平成を代表する酒は何だったか【ほぼ百人に聞く酒飲みのミカタ】

酒文化研究所のプレスリリース

 平成の30年間でインターネットとスマホが普及一般化し、雇用の流動・細分化で社会は大きく変わりました。酒類も規制緩和が進み、多様な価値観が共存する時代になりました。今回はそんな平成を代表する酒は何かを聞きました(回答者は酒文化研究所のモニターで「ほとんど毎日酒を飲む」という方が7割です)。

   カテゴリーでは第3のビール・クラフトビール・ウイスキーハイボール

 まずはカテゴリーから平成を代表すると思う酒を選んでもらいました。1位は第3のビール(発泡酒・新ジャンルの合計)が42%。平成6年に登場し、今では国産ビール類全体の5割を超えています。2位はクラフトビールが29%。こちらも平成6年に誕生した地ビールから紆余曲折を経て成長進化してきました。3位はウイスキーハイボール27%。ウイスキーの需要が低迷していた平成前・中期から地道にハイボールのおいしい飲み方を啓蒙し、ここ数年のウイスキー全体の需要拡大へとつながっていきました。(図①)。経済的な第3のビールと割高でも個性を楽しむクラフトビールが共に上位に入り、昭和の時代に比べてビール市場が細分化してきた姿が伺えます。

   商品ではアサヒスーパードライ・獺祭・サントリー ザ・プレミアム・モルツ

 大きな流れはカテゴリーでとらえましたが、酒類は嗜好品ですから具体的な商品名が気になります。平成の時代を代表する酒としては「アサヒスーパードライ」32%、「獺祭」32%、「サントリーザ・プレミアム・モルツ」15%、「サントリーウイスキー角瓶」13%までが支持率が10%超えでした。

どれも平成の時代に新しい価値を提案し市場を創造できた商品です。社会現象としてニュースにもたびたび取り上げられました。以下は評価した人のコメントからです。

■アサヒスーパードライ(昭和62年発売)

「この味が、時代を変えた。今も記憶に残るメッセージです」(20代男性)

「ビールを苦さの飲み物からをスッキリ辛口へと一新した」(60代男性)

■獺祭(平成2年発売)

「日本酒をすっきりしたワインのような飲み物として日本酒ファンを拡げた」(60代男性)

「味もメッセージも世界を見据えた新時代の日本酒」(40代男性)

■サントリーザ・プレミアム・モルツ(平成13年発売)

「30代の頃に香りと高級感に魅かれて飲みまくったビールです。」(50代女性)

「プレミアムビールをはじめて知り、TPOで飲み分けるようになった」(50代男性)

■サントリーウイスキー角瓶(昭和12年発売)

「角ハイはウイスキーを食事しながら飲む酒に変えた」(50代男性)

「ハイボールでウイスキーを若者も飲む酒にした」(50代女性)

   昭和の代表は国産ビール、日本酒、ジャパニーズウイスキー

 平成と同様に昭和を代表する酒も聞いてみました。昭和はトップブランドを中心に今ほど定番交代が起きにくい時代でした。1位の「国産ビール」といえばキリンラガー、3位の「ジャパニーズウイスキー」といえばサントリーオールドが昭和後半の20年以上トップの地位を維持しています。2位の「日本酒」は際立つトップブランドこそ存在しませんでしたが、灘・伏見の大手NBが群として地酒が中心であった全国津々浦々へと展開して集中度が高まった時代です(図②)。

さて、もうすぐはじまる新しい時代をリードする酒はどうなるでしょうか。

■調査概要

調査時期:2019年1月29日~2月4日

調査方法:インターネット自記入式アンケート調査

有効回答:130

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