倉庫・配送業務におけるアシストスーツの有用性を実証実験にて確認

利用者の半数以上が継続利用希望、腰負担が最大 60%軽減も

株式会社イノフィスのプレスリリース

 東京理科大学発ベンチャーの株式会社イノフィス(東京都八王子市、代表取締役社長:乙川 直隆)は、腰へ の負担が大きい作業(荷物の持上げ、積込、引上げ、または荷卸し、移動、運搬)において、作業者の腰の負担 軽減、作業効率など生産性の向上をもたらすことができるかについての検証を行いました。

 本検証実験により特に、①当社製品、マッスルスーツ「Soft-Power」が業務に支障なく使用ができるか、② 同商品が身体的負担感の軽減に役立っているか、③同商品導入での事業インパクト、の 3 点の検証を行い、結 果的に①②③すべて有用である検証結果が出たことをご報告いたします。

 なお本プロジェクトは、多摩イノベーションエコシステム促進事業 リーディングプロジェクト(※補足)のひとつ として、事業主である東京都と、プロジェクトの業務を委託しているデロイトベンチャーサポート株式会社の サポートの元、4 社(森永乳業㈱東京多摩工場、㈱ヒューテックノオリン、㈱菊池製作所、㈱ナック)の実証フ ィールドで検証を行いました。

■検証結果

① 本検証実験にてマッスルスーツ「Soft-Power」を使用いただいた方へのアンケートの結果、50%以上の方が 今後も使用したいと、45%以上の方が Soft-Power を職場で採用してほしい、55%の方が Soft-Power がある 職場で仕事をしたいとの回答を得ました。 ②-1 着用者に筋電系センサーを用いた筋力負荷値の計測と分析を実施したところ特に固定位置での繰り返し 作業において、最大 60%の腰の負荷低減を確認いたしました。 ②-2 着用有無による業務改善効果を測定すると、着用した場合作業時間が短縮し、原材料の運搬業務の平均時 間が約 6%短縮されました。 ③ 導入検討を行う責任者への定性評価(デプスインタビュー)をいただいたところ、腰部に不安を抱えている従 業員が利用した場合に明らかな効果を実感し、退職率の軽減につながる可能性も示唆されました。

■ 背景と取り組み内容

 物流業界は長時間労働及び重作業を伴うことから就労希望者が伸びず、また、人員の定着率の低さや労働 者の高齢化等により人手不足が深刻化しています。さらに、通称「2024 年問題」と言われる、働き方改革関 連法に伴う時間外労働の規制強化も施行開始されたことから、働く環境の改善は最重要テーマとなっていま す。そうした中、配送・運搬業者が多く存在する多摩地域にてマッスルスーツ「Soft-Power」を活用した労 働環境の改善等を検証しました。また、Soft-Power の導入が作業者の健康促進につながり、生産性の向上を もたらすことも目指し、物流業界全体の労働環境の改善に貢献し、より持続可能な職場環境の実現に寄与す ることを目的としています。

■検証① アンケート調査

Soft-Power の着用者に対してアンケート調査を実施しました。

検証①アンケート調査(1)
検証①アンケート調査(2)

 アンケートの結果、50%以上の方が今後も使用したいとの結果になり、45%以上の方が Soft-Power を職場 で採用してほしい、55%の方が Soft-Power がある職場で仕事をしたいとの回答を得ました。アシストスー ツの物流業界への普及について、「邪魔になるのでは」「動きにくそう」という懸念点も多くあることも事 実です。今回当社のサポーター型のマッスルスーツ Soft-Power を活用いただくことで、「邪魔」「動きに くい」という懸念点を排除しつつ、配送・運搬業務における荷物の上げ下げや、車両の乗り降り、階段のお 昇り降りといった動きにも問題なく対応可能で、負担感軽減を体感いただけた結果だと考察いたしました。

■ 検証②-1 筋電計センサーを用いた筋力負荷値の計測・分析

 着用者に筋電系センサーを用いた筋力負荷値の計測と分析を実施したところ特に固定位置での繰り返し 作業において、最大 60%の腰の負荷低減を確認いたしました。これは広背筋の活動量が、マッスルスーツの 着用前後で最大 60%低減することを表しています。

※ 検証②-1 結果

検証②-1結果

■ 検証②-2 使用作業時間の AB テスト

 着用有無による業務改善効果を測定すると、着用した場合作業時間が短縮し、原材料の運搬業務の平均時 間が約 6%短縮されました。通常は疲労によって徐々にスピードが下がりますし、また途中で腰を伸ばす等 ちょっとした休憩動作を挟みますが、マッスルスーツによってそれらが減少した結果だと考えられます。時 間の短縮ということはもちろんのこと、従業員の方が快適に作業に取り組めるということは、時間短縮以上 の効果もあると考えています。

 参考)過去にも農業の実証実験を行い、同様に作業時間短縮の効果を確認しました。

 https://innophys.jp/wp-content/uploads/2022/02/1330ade9cd7874a1b3f340cbb9e2ff0c.pdf 

※ 検証②-2 結果

検証②-2結果

■ 検証③ 実証先へのヒアリング

 実証先企業管理者(安全担当マネージャー)に対して、労働者の身体面に関する課題感、Soft-Power 着用による作業効率や生産性、作業環境の変化などについてヒアリングを実施したところ、腰部に不安を抱 えている従業員が利用した場合に明らかな効果を実感していると回答し、退職率の軽減につながる可能性も 示唆されました。一方で、今はまだ腰部に不安を抱えていない 20~30 代の若い従業員への意識改革をして いく必要があるという声もいただきました。

■ 実証先企業・森永乳業㈱東京多摩工場さまからのアンケート抜粋

 当社東京多摩工場内で言えば、作業姿勢によっては腰痛を発症する恐れが常にあると認識しています。マ ッスルスーツ Soft-Power を活用した従業員から、腰部負荷軽減の効果や重量物運搬に限らず前屈姿勢での 作業に対する効果を感じることもあったと報告を受けています。現在腰痛を訴えている人の効果や、着用に 対する意欲的な姿勢は感じることができましたが、今後は自身が腰痛を発症する危機感の希薄な若年層への 働きかけは必要と感じました。完全に定着すれば長期的には定量効果も期待ができるでしょう。

■ 多摩イノベーションエコシステム促進事業 リーディングプロジェクトとは

 東京・多摩地域で、イノベーションを起こし続ける好循環(エコシステム)を作ることを目指して、中小 企業や大学・研究機関、スタートアップ等の多様なプレイヤーが交流し連携を強める取組です。そのうち、 重点的に取り組むべき9つのテーマが設定されており、その一つが本プロジェクトです。

▶多摩イノベーションエコシステム促進事業 https://tama-innovation-ecosystem.jp/ 

▶当社のリーディングプロジェクト https://tama-innovation-ecosystem.jp/project/logistics/1994/

■「マッスルスーツ Soft-Power」について

 マッスルスーツシリーズで培った人工筋肉のアシスト技術をサポーターの背面部に組み込むことで、サポー タータイプでは最強クラスの補助力を実現。また、身体への接触面積が小さいため暑さを感じにくく、夏場も気 軽に着用できます。肩のバックルでサポートをオン・オフに切り替えることができるため、着用したままで車両 運転も OK。一日中着用し続けていても疲れを感じません。

▶ マッスルスーツ Soft-Power 公式ブランドサイト:https://musclesuit.co.jp/soft_power/

■ 株式会社イノフィス 会社概要

イノフィスは「生きている限り自立した生活を実現する」をミッションとし、少子超高齢社会における課題先 進国の日本から世界へ向けて、より多くの方が生涯にわたって活躍し続けられるよう、今後も人によりそった 製品の開発、提供に努めてまいります。

会社名:株式会社イノフィス

所在地:〒192-0082 東京都八王子市東町 7-6 エバーズ第 12 八王子ビル 5 階

設立:2013 年 12 月 27 日

代表取締役社長:乙川 直隆

WEB:https://innophys.jp 

TEL: 0120-046-505

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