戸市出身。調理師学校卒業後に神戸市のイタリアンレストランに勤務。ソムリエの資格取得後、イタリア、オーストラリア、ニュージーランドに渡り、ブドウ栽培、ワイン醸造を学んだ。ニュージーランドでは、GRAPE REPUBLICのアドバイザーでもあるAlex Craighead(アレックス・クレイグヘッド)氏に師事。2018年、「GRAPE REPUBLIC」に参画するため帰国し、山形県南陽市に移住。2019年から醸造責任者に。
- 山形県置賜地域とは
置賜地域は、米沢盆地を中心に長井盆地や小国盆地からなる山に囲まれた山形県最南端の地域です。日本海の影響が濃い盆地型気候で、一日の寒暖の差が大きく、夏は高温多湿、冬は、日本海からの季節風の影響で風雪の日が多い豪雪地帯でもあります。
地域最大の自治体である米沢市を中心に8の市町が置賜地域に含まれます。このなかでもワイン造りが行われているのは、GRAPE REPUBLICの醸造所がある南陽市や小川農園がある高畠町、米沢市などの地域東部にあたります。
古くから果樹栽培が盛んだった山形県のなかでも、置賜地域はワイン用ブドウの栽培も早かったことで知られています。1873年(明治6)には、山形県の官営畑が高畠町に開かれており、1892年に南陽市赤湯町でワイン造りを開始した「酒井ワイナリー」は、現在、東北最古のワイナリーとされています。
日差しをたっぷりと浴びる盆地の斜面にブドウ畑が開かれ、ワイン用のほか、地域の主要品種であるデラウェアのほか、シャインマスカットなど生食用の大粒ブドウの栽培が盛んです。
醸造責任者の矢野は、南陽市や高畠町の気候について「湿度が比較的低くて、ブドウの収穫時期の寒暖差がきちんとあって、比較的雨も少ないです。ワイン用のブドウが作りやすいと思います」といいます。
なお2016年に南陽市が、県内で2例目となるワイン特区に認定されたこともあり、ワイナリーの設立が増えており、ワイン産地としての置賜地域にさらに注目が集まっています。
置賜エリアの風景。
- GRAPE REPUBLICとは
GRAPE REPUBLICは、土地ごとの気候、地勢、土壌のみならず、そこに暮らす人や、人々が育んできた文化を含めた「テロワール」という概念を第一に考えたワイナリーです。2017年の設立以来、一貫して“Made of 100% Grapes”という言葉を掲げてワインを造り続けています。ブドウ以外のものを一切使わず、ワインを造るという意味で、醸造の過程で、酸化防止剤は使用せず、補糖や補酸も行わず、酵母は天然のものだけにこだわっています。
この姿勢は、ワインの原料になるブドウの栽培においても一貫しており、南陽市や置賜地域の風土を生かして作られたワイン用ブドウを第一に、自社畑では除草剤や殺虫剤をはじめとする農薬はもちろんのこと、肥料も与えていません。
設立前から育てていたブドウは、2015年に100kgの収穫量でしたが、周囲の契約農家の協力もあり、2019年には60tにまで増えました。また2020年には約1.5haの自社ぶどう園を増設し、今後は新品種を加え収量100t以上10万本のワイン造りを目標にしています。
2017年9月末には、2年に及ぶ建設期間を経て醸造所が完成しました。施設の特徴は、スペインから直輸入した陶器壺を地中に埋めて醸造するアンフォラ醸造です。大小合わせて17基、最大1000Lもあるアンフォラ醸造施設は国内最大級です。アンフォラを使ったワイン造りは8000年ほど前からあるもので、GRAPE REPUBLICが目指す“Made of 100% Grapes”のワイン造りに適していることから、採用を決めました。アンフォラ醸造をメインにステンレスなどのタンクも併用することで、自然な造りでありながら安定した品質のワイン造りも可能になります。
海外では気候や土壌の影響で、濃厚なブドウ造りが主流ですが、日本では生食用のブドウが盛んだったため、繊細な風味のブドウが多く作られてきました。しかし、その繊細さを武器に、日本に根差したブドウだけでなく、国際的に認知されているブドウ品種も材料に加えながら、山形県南陽市でしか造りえない土地の個性を表現していきたいと考えています。
GRAPE REPUBLIC 公式サイトURL
https://grape-republic.com/
GRAPE REPUBLICの醸造所の外観。
ブドウの選果の様子。
【お問合せ先】
株式会社グレープリパブリック
広報担当:三ヶ山(みかやま)
電話:0238-40-4130
メールアドレス:info@grape-republic.com