朝日大学マーケティング研究所のプレスリリース
調査の背景
新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行して、日常生活にも様々な変化が出始めています。このような環境下、コロナ禍の数年間で変わった生活スタイルが、移行後の現在の生活にどのような影響を与えているのかを把握するために、平日を中心に夕食に焦点をあてて調査を行いました。
「夕食に関する調査 夕食の現状編」の主な結果
■夕食の開始時間のピークは19時台にあり、平日より休日のほうが早い
平日は59.9%、休日は79.2%が19時台までに夕食を食べ始める。最も多くの人が食べ始めるのはどちらも19時台だが、休日のほうが食べ始めの時間が早い。これは20時台以降に食べ始める割合(平日38.8%、休日18.8%)からも読み取れる。夕食の開始時間のバラつきは休日よりも平日のほうが大きく、例えば「夕食を食べながらテレビを見る」という想定で番組内容を検討するならば、休日のほうが時間帯を絞りやすい。平日の開始時間にバラつきが生じるのは、性年代別による差が大きいことにもよる。夕食の開始時間が21時台以降の割合を属性別でみると、休日は1.9%~11.4%の範囲に収まるが、平日は5.7%~24.5%と男性を中心に高い。また平日の開始時間が19時台までの割合を属性別でみると、男30~39歳、女30~39歳、女40~49歳といった小さい子供を抱える家庭では相対的に高くなっている。
■平日は飲食時間が短いが、休日は飲食時間が1時間以上の家庭もある
夕食の飲食時間の加重平均を比べると、平日(30.4分)は休日(34.1分)よりも3.7分短い。60分以上の割合をみても、平日(2.4%)と休日(8.2%)で大差がみられる。休日は開始時間が早いだけでなく、飲食時間も長めである。平日、休日とも男性より女性のほうが飲食時間は長く、特に女18~29歳では30分以上の割合が平日、休日ともに半数を超える。若い女性を中心に休日は夕食をゆっくりと食べる人が多い。一方、男30~39歳と男40~49歳は15分未満の割合が相対的に高く、夕食時間がせわしない。短い人も長い人もいるが平均は30分程度であり、極端に長い時間ではない。「夕食を食べながら何をするか」というよりも「夕食を食べた後に何をするか」というほうが夜の自由時間としては圧倒的に長い。
■平日の夕食では米のシェアが8割以上、パンは1割未満
平日の夕食の食べ物としては米、肉類、野菜、海藻、魚介類がよく選ばれている。一方、朝食では米と並ぶ人気のパンだが、夕食では7.2%にしか選ばれていない。各食べ物の年代別のバラつきは男性で大きく、特に肉類、魚介類、豆類の3種類で差が大きい。男50~59歳は伝統的な食べ物をよく選ぶ一方で、「パスタ」「そば、うどん」「ラーメン、中華麺」などの麺類は夕食としてあまり選んでいない。女性は男性ほど年代別のバラつきは大きくないが、「フルーツ」「ヨーグルト」「麦、雑穀」は若い世代がよく選んでいる。
■今回の調査を通じて
ひと口に夕食と言っても、開始時間や食事時間は性別や年代などの要因によって、家庭ごとに異なります。また、平日は夕食の開始時間が各家庭で分散しており、20時以降に食べ始める家庭も少なくありません。一方、休日は開始時間が19時台に集中しており、まとまりがあります。休日に比べて平日の夕食の形態は、多様化しています。夕食ビジネスに関わる際は、ターゲットとなる家庭を絞り込み、きめ細かいマーケティング戦略を構築することが重要ポイントとなります。
調査の詳細
「夕食に関する調査(夕食の現状編)」
■調査期間:2023年9月25日(月)~ 9月29日(金)
■調査方法:朝日大学マーケティング研究所のパネル利用によるインターネット調査
■対象者:居住地 関東(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)
年 代 20代・30代・40代・50代
性 別 男女
■回収サンプル数:424名
調査データはこちら: http://marketing.asahi-u.ac.jp/wp-content/uploads/2023/10/2310.pdf
朝日大学マーティング研究所「公開リサーチデータ」
マーケティング研究所では、話題のサービス、消費トレンド、世の中の新しい動きを先取りした事象について、自主的に「トピックス・リサーチ」を実施し、調査データ集積のポータルサイトとして広くデータを公表しています。また、企業様などからの市場調査のご要望にスムースにお応えするために首都圏、東海圏など全国規模のモニターにアクセスできる仕組みを保有しています。
■名称:公開リサーチデータ
■調査レポート: 200本以上
■詳細:http://marketing.asahi-u.ac.jp/data/
朝日大学マーティング研究所について
【会社概要】
本社所在地:岐阜県瑞穂市穂積1851
所長:中畑 千弘 (経営学部教授)
事業内容: 消費行動の分析および研究、経営コンサルティング、マーケティングリサーチ、商品開発支援、
講演会・社会人セミナーの実施等
設立: 2002年4月