レモン果汁の摂取が健常者の愛情ホルモン(オキシトシン)の分泌と心理状態に及ぼす影響について

サッポロホールディングスのプレスリリース

サッポロホールディングス(株)のグループ企業であるポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社(代表取締役社長:時松浩、本社:愛知県名古屋市)は、レモン果汁の摂取が健常者の愛情ホルモン(オキシトシン)の分泌と心理状態に及ぼす影響について確認しました。その結果を、日本食品科学工学会第70回記念大会で発表しましたので、お知らせします。

研究背景と目的

 新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、今までのコミュニケーションの在り方が変化し、他者とのつながりが以前よりも希薄になってきていることをうけ、社会性や他者との信頼関係に関与する愛情ホルモン(オキシトシン)に着目して研究を進めてきました。今回、ヒトを対象としてレモン果汁の摂取による唾液中のオキシトシンおよび心理状態へ及ぼす影響についての試験をおこないました。

愛情ホルモン(オキシトシン)とは

親子(乳児)の肌と肌の触れ合いでオキシトシンというホルモンの分泌量が上昇することから、「愛情ホルモン」とも呼ばれる物質。「愛情形成」に重要な成分であり、良好な対人関係が築かれている時に放出され、「社会性」に関与するといわれています。

研究方法と結果

①26~54歳の健康な男女25名を対象に、レモン果汁30 mlを摂取してもらいました。

②摂取前と摂取から5, 20, 60分後に唾液採取し、唾液中オキシトシン濃度の変化を調べました。

③摂取前と摂取から55分後に2種類の質問紙(※)を用い、心理状態の変化を調べました。

※質問紙には、多面的感情状態尺度(短縮版)(寺崎・岸本・古賀, 1991)と対人信頼感不信感尺度(堀井・槌谷, 1995; 天貝, 1995)を用いました。

 

その結果、摂取から5, 20分後に、摂取前と比較して唾液中のオキシトシン濃度が有意に高くなることがわかりました(図1)。また、質問紙では、摂取前後で否定的な感情項目の「不安」「倦怠」「敵意」が有意に低下、「対人信頼感」が有意に上昇することがわかりました(図2)。

 

これらの結果から、レモン果汁を摂取することで、愛情ホルモン(オキシトシン)の分泌促進、一時的な否定的感情の緩和および対人関係における肯定的感情を高めることに有用である可能性が示唆されました。

学会発表の概要

1.演題:レモン果汁摂取による唾液中オキシトシンと心理状態への影響

2.発表者:ポッカサッポロフード&ビバレッジ(株)

     尾関大徳、岡部昇悟、網谷雄志、紺谷愛美、仲田創、平光正典、井上孝司、平山悌也

3.発表日:日本食品科学工学会第70回記念大会(2023年8月24日~26日)

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