日本酒の長期熟成に取り組むブランド『八継(はっけい)』は、50年熟成酒をはじめ、特設Webサイトよりお買い求めいただけるシリーズが4種となりました。製造元は、沢の鶴株式会社(本社:神戸市灘区)です。
沢の鶴株式会社のプレスリリース
50年熟成という事実。『八継 刻50 純米』『八継 刻50 本醸造』
長期熟成を経ることで生まれる、人の手を超えた「時間」という価値。
日本酒ブランド『八継』は、通常3年以上で古酒といわれる日本酒業界において、2023年に50年熟成という稀少性の高さを誇る『八継 刻50 純米』と『八継 刻50 本醸造』を発売いたしました。
『八継 刻50 純米』『八継 刻50 本醸造』の仕込みが行われたのは、ちょうど日本酒の国内出荷量が最盛期を迎えた1973年。(日本酒の国内出荷量は1973年(昭和48年)にピークとなる177万㎘に達し、その後は、減少傾向で推移し、2020年には約1/4となる41万㎘まで減少)。つくればつくるほどお酒が売れる時代に、あえてそれを寝かせることを選択し、日本酒の長期熟成に挑んだ造り手たちがいたのです。
厳密に低温管理された貯蔵庫のなかで、一年ごとに品質と味わいの変化を確かめ、その営みはやがて次の代へと受け継がれていきました。
一般的な熟成酒は、その熟成の過程でゆっくりと深みを増し、色付きを濃くしていきます。しかし、そこからさらに年数を経て熟成が進むことで、いくつかの成分が澱になって下へ沈み、光を透過させた琥珀のように澄み渡るクリアな色へと変化していきました。
実際に時間を重ねてみなければ、出会えなかった発見でした。そして、その味わいは、今もなお熟成を進めながら研ぎ澄まされようとしています。
山田錦の名産地と蔵元の絆、そして、15年の長期熟成が育んだ『八継 刻15 実楽』
実楽(じつらく)とは、兵庫県三木市吉川町にある集落の名前。古くから山田錦の名産地として知られています。この集落では、地域の米づくりを守るために、農家と蔵元が協力して「村米制度」と呼ばれる関係を築き、明治時代から今日に至るまで、130年以上にわたって絆を育んできました。
実楽の山田錦から造る日本酒は、甘味や酸味、旨味、渋味、ミネラル感などの味わいをバランス良く含み、どれかひとつの味が突出するのではなく、全体をやわらかく包み込み、お酒の味をまとめ上げるような力をそなえています。
実楽と縁のある蔵元は、その深みと膨らみのある味わいをさらに生かすために、生酛造りという伝統的な手法を採り入れました。生酛造りは「お酒の味わいがゆたかになる」「味に深みや膨らみが出る」と言われます。しかし、研究を重ねて辿り着いた味はそれだけでなく、後口のキレが驚くほど研ぎ澄まされ、酒の造り手だけでなく地域の人々も「これなら」と頷く一品に辿り着きました。
バランスの良いスムーズな味わいと、最後に感じられるキレの良さ。そこに、長期熟成による「時間」という価値を加えたのが、『八継 刻15 実楽』です。
山田錦の名産地「実楽」で、ゆたかな歴史と文化に育まれて生まれた米。その米が、昔ながらの生酛造りで味わいを磨き上げ、さらに「時間」によって研ぎ澄まされていく。貯蔵庫のなかで静かに熟成を重ねてきた『八継 刻15 実楽』は、風土のちからと時間を掛け合わせたゆたかな実りで、私たちを楽しませてくれます。
世界的な野生動物画家、岡田宗徳さんがラベルを描いた『八継 刻17 伝承』
そして、2024年5月、シリーズ4本目の熟成酒『八継 刻17 伝承』が新たにラインナップに加わりました。ラベル意匠に描かれた、勇壮なキジの姿。絵筆を執ったのは、野生動物画家の岡田宗徳さんです。世界中の動物美術家たちが入会を志すSociety of Animal Artists(本拠地:アメリカ合衆国)に、日本人として3人目の正会員認定を果たし、新聞・TV・ラジオなど多くのメディアで紹介されてきた岡田さん。絶滅の恐れがある動物を作品に描き、国内外へ向けて発信を続けるとともに、野生動物保護・生息地自然保護活動にも力を注いできました。 野生動物を見つめ続けてきた画家の、繊細かつ力強い筆の動きから生まれる“一筆入魂”の作品が、『八継 伝承』の意匠に生命を吹きこみます。
『八継 刻17 伝承』は、“伝承”というコンセプトのもと、その販売額の一部を「山階(やましな)鳥類研究所」に寄付することで、鳥類と地球環境の保護につながる研究活動を支援していきます。山階鳥類研究所は、昭和7(1932)年に山階芳麿博士が私費を投じて建てた鳥類標本館を前身として、絶滅危惧種のアホウドリやヤンバルクイナなど希少種の保護に役立つ研究を続け、環境省の委託による調査にも取り組んでいます。さらに、この研究所が誇る鳥類学に関する図書や鳥類標本は、鳥類の研究に欠かせない貴重な資料となっています。
『八継 刻17 伝承』のWEBサイトでは、一時は絶滅が危惧された国鳥・日本キジの生産と放鳥事業を受け継ぎ、次の世代へつなぐ担い手、日本キジ養殖センター小倉の二代目、小倉直樹さんのストーリーも紹介しています。
時を超えて伝承されていく人と自然の物語に想いを馳せながら、時間によって磨かれた『八継 刻17 伝承』の味わいをお楽しみいただければ幸いです。
また、『八継』は、世界的なコンテストですばらしい賞をいただきました。
▶世界的なワイン・日本酒コンテスト「インターナショナルワインチャレンジ2024」のSA KE部門において「日本酒部門 熟成の部」で、『八継』のフラッグシップである熟成50年の『八継 刻50 本醸造』が、【GOLD/金メダル】を受賞いたしました。
▶フランスで開催された日本酒コンテスト「KuraMaster2024」の日本酒審査会において「2024年度 古酒部門」で、『八継』のエントリーモデルである熟成15年の『八継 刻15 実楽』が、【金賞】を受賞いたしました。
『八継』はブランド名でもある「HAKKEI」がプロデュースを行い、今後も日本酒の長期熟成シリーズを展開していく予定です。
■WEBサイト
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