【日本生協連 記者会見ハイライト】全国の地域生協の事業概況を発表

日本生活協同組合連合会のプレスリリース

●エシカル消費対応商品の総供給高が2,457億円*(前年比109%)に
●物価上昇や人材不足、環境問題などに立ち向かい、組合員の「ふだんのくらしを応援」し、選んでいただけるコープ商品の開発・育成へ
*組合員供給価

日本生活協同組合連合会(略称:日本生協連、代表理事会長:土屋敏夫)は、2023年度業績および2024年度方針について取りまとめましたので発表いたします。また、DX-CO・OPプロジェクトの取り組み、コープ商品事業の進捗についても併せてご報告いたします。

  • 地域生協:2023年度供給高は前年比で伸長を維持

 全国117主要地域生協の2023年度の供給高(売上高)は3兆123億円(推計値、前年比 100.7%)となりました。宅配・店舗事業ともに前年との比較では宅配事業は100.1%、店舗事業は103.0%と伸長を維持しています。※第74回通常総会議案書 参考資料より

  • 宅配事業:供給高は前年並み。物価高騰の影響で利用単価が上昇するも、利用人数・点数は低下

  宅配事業供給高は2兆926億円(推計値、前年比 100.1%)と前年並みに推移しました。利用単価は前年比103.0%、利用人数は前年比97.4%、利用点数は前年比96.2%となりました。深刻な採用難・人材不足であり、業務委託先の事業者も欠員率が上昇しました。コストが上昇する厳しい経営環境の中、業務の標準化や配達の効率化など、コスト構造改革が進んでいます。組合員の利便性向上を目指した柔軟な注文システムやお届けの仕組み作り、キャッシュレスの一部導入などの取り組みも始まっています。

  • 店舗事業:供給高は前年比103.0%となる9,429億円

 店舗事業供給高は9,429億円(推計値、前年比103.0%)となりました。コロナ5類移行や新店、既存店改装効果もあり来店客数が伸長し(推計値、前年比101.1%)、点単価上昇による利用単価増(推計値、前年比101.8%)もあり前年より伸長しました。一方、食料品全般の価格高騰で利用点数は(推計値、前年比97.6%)で低下しました。経常剰余率は▲1.37と改善しましたが、黒字化には届かず、今後も最重要課題として取り組んでまいります。

  • 医療・学校生協を含む全国の会員生協総組合員数が堅調に増加

 医療・学校生協を含む、会員生協総組合員数は3,063万人(推計値、前年比100.7%)となりました。

  • 日本生協連:総供給高4,411億円(前年比101.2%)と伸長

 日本生協連の総供給高は4,411億円(前年比101.2%)となり、前年を上回る結果となりました。

コープ商品事業供給高は3,538億円(前年比103.0%)となり、全部門が前年超過という結果となりました。ただし、値上げによる商品単価の上昇を加味すると、厳しい側面も見て取れます。分類別では特に冷凍食品、日配食品が好調でした。

 NB商品を主とした日用品・消耗品の供給を行うキャロット事業の供給高は、331億円(前年比94.7%)となりました。そのほか、衣料品などの供給を行うカタログ事業は507億円(前年比94.5%)、ギフト事業供給高は33億円(前年比95.6%)となりました。

  • コープ商品事業: 物価上昇や人材不足、環境問題などに立ち向かい、組合員の「ふだんのくらしを応援」し、選んでいただけるコープ商品の開発・育成

 物価上昇の影響で、組合員のくらしはますます厳しさを増す中、人材不足や、業界の競争は激しく、宅配業態においても、競合増と利用人数の減少が厳しくなっています。さらに世界的な異常気象が続き、「危機的状況」とされている中で、SDGsの目標達成は着実な前進が求められます。日本生協連は、このような激しく・厳しい変化の時代でも組合員の「ふだんのくらしを応援」し、選んでいただけるコープ商品を目指し、利用していただける価格への取り組みや、コープならではの商品開発や育成を行っていきます。

値下げ実現コープ商品例(24年秋)

<コープ商品事業進捗>

①エシカル消費対応商品

 エシカル消費対応商品は、総供給高2,457億円*(前年比109%)となりました。

 環境対応包材化の進展で、エコマークが前年比128%、FSC®認証マーク付き商品も前年比114%と大きく伸長しました。他にも、22年11月から開始した寄付金付き商品「スマイル・グリーン・プロジェクト(第1期)」は、1千万円を超える規模になりました。*組合員供給価です。

②食品ロス削減商品

 「もったいないをおいしく」をテーマに、再生利用仕向先のない原料を使用した商品の展開を2023年春から始めました。2023年度は原料のバナナの選別工程で生鮮用の規格に沿わず、破棄された386,247本のバナナをコープ商品として活用しました。「CO・OP 完熟バナナスムージー」が年間供給1億円以上の実績になるなど、コープ商品の認知向上・バリューアップにつながっています。2024年春には、食品ロス削減商品は全11品番数になるなど、今後も食品ロス削減商品に取り組んでいきます。

プラスチック問題への対応

 プラスチック問題への対応では、再生・植物由来プラスチック包材が154品増加し、931品、重量で2,846トン(前年比+10.7%)になりました。2024年度はターゲット商品を設定し、倍増以上の360品増を目指します。包材におけるプラスチックのリデュースは87商品で、約167トンの減量となりました。さらに、生協で回収したPETボトルをコープ商品の軟包材にリサイクルしていく取り組みを全面的に拡大し、対象商品は2023年度末で約100品になります。

テーマ別実績

  • コープサステナブル

 環境や社会に配慮した主原料を使った商品に、共通のロゴマークを付けてシリーズ化した「コープサステナブル」。2023年度は主に水産品・家庭用品で発売アイテムを拡充し、年間供給高は281億円(前年比113%)、品番数は247品(前年比+44品)まで市場拡大しました。

  • コープクオリティ

 原料や製造方法にこだわり、100人規模の組合員モニターの8割以上が「おいしい」*と評価した商品のみをラインアップしたシリーズ「コープクオリティ」は、年間供給高は78億円(前年比101%)、品番数は97品(前年比+4品)となりました。食品の価格が全体的に値上がりする中で、おいしさという価値商品に関しては、安定的なニーズがあったものと捉えています。「おいしさ」は商品政策の5つの約束にも掲げている食品を開発するPBとしては重要な要素です。

2024年度も積極的な商品開発と情報発信を行っていきます。

 *「おいしい」「ややおいしい」を含む

  • きらきらステップ

 乳幼児向け商品「きらきらステップ」は、多くの組合員に支持され、年間供給高は23億円(前年比108%)、品番数は27品(前年比+1品)と、引き続き伸長しました。

  • きらきらキッズ

 歯が生え揃った後の幼児を対象とし、2019年秋から発売を開始した「きらきらキッズ」は、年間供給高は6億円(前年比95%)、品番数は11品(前年比-2品)でした。

  • 食物アレルギー対応「7品目を使わない」シリーズ

 食物アレルギーを引き起こす物質のうち、特定原材料7品目(卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かに)を使わない食物アレルギー対応商品「7品目を使わない」シリーズの年間供給高は8,600万円(前年比135%)でした。品番数は13品(前年比±0品)となり、供給高が伸長し、品番数は横ばいですが一定層の支持をいただいています。

<くらしと生協のSDGsの取り組み>

 衣料品を取り扱う通販部門である「くらしと生協」では、約7割が「ごみ」として処分される衣類を、そのまま使える「リユース」と「リユース」できなかった衣類の「リサイクル」という形で、不要衣料品を回収する取り組みを行っています。コーププラザのロビーに回収箱を設置したり、会員生協のイベントで衣類を回収する取り組みを行うなど、子どもから大人まで幅広い組合員が参加しています。

 <DX-CO・OPプロジェクト>

 組合員活動のデジタル化・見える化をすすめる「コープリンク」の実証実験を行ってきました。実証実験を経て、2024年7月よりコープみらいを皮切りに、みやぎ生協、コープぎふが順次利用を開始する予定です。他生協にもテスト参加を呼びかけ、ユーザー生協を増やす取り組みをスタートさせます。

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