現在、IR法に基づく統合型リゾート施設(ランドカジノ)をめぐり、2030年秋頃の開業を目安として準備が進められています。その詳細についてはまだベールに包まれた部分も大きいですが、「カジノ」と聞けばやはりラスベガスやマカオ、あるいはモナコやシンガポールなどといった、海外のゴージャスなイメージが思い浮かぶ方も多いはずです。
近年話題のオンラインカジノは自宅にいながらにして、スマホでプレイできたり、実際のディーラーとカメラ越しにカジノゲームをプレイできたりという良さもありますが、上記のカジノに代表されるような非日常的な空間を味わうことはできません。
ランドカジノならでは非日常性な空間を織りなす要素の1つにグルメがあります。ラスベガスのカジノホテルのビュッフェは比較的よく知られていますが、実はヨーロッパの各国には、ラスベガスのエンタメ色の強いカジノとは一味違う、大人な魅力を持つカジノが多くあります。この記事ではそんなヨーロッパ各国のカジノを楽しむ際にぜひ訪れてみたいグルメレストランを5つ紹介します。
①ヘリオット・ステーキハウス/ヒポドロームカジノ(ロンドン、イギリス)
イギリスにカジノがあることはあまり知られていないかもしれませんが、18歳以上の年齢制限を満たしていれば、日本人観光客でももちろん楽しむことができます。ここで紹介するのはロンドンでも最大規模のカジノ施設として有名なヒポドロームカジノ内にある「Heliot Steak House(ヘリオット・ステーキハウス)」です。
こちらは「ステーキハウス」という名前の通り本格的グリル料理が味わえるレストランで、ロンドンの「ベスト・ステーキハウス」に選出されたり、英国カジノアワードで「ベスト・カジノ・レストラン」を獲得したこともあり、豪華なカジノの中でシックなグリルを楽しむのにうってつけです。
このレストランのエグゼクティブ・シェフであるイオニス・グラメノス氏は、三ヶ月ごとにメニューを見直すとともに、週ごとのスペシャルを提供しており、リピーターの方にも退屈させません。またお肉が少し苦手という方も、シーフードやベジタリアン向けオプションも用意しているので心配無用です。
②カジノレストラン/カジノウィーン(ウィーン、オーストリア)
オーストリアの食べものといえばスイーツのザッハトルテが良く知られていますが、カジノ・ウィーンはそのザッハトルテの発祥の地と言われるホテル・ザッハーや、ウィーン国立歌劇場の目と鼻の先にあるウィーン中心部に位置しています。
クラシックなオフホワイトの外観の「カジノ・ウィーン」ですが、その内にあるレストラン「カジノ・レストラン・ウィーン」では、同様にクラシックな雰囲気を醸し出しつつ、モダンなアレンジの加わったオーストリア料理を楽しむことができます。
音楽の都として知られるウィーンですが、治安や交通の便の良さなどから、2023年「世界住みやすい街ランキング」の第一位に輝くなど、ヨーロッパの人々の間で人気が急速に高まっています。カジノの一歩外に出れば、伝統と最新文化が混じり合う濃厚な「ヨーロッパらしさ」を味わうことのできる街並みも非常に魅力的で、日本からの直行便も出ているので、バケーションの候補の筆頭と言って間違い無いでしょう。
③エストリル・マンダリム/カジノ・エストリル(エストリル、ポルトガル)
近年、旅行のデスティネーションとして人気沸騰中のポルトガルですが、首都リスボン近郊のエストリルは、数多くの有名人や王族たちがバカンスに訪れるリゾート地として知られています。
そんなエストリルにおける大人の社交場としての大事な機能を請け負ってきたのが、このカジノ・エストリルです。現存するヨーロッパのカジノの中でも最大規模と言われるこのカジノ・エストリルは、1931年開業という長い歴史をもち、イアン・フレミングのスパイ小説『カジノ・ロワイヤル』のロケーションのインスピレーションになったことで知られています。
そんなカジノでお腹を空かせたゲストを待つのは「エストリル・マンダリム」です。「マンダリム」は世界最高クラスの広東料理を提供するレストランとして強い自負を持っており、訪れるゲストには100点を超える膨大な料理のリストを提供します。ヨーロッパの西端でのバケーション中に、オーセンティックなアジアの味が恋しくなった時に、訪れてみるのも良いかもしれません。
④フーケ/カジノ・バリエール・ル・クロワゼット(カンヌ、フランス)
コートダジュールのリゾート地の一つ、カンヌといえば何よりも映画祭が有名ですが、美しいビーチ沿いにほど近いクロワゼット通りには、高級ブティックや威厳と品格のあるホテルが立ち並びます。
ホテル ・バリエール・ル・マジェスティックは1926年以来の長い歴史を誇る名門ホテルで、カンヌ映画祭に訪れる数多くのスターたちが泊まってきました。そんなホテルのルーフトップにある「フーク(Le Fouquet’s)」は美しいフレンチ・リビエラのビーチを一望できるレストランで、メニューの監修はミシュラン3つ星を持つシェフ、ピエール・ガニエール。地域の食材を重視した本物のフレンチを味わえます。
ホテル内にあるカジノ・バリエール・ル・クロワゼットは、カンヌのナイトライフを彩る人気の場所です。3000m²もの広さを誇るカジノは、スロットマシーンやポーカーなど多数のゲームを備え、世界中からのゲストたちを迎えています。
⑤ル・グリル/オテル・ド・パリ(モナコ)
最後はモナコのミシュラン1つ星レストラン「ル・グリル」です。こちらは、オテル・ド・パリの最上階にあるダイニングで、天気の良い日はサンルーフが開けられるので、昼間は地中海の輝く太陽、夜は星空を楽しみながら開放的な雰囲気のもと、食事を楽しむことができます。
また木目と爽やかな青を基調にしたレストランは、眼下には息を呑むようなモナコの夜景が広がり、新鮮な地中海料理とともに、贅沢な時間が過ごせること間違いありません。
レストランはカジノ・ド・モンテカルロに隣接する「オテル・ド・パリ」に入っておりカジノを楽しんだ後に、あるいは楽しむ前に食事を楽しむのに最適です。
この記事では、ヨーロッパ各国のカジノで楽しめるグルメ5選として、カジノのあるホテルに入ったダイニング、グルメレストランを紹介しました。中には、なかなか普段入ることのできないようなレストランもありますが、ひと時の非日常を味わえる特別なバケーションに、さらなる彩を添えられることは間違いありません。