アイルランド政府食糧庁、秋のバーベキューシーズンを前に「持続可能なヨーロピアン・ラム from アイルランド 業界向けセミナー&試食会」を開催

アイルランド政府食糧庁(ボード・ビア)のプレスリリース

アイルランド政府食糧庁(以下、ボード・ビア)は、去る10月19日(木)「持続可能なヨーロピアン・ラム from アイルランド 業界向けセミナーならに、試食会」を都内ホテルで開催いたしました。

 2019年にラム肉の対日輸出が認められて以来、アイルランド産ラム肉の輸出量は、昨今の新型コロナウイルス感染症や円安など複数の要因の影響に関わらず、2021、2022、2023年と輸出量は着実に増加していると、ボード・ビア日本市場担当官、カレン・バリフが対日輸出の市場動向について発表しました。

 アイルランドから来日したボード・ビア本部、ラム肉・畜産部門マネージャー シェマス・マクメナミン氏は「アイルランドでは、ラム肉生産、ならびにグラスフェッドの赤身肉の生産は、小規模な家族経営の農場を基盤として成り立っています。生産効率性と持続可能性を常に向上させながら、個々の家畜により大きな注意を払うことを可能にしています。日本市場は、小規模ですが成長しています。特に、2023年1~8月の輸出は、金額・数量ともに前年同期から大きく伸びています。」と述べました。

  今回のセミナーでは、「ヨーロピアン・ラム from アイルランド」について実地での知見を披露してもらおうと、イベントに先立ち2023年6月に実施された「アイルランド現地視察研修ツアー」に参加した2名のゲストスピーカーをお招きし、現地の様子を発表してもらいました。

 インポーターの日吉良一氏(HIT株式会社代表取締役)は、ヨーロピアン・ラム fromアイルランドやマトンがいかに日本人の味覚に合うかについて「丘・山岳飼育羊と低地飼育羊の2種類のラム生産システムのおかげで、通年で安定した供給が可能です。牧草を主食とするヨーロピアン・ビーフ&ラム from アイルランドは、季節に関係なく素晴らしい品質である」とコメント。

           
 そして、大平美花氏(日本ハム株式会社 輸入商品部)は、アイルランドの牧草飼育の現場の様子や加工場視察の内容などの報告を行い「アイルランドの羊は牧草地で放牧され、牧草を餌としているので牧草の生育状況は、ラムの肥育に非常に重要な要因となっている。牧場の生垣の多くは低木や岩など自然にあるもので構成されており、意図したものだけでなく、伝統的に環境への負荷が少ない環境がそろっているな、と感じ、アイルランドの農家が伝統を引き継いで、大切に守っている農場が多いのも素敵だと感じました。」と述べました。

 その後は、ヨーロピアン・ラム from アイルランドをBBQ風に調理、様々な部位を味わえる試食会を開催し、イベントに参加いただいた40名を超える日本のインポーター、小売業者、ホールセラーや業界メディアが、アイルランド特有の恵まれた自然環境下で持続可能な牧草飼育で生産された「プレミアム・ラム」を実食し、その品質を確認しました。

アイルランド品質保証制度「オリジン・グリーン」

今年11年目に突入した「オリジン・グリーン」プログラムは、ボード・ビアが主導する世界初の国家的持続可能プログラムです。食品企業において、原材料調達、製造工程、社会の持続可能性などの分野で目標を設定、実施してきました。厳しい基準の順守を促すことで、アイルランド産食品の価値の向上において飛躍的な進化を遂げ、世界市場で差別化できる「優位性」を保ってきました。 

現在では、アイルランド国内の主要輸出企業のほとんどがこの制度に参加しており、加えて動物の健康・福祉、食品安全などにかかわる事項を各農場レベルで記録・モニタリングをする「持続可能な牛肉・ラム肉保証制度(SBLAS)」も導入され、「トレーサビリティ」、「アニマル・ヘルス」、「アニマル・ウェルフェア」、「温室効果ガスの排出量」などに関する評価を行い、安全性・トレーサビリティの面においては世界最高水準を誇っています。

「グラスフェッド認証制度」の導入

ヨーロピアン・ラム from アイルランドでは「グラスフェッド認証制度」を導入しています。同制度では、以下3点を基準としてまとめており、国際規格であるISO17065の認証を取得しています。

①    飼料のうち牧草が占める割合が最低でも90%であること

②    野外放牧の年平均日数が220以上であること

③    牧草以外の飼料の最大割合が10%未満であること

アイルランド政府は、現在EUに対しPGI(地理的表示保護)を申請しており「アイリッシュ・グラスフェッド・ラム PGI」の近い将来の実用化を目指しています。

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