医薬基盤・健康・栄養研究所と食品企業7社が連携し「食環境整備推進のための産学官連携共同研究プロジェクト」が始動

国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所のプレスリリース

国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(NIBIOHN)と、味の素株式会社、江崎グリコ株式会社、カゴメ株式会社、キッコーマン株式会社、日清食品ホールディングス株式会社、株式会社ニッスイ、株式会社 明治とが連携し、「食環境整備推進のための産学官等連携共同研究プロジェクト」を始動しました。「人生100年時代」を見据えて、健康寿命の延伸を実現するためには、産学官が一体となって食環境を整えることが必要です。本プロジェクトでは、健康への意識が高い人だけでなく、すべての人が、意識せず、自然に健康になれる食環境モデルを構築することを目指します。

プロジェクトの概要

健康で活力のある生活を送るためには、摂取する食べ物についての情報と、健康的な食べ物を利用できる環境づくり(食環境)が重要です。以下4つのワーキンググループ(WG)を推進し、科学的エビデンスを基にその実現を図ります。

1)    データベースWG

現在国内には、流通している加工食品の栄養成分情報を十分カバーできるデータベースはありません。本WGでは、企業と協働し、加工食品と料理の栄養成分のデータベースを構築します。このデータべースは、①摂取している栄養素のより正確な把握、②より健康的な食品・料理の情報取得ツールの基盤になることが期待されます。

2)    フィードバックWG

健康的な食環境をつくるためには、実際に健康に良い効果がでることだけではなく、おいしく、自然に続けられること(持続可能性)が大切です。本WGでは、データベースWGで構築したデータベースを活用し、栄養プロファイル(※)を基に日本の食生活や食文化にも配慮した、健康的か つおいしい料理モデルを創出します。

※ 栄養プロファイル・・・栄養成分に応じて、食品を区分またはスコア化するもの

3)    社会実装WG

本WGでは、スーパー等の小売店での、消費者の行動を分析し、健康的な食品や料理に自然に手が届くシステムを構築することで、意識しなくても、自然に健康な食生活を送ることにつながることが期待されます。

4)    シミュレーションWG

健康的な食事が普及することによる、将来の医療費と介護費への医療経済的効果をシミュレーションで予測します。消費者や企業・政府が健康的な食環境を選択する意思決定を行う際の、科学的根拠を提供します。

【本プロジェクトが目指すもの】

塩分の摂りすぎ、若い女性の痩せ、栄養格差など、暮らしの中には食に関わる健康への課題があります。いずれも個人の努力だけでは、解決が難しい課題です。健康的な食事と聞くと、「味はどうかな…」「自分はそんなに高い意識で取り組みを続けられない…」と思われる方がいるかもしれません。今回のプロジェクトでは、おいしい食事を提供するプロの食品企業が連携することで、そのようなイメージを変えて、自然に続けられる健康な食生活の在り方を提示することを目指してまいります。

そして、本プロジェクトが栄養学分野における産学官連携のモデルケースとなれるよう、取り組んでまいります。

 

 参加企業

契約締結済み企業、企業名称五十音順(2023年8月現在)

味の素株式会社

江崎グリコ株式会社

カゴメ株式会社

キッコーマン株式会社

日清食品ホールディングス株式会社

株式会社ニッスイ

株式会社 明治

 

 医薬基盤・健康・栄養研究所(大阪府茨木市、理事長:中村祐輔、「NIBIOHN」)について

2015 年 4 月 1 日に医薬基盤研究所と国立健康・栄養研究所が統合し、設立されました。本研究所は、メディカルサイエンスからヘルスサイエンスまでの幅広い研究を特長としており、メディカルサイエンスとヘルスサイエンスの融合を目指した研究を行っております。社会実装を志向し、病気と闘う人々や健康に生きていきたいと願う人々にとって希望となる研究を行うことを目指しております。

ウェブサイト:https://www.nibiohn.go.jp/

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