meijiのプレスリリース
【研究成果の概要】
①ヨーグルトの摂取頻度の高さが免疫細胞であるNK細胞の活性化と関連性があることが示唆されました。
②ヨーグルトの摂取習慣がないグループと比較して、ヨーグルトを週3日以上摂取する習慣があるグループ
では、NK細胞活性が有意に高いことが分かりました。
③免疫指標である唾液中のsIgA※2分泌速度は年齢が若いほど高い値を示すことが示唆されました。
以上の結果から、加齢に伴う免疫機能の低下に、ヨーグルトの摂取が有効な方策となる可能性が示唆されました。
【研究成果の活用】
当社は免疫に関わる研究を長年実施する中で、より健康的な生活を送るには「免疫状態」が重要だと考えており、コロナ禍を経て「自身の免疫状態を高めたい」というニーズも一段と高まっていると捉えています。日々の食生活に取り入れやすいヨーグルトの免疫機能維持の可能性についての研究に取り組み、ヨーグルト商品を提供していくことで、お客さまの健康的な食生活に貢献していきたいと考えています。
※1:NK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、自然免疫で重要な働きを担い、ウイルス感染細胞やガン細胞を除去するなどの作用が知られています。
※2:sIgA(secretory immunoglobulin A:分泌型免疫グロブリンA)は、唾液中に分泌された抗体の一種であり、病原体に結合することで体内への侵入を防ぐ働きが知られています。
発表内容
【論文タイトル】
ヨーグルトの摂取習慣はNK細胞活性と関連する
【方法】
20歳以上の男女を対象に、免疫指標であるsIgAやNK細胞活性の測定と生活習慣に関するアンケート調査を実施して、免疫指標と生活習慣の関係を評価する観察研究を実施しました。
(研究に参加した542名全員にsIgAの測定と生活習慣に関するアンケート調査を実施し、sIgA分泌速度の外れ値を除外した481名で解析を行いました。また、検査を希望した149名に対して、NK細胞活性の測定を行いました。)
【結果】
①唾液中のsIgA濃度およびsIgA分泌速度について生活習慣や対象者の属性との関係を検討したところ、外れ値を除外した解析においてsIgA分泌速度は年齢が高いほど低値を示すことが示唆されました(相関係数=-0.1063)。
②ヨーグルトの摂取頻度とNK細胞活性にも関連性(相関係数=0.1666)があることが示唆されました。
③ヨーグルトの摂取頻度が高い人(週3日以上の摂取習慣がある人)、低い人(週2日以下の摂取習慣がある人)および摂取習慣がない人(食べない、またはほとんど食べない人)のNK細胞活性を比較したところ、ヨーグルトの摂取習慣がない人と比較して、摂取頻度が高い人のNK細胞活性は高値を示しました(図)。
図 ヨーグルトの摂取習慣とNK細胞活性の関連
【考察】
本研究の結果から、ヨーグルトの摂取頻度の高さは、NK細胞活性の高値と関連することが示唆されました。今後、さらなるデータを蓄積することで、免疫状態と生活習慣や対象者の属性に関するエビデンスが拡充されることが期待されます。